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■加藤宏子彫刻展 (2013年7月22日~8月11日、札幌)

2013年08月11日 14時35分59秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
Hiroko Kato sculpture solo exhibition

 彫刻の素材としてはブロンズや鉄、石、木などがよく用いられる。長持ちすることに加え、量塊性を表現するのにふさわしいからだろう。
 札幌在住の彫刻家、加藤宏子さんも、以前は石を素材に、シャープで美しい造形の抽象彫刻を作っていた。この数年の素材は、自らいた紙である。この素材は、しなやかな曲線、軽みなどを表現するのに向いているようだ。筆者が思い出すのは、札幌彫刻の森野外美術館にもある宮脇愛子「うつろひ」で、あれも量塊性から彫刻を解き放った名作だが、加藤さんの作品は、別の方向から、重々しさを彫刻から取り払ったユニークなものであることは間違いない。
 では、彼女の作品が弱く軽いだけかというと、まったくそうではなくて、意外と硬そうで、確固とした存在感を有しているのだ。
 しなやかさと硬さ、はかなさと強さといった相反する性質を併せ持っているのが、彼女の彫刻の特性といえるかもしれない。

 STV北2条ビルのサイトには、(たぶん)東日本大震災が作家の精神に与えた大きな心理的影響がつづられている。
 しなやかで、しかも確固たる性質を併せ持っているというのは、あるいは、震災のような極限状況で見せる人間の性質なのかもしれない。

 
2013年7月22日(月)~8月11日(日)午前9時~午後6時(土日~4時)、会期中無休
STV北2条ビル・エントランスアート(中央区北2西2)



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