「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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きのこ散歩道⑥ マツタケその②

2011-01-06 | 島崎俊弘さんの きのこ散歩道

どこで、採れるの?

 キノコの生態を大きき分ければ2つに分類される。シイタケのように木から生えるグループとマツタケのように地面から生えるグループである。シイタケは木の中に菌糸を伸ばし、木の成分中で分解し難いリグニンやセルロースを養分として取り入れ、木を腐植させていく働きをしている。マツタケは菌糸を地中に伸ばし松の根に取り付いて、分解した有機物(リン酸など)や水分を根っこに供給している。光合成のできないマツタケは、代償として松の根っこから炭水化物を頂戴している仕組みになっていて、見事な共生関係にある訳だ。根の最先端部を根毛と言うが、菌糸はこれよりもはるかに細く、根毛が届かないような岩のわずかの隙間などにも伸びていく。さらに、数十センチ~数メートルも伸びるので、松の根は最大限に地中の養分を吸収できる仕組みになっているとも言えよう。

 マツタケを探すヒントは、前述の特徴を知っておくと少しは参考にはなるかもしれない。四国は急峻な山が多いが、この急傾斜をマツタケは好む。風がよく通る尾根筋は落ち葉も少なく、土地はやせている。(落ち葉でふかふかの肥沃な場所は、他の菌類たちが幅を利かしているのでひ弱なマツタケの居場所はない。)この尾根筋から数mくらい下がった所までの範囲を丹念に探しながら登っていくのが基本となる。

 スーパーで売っているような立派なマツタケが、ニョッキリと生えているのを想像すると感動のご対面の可能性は極めて薄い。激減したマツタケがこんな状態で見つかる場所は、電池で覗くような被さった岩の下か、何かの拍子でできた割れ目しかない。

 機会があれば、まずゆっくり、わずかに地上に頭を出して松ぼっくりにも似た地味なイメージを描いて探し始める。極度の集中力は永続きしないので、リラックスの集中力がお勧めで、「待て、而して希望せよ!」(モンテ・クリスト伯)の心境で・・・。

 森ときのこを愛する会 島崎俊弘

 

島崎俊弘(森ときのこを愛する会会長) さんの記事  





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