初夏のキノコ
不気味に拡大する新型インフルエンザに、ゴールデンウイークの旅行計画を決行か断念か苦渋の選択を迫られている方も日毎に増えていることでしょう。一日も早く終息してもらいたいものです。
なら、いっそのこと、人ごみを避けて新緑を満喫し、薫風で満腹になるヘルシー登山を決め込んでいる方もいることでしょう。手っ取り早い健康法の代表格はウオーキングですが、時には少しコースを変えて神社の境内に足を向けてみるのも新鮮味があって良いかもしれません。5月中旬以降になると、椎の木の根際に紅色で一見牛の舌のようなおぞましい物が、べろっと出ているのを見かけることがあります。耳慣れないキノコ、カンゾウタケです。
大きさは10センチ前後で、初見は毒々しくておぞましい。ところが、これが立派な食用キノコなのである。高知では、ほとんどの場合椎の木に生えるのでブナ林で見かけることはない。数多いキノコの中でも特筆の食用キノコで、何が特筆かと言うと「生のままで食べるのがベスト」のショッキングなキノコなのだ。刺身に切り揃えて皿に盛り付け、ワサビ醤油で食べる。切り口は牛肉の霜降り状で欧米では「ステーキきのこ」とも呼ばれる。切り口からは赤い肉汁がにじみ出るので雰囲気にも念がいっている。
さて味は?酸味が強いので水にさらしてから食べると良い、と言う図鑑もあるが、高知のカンゾウタケの酸味は気にならない。ステーキに似ていても脂質はゼロ、旨みもゼロ、だが、持ち味はプリッとした歯切れが身上で、通に言わせれば「この、野生がたまらん!」 でも、所詮、酒飲みのたわ言かも。
写真はすみませんがインターネットで検索して下さい。
森ときのこを愛する会 島崎俊弘
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