・・・沈下橋に立つと川の表情が見える、水の声が聴こえてくる・・・
四万十市(旧西土佐村)大宮
四万十川には伝承民俗が多く残っている。中流域では、祖霊は清流を行き来すると考えられている。施餓鬼供養は、村人が川原に集い、若竹を組んだ棚に供物を捧げ、御念仏を唱えながら、川に深い祈りを捧げる。
また、朝の川水を仏前に迎え、精霊舟を盆の暮れには川に見送る。
祖霊や肉親が今も行きかい、やがては自分自身も渡るべきはずの清流が汚されていいはずがあろうか。半端な自然保護論を超えたリアリティが、そこには息づいていた。
(1993.7.7発行・武吉孝夫著「沈下橋よ永遠なれ」より)
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