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払った保険料の2倍もバラまく日本の年金、特に専業主婦と公務員は盛大に優遇 - まさに「年金シロアリ」

2013-12-26 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
実態は米経済回復と円安急伸の「神風」に過ぎないのに、
アベノミクスなどという中身のないキャッチコピーを囃して
「株高で日本の年金財政は改善した」という珍言すら語られている。

そうした世迷い言を平然と語るのは
自分がファイナンスをかじった大学生にすら劣ると
大声で世間に発表しているようなものである。
無知であるばかりか世間に更なる馬鹿を拡大再生産しかねない点で罪が深い。

彼らはかつて元寇においてフビライ・ハーンの大軍が自滅したのを
我が手柄のように誇って恩賞を要求した鎌倉時代の寺社と同レヴェルだ。

GPIFのポートフォリオや平均リターンの実績を知っていれば、
今年のような運用を期待してはならないことは明白である。

2002年や2008年の運用実績を忘れ、ちょっといい数字が出ると
調子に乗ってハイリスク資産に傾斜するのは
馬鹿な素人がマーケットでよくしでかす愚行であり、
運用成績を下げる大きな要因となる。

これ迄は日本の年金を蝕む衆愚勢力は、
碌に保険料を払っていない癖に「生活できない」とほざく自称庶民であったが、
(真の弱者はごく一部で、殆どの受給者はこれまで支払った保険料が少な過ぎるのが実態)
株高でハイになって頭がおかしくなった連中まで加わってくると、
ますますもって日本の年金制度は絶望的な状況に陥る可能性が高まった。

当ウェブログは何度でも言うが、コラテラル・ダメージは必至である。
巨額の年金バラマキを行って次世代育成も雇用増もサボタージュしているのだから、
このようなモラルハザードの塊のような社会システムに持続可能性などない。

▽ 日本の社会保障制度は異様なほど高齢層に偏っており、再分配で現役世代が貧しくなる

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


事実を直視すれば、我が国の社会保障制度の醜悪さは明白である。

「我が国の年金制度の最大の問題は、年金給付のおよそ3割が公費投入であり、
 豊かで多額の資産を持つ者にも公費が投入されていることである」

「そして急速に劣化する人口動態から見てこの給付額が到底持続可能ではないこと、
 戦後生まれの世代はその親世代よりも産み育てた子供の数が少ないのだから
 年金給付額の低下は理の当然である」

「更に高齢層にのみ偏った社会保障給付が育児支援に回らず、
 出生率に強烈な下げ圧力をかけるばかりでなく、
 現役世代の貧困を深刻化させているという最悪の制度である」

「高齢層及び予備軍の多くはその莫大な公費投入を認識していない。
 年金給付の際に公費投入の比率を明記でもしないと理解できないのである。
 「あれほど払って年金がこれしか出ない」と言っている者は、
 ほぼ全員が大して保険料を払っていない」

「現役世代の格差拡大・貧困深刻化においては、
 間違いなく日本の社会保障給付が異常に高齢層に偏っているのが主因である。
 当然ながらこれは厚労省にも大きな責任がある」

「現役世代の雇用・育児支援策が例えば北欧に比べて著しく貧弱なため、
 日本の女性雇用の増加は鈍く出生率も上がらない。
 これは回り回って日本経済の活力を毎年毎年削いでゆく病根である」

「この歪みとモラルハザードを矯正しない限り、
 インフレーション・タックスの直撃を避けることはできない」

と当ウェブログが書いているのは、冗談でも何でもない。
このままでは日本の社会保障制度は「高齢化への根本的対処が遅れた悲惨な失敗例」として
経済史に記録されるようになるであろう。

 ↓ 参考

貧しい若者から搾取したカネを高齢者に回す日本、現役世代の格差は急拡大 - 厚労省は自画自賛ばかり
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f8ec208ad41a248b7550a5fc26fd9a7f‎

700万人の団塊世代の高齢化で年金負担急増、消費税引き上げも焼け石に水 -「このままでは破綻する」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/556b925dcc9cac035f2016c166b8c54c‎

▽ 日本の年金制度には、スウェーデンのような自動調整機能もカナダのような本格的なクローバックもない

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


財源不安の年金、誰がどれだけ負担しているの?(THE PAGE)
http://thepage.jp/detail/20131209-00000004-wordleaf
”これまで国債を中心とした安全運用を基本としていた日本の年金運用が、株式の運用に転換する方向へ大きく変わろうとしています。その背景にはインフレの進展といった経済的要因もありますが、このままでは年金の原資がなくなってしまうというより現実的な問題もあります。日本の年金は今、どのような状態にあるのでしょうか?
 年金は大きく分けると、サラリーマンの人が加入する厚生年金と主に自営業者の人が加入する国民年金があります。年金の給付額は厚生年金が26兆円、国民年金が19兆円ですから全体では約45兆円になります。厚生年金の給付を受けている人と国民年金の給付を受けている人は、合計で約4000万人おり、平均すると国民年金のみ受給している人は年間60万円程度、厚生年金(基礎年金も含む)の人は約180万円もらっていることになります。

保険料は給付額の半分しかない

 一方、現役世代から徴収する保険料は、厚生年金が23兆円、国民年金が1.6兆円しかなく、残りは、国からの補助(8兆円)、年金運用のファンド(年金積立金管理運用独立行政法人:GPIF)からの資金(9兆円)、剰余金などで賄っています。つまり年金として高齢者に支払っている額の半分しか、現役世代の保険料でカバーすることはできていないのです
 一方、保険料の方に目を転じてみると、国民年金の加入者は1900万人、厚生年金の加入者は3500万人いますから、1人あたりの保険料としては、国民年金の人は年間約9万円、厚生年金の人は68万円(うち会社が半分負担)を支払っている計算になります。
 ただ、この数字には少々カラクリがあるので注意が必要です。国民年金の未納率は年々上昇しており、現在では40%に達しています。また学生など国民年金を免除される人が10%程度いますから、国民年金については全体の半分程度しか保険料は支払っていません。したがって、国民年金を実際に支払っている人は、この倍以上の保険料を負担しています。

厚生年金が年金全体を支え、国が補助する構図

 また厚生年金の負担が過大なのは、約1000万人いるといわれる専業主婦の存在も大きく影響しています。専業主婦は保険料を納付していませんが、年金をもらうことができます。厚生年金の保険料が極めて高く見えるのは、専業主婦の分も負担しているからです。
 ちなみに、公務員が加入している共済年金の保険料についても、厚生年金と同じように事業主としての国が負担をするのですが、こちらは半分ではなく7割ほど負担しています。国家公務員共済を例にとると、1人あたりの年金額(基礎年金も含む)は約220万円です
〔中略〕
毎年5-6兆円の資金がなくなる

 すでに多くの人が指摘していますが、日本は高齢が進んでおり、このままでは年金の支払額は増える一方です。年金を運用するGPIFでは、運用で得られるお金よりも、年金の支払いに回すお金の方が圧倒的に多くなっており、毎年5兆円から6兆円の資金がなくなっています。現在の運用資金は120兆円程度ですから、ファンドの運用益を増やさないと、20年から25年で運用資金が底をついてしまいます。
 現在の日本の年金制度は、若い世代が高齢者を負担するという世代間扶養を原則としており、各人が老後の資金を積み立てるという仕組みにはなっていません。
〔中略〕
 現在の年金制度を維持する限りにおいては、保険料の値上げと、支給する年金の減額、物価の水準に合わせて年金額を変更する物価スライド制の廃止は避けて通れないでしょう。(The Capital Tribune Japan)”

このPAGEの記事が本当に素晴らしい。
シロアリの大軍がたかっている我が国の社会保障の醜い本性がここに示されている。

見え見えの自画自賛や言い訳に満ちた厚労省の白書や
御用学者の欺瞞的なプロモーション言説と違って、
不都合な事実をありのままに書いている。

専業主婦であっても、病気等で働くことができなかったり
何人もの子供を頑張って奮闘して育てているなら話は別だが、
残念ながらそうした事例は少数派というのが実態である。

もとよりライフスタイルの選択は自由であるが、
健康で働けるのに老後のコストを他人に払わせるのは罪悪である。
そのような余裕は、我が国の財政状況においてはもう既に許されない。
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