今週の『東洋経済』を読んでいて気付いたのですが、
GMの「レガシーコスト」は他人事では全くなく、
GMよりも大きなレガシーコストを抱えているのは
他でもない、この日本だったのです。
我々がGMを笑うことは不可能であり、
却って我々こそがレガシーコストによろめいて
「先進国グループの中のGM」として見下されかねません。
GMの工場の賃金とトヨタの工場の賃金が比較されて
高コストのGMの賃金が指弾されていましたが、
日本の高齢層の社会保障負担の低さと受益の大きさ、
そして年功賃金を享受できた中高年層のコストの高さは
GMの工場の高コスト構造など遥かに超えます。
▽ ひとつの参考まで
原田泰氏「増税するなら子供のために使うべき」
面白い特集なのですが、
(今回はダイヤモンド誌よりも鋭い問題提起です)
処方箋が非常に弱いのが残念です。
P82で提起されている「日本版ワッセナー合意を」は
大変興味深いものですが、
(英蘭両国における若年失業率低下の概要が紹介されている)
勤労観の全く異なる日本社会では無理があります。
合意まで最低5年は必要で、急場に間に合いません。
エコノミスト誌で実績をあげて独立した小林女史も
著書を拝見する限り熱意のある正義派ですが
いまだに労働経済と雇用の違いも分かっていないようです。
(どなたかそろそろ語義の違いを教えた方が良いのでは)
今回の特集で現実的な対策を提起できたのは、
社会保障制度の再構築と福祉分野での雇用創出を説いた
中央大の山田昌弘教授ただ一人だけでした。
この時期に「市場経済のメリットを教えるべき」と
勇敢に発言されている大竹教授も素晴らしいです。
◇ ◇ ◇ ◇
インタビューで最も面白かったのは
あの富野由悠季監督の談話(P66)で、
「若者を温室育ちにしたのは今の中高年層だ」
との指摘は至言だと思います。
若年層だけが悪いというのは絶対にあり得ないですからね。
◇ ◇ ◇ ◇
ところで、昨年末の『週刊ダイヤモンド』では、
あのソロス氏が次のように語っています。
「不況の際には、失業者というリソースが生じます。彼らに
失業手当を支払うのではなくより適切に雇用する、つまり
代替エネルギー源・省エネルギー技術開発といった方向で
活用するのです。これが、私たちが今迎えようとしている
世界恐慌から抜け出す道であると私は信じています」
「レベルが違う」とはまさにこのことです。。
GMの「レガシーコスト」は他人事では全くなく、
GMよりも大きなレガシーコストを抱えているのは
他でもない、この日本だったのです。
『週刊 東洋経済』2009年 1/10号 |
我々がGMを笑うことは不可能であり、
却って我々こそがレガシーコストによろめいて
「先進国グループの中のGM」として見下されかねません。
GMの工場の賃金とトヨタの工場の賃金が比較されて
高コストのGMの賃金が指弾されていましたが、
日本の高齢層の社会保障負担の低さと受益の大きさ、
そして年功賃金を享受できた中高年層のコストの高さは
GMの工場の高コスト構造など遥かに超えます。
▽ ひとつの参考まで
原田泰氏「増税するなら子供のために使うべき」
面白い特集なのですが、
(今回はダイヤモンド誌よりも鋭い問題提起です)
処方箋が非常に弱いのが残念です。
P82で提起されている「日本版ワッセナー合意を」は
大変興味深いものですが、
(英蘭両国における若年失業率低下の概要が紹介されている)
勤労観の全く異なる日本社会では無理があります。
合意まで最低5年は必要で、急場に間に合いません。
エコノミスト誌で実績をあげて独立した小林女史も
著書を拝見する限り熱意のある正義派ですが
いまだに労働経済と雇用の違いも分かっていないようです。
(どなたかそろそろ語義の違いを教えた方が良いのでは)
今回の特集で現実的な対策を提起できたのは、
社会保障制度の再構築と福祉分野での雇用創出を説いた
中央大の山田昌弘教授ただ一人だけでした。
この時期に「市場経済のメリットを教えるべき」と
勇敢に発言されている大竹教授も素晴らしいです。
◇ ◇ ◇ ◇
インタビューで最も面白かったのは
あの富野由悠季監督の談話(P66)で、
「若者を温室育ちにしたのは今の中高年層だ」
との指摘は至言だと思います。
若年層だけが悪いというのは絶対にあり得ないですからね。
◇ ◇ ◇ ◇
ところで、昨年末の『週刊ダイヤモンド』では、
あのソロス氏が次のように語っています。
『週刊ダイヤモンド』2008年 12/20号 |
「不況の際には、失業者というリソースが生じます。彼らに
失業手当を支払うのではなくより適切に雇用する、つまり
代替エネルギー源・省エネルギー技術開発といった方向で
活用するのです。これが、私たちが今迎えようとしている
世界恐慌から抜け出す道であると私は信じています」
「レベルが違う」とはまさにこのことです。。