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「100mSv以下の低線量被曝でも癌による死亡リスク増加」- 疫学調査で判明、矢張り原発は安全でない

2015-10-29 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
イギリスの医学誌に、衝撃的な疫学調査の結果が掲載された。
低線量被曝でも発癌による死亡リスクが上昇することが分かったのだ。

しかも、従来指摘されていたのは白血病のリスクだけだったが、
他の癌のリスクも高まっていたことも判明した。

当ウェブログは、「福島原発事故で一人も死んでいない」と主張する愚劣な非科学的論者を批判し、
まだ結論を出せる段階にはなく、原発の現場労働者のリスクはこれから明らかになるため
こうした傲慢不遜な論者の嘘が発覚すると警告してきた。

キュリー夫人がポロニウムやラジウムを発見してから
放射能の生物へ及ぼす影響が徐々に判明していったが、
はっきり言えることは「研究が進めば進むほど危険性の大きさが分かってきた」ということだ。
つまり、以前は「安全」とされたことが「害がある」に覆ってきたのである。

真に科学に基づいた見解は、「科学は常に進歩するから、分からないことが多い」
「今、正しいと考えられていることも新たな研究によって否定される」なのだ。

だから、既存の科学研究をおのれの利害や主義主張のために「利用」して
「原子力は安全」「低線量であれば安全」「福島原発事故で一人も死んでいない」
などと平然と言う連中は、全員嘘つきであるばかりか科学を冒涜するものである。

▽ 利権勢力の言う「安全」とは、実質的に「原発稼働でカネを儲けたい」という意味である

『原発と大津波 警告を葬った人々』(添田孝史,岩波書店)


▽ フランスの原子力技術者は、技術力に劣る日本で原発過酷事故が起こると予言していた

『原発大国フランスからの警告』(山口昌子)


毎日新聞は、電力大手が政策決定関係者に接待を繰り返してきたことや
日本原燃の幹部が永田町で怪文書をバラ撒いて
再処理施設の必要性を力説していた事実を報じている。
彼らが信用でいないのは、彼ら自身の行動に照らして明白である。

「国民の血税を何兆円も無駄にしてまだまともに稼働していない「もんじゅ」。
 不祥事続出の「問題児」施設であることで名高いのであるが、
 また驚くべき実態が明らかになった」

「原子力規制委員会がもんじゅの再開に向けた準備作業をストップさせ、
 管理体制の不備を厳しく批判したのだ。
 「こうした組織の存続を許していること自体が問題」との糾弾まで出ている」

「どっかの島国の首相が「日本の原子力技術は世界最高」と
 つい調子に乗って口を滑らせたが、実態はこのざまである」

「原子力利権に固執する勢力の存在と電力大手の地域独占こそが
 こうした醜悪な「エネルギー政治」の根源である」

「彼らが生み出した数々の問題と政策介入、世論操作を見れば余りにも明らかである。
 彼らの「業界」は利益相反とモラルハザードの巣窟だ」

「毎日新聞が鋭い取材で腐敗した原子力利権勢力の本性を暴いている。
 こうした買収行為が彼らにとっては「常識」「当然の業務」だったのである」

「読売新聞や産経新聞ではこうした記事は絶対に出ない。
 この手の取材は「社内検閲」を受けて封殺されるからだ」

「議論を拒否して情報操作を図る強烈な独善性は、
 そのまま全てが日本国民からの不信となって跳ね返ってくる」

と当ウェブログは指摘してきた。
この国では、原子力利権勢力の言葉はもはや国民から信じられることはない。
自業自得であるが、永遠に「嘘ではないか」と疑われる運命にある。

 ↓ 参考(「「注射」と呼ぶ電力接待」「東電はえげつないことをやっている」との証言あり)

「こういう組織の存続を許すこと自体が問題」-杜撰なもんじゅ点検漏れ問題、日本原子力研究開発機構に鉄槌
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/57995b0df3837171b54c746aa7bf7a77

NHKが原発プロパガンダを放映拒否したのは当然の措置 - 資源エネ庁の外郭団体役員に公平中立は無理
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a493520dcf375fec2e27342bc52fd182‎

原発も除染もデタラメの温床、変わらない原子力業界の体質 - 偽装請負・搾取・安全軽視・隠蔽
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ec7aeb1086829fec446a856bca6f7aaa

▽ 原子力利権勢力による以前の「メディア汚染」「情報操作」の実態が分かる

『原発の深い闇』(別冊宝島 ノンフィクション)


原発作業員のがん死亡リスク増加 低線量被ばくでも(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015102101001610.html
欧米の原子力施設で働く30万人以上を対象にした疫学調査で、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでも線量に応じてがんによる死亡リスクが増えたとする分析結果を、国際チームが21日までに英医学誌BMJに発表した。
 国連科学委員会などは被ばく線量が100ミリシーベルトを超えると発がんリスクが高まるが、100ミリシーベルト以下では明確なリスク上昇を確認できないとの見解を示している。
 チームは100ミリシーベルト以下でも白血病のリスクが上昇するという調査結果を既に発表しているが、今回新たに肺や胃、肝臓など白血病以外のがん全体でリスクの上昇を確認したという。

こちらが問題の研究結果。
矢張り被曝リスクの高いのは原発など核エネルギー施設で働く労働者である。
今後も引き続き研究が行われ、低線量被曝の影響が明らかになるであろう。
そして「安全」などと無責任な主張を行った連中の嘘が明らかになるであろう。


原発事故:白血病の作業員に初の労災認定(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20151021k0000m040081000c.html
厚生労働省は20日、東京電力福島第1原発事故の廃炉作業に従事し、血液のがんである白血病にかかった40代男性の労災を同日付で認定したと発表した。第1原発事故後の作業で被ばくした作業員のがん発症で労災を認めたのは初めて。原発事故から今年8月末までに福島第1原発で働いた作業員は4万人を超えているが、廃炉の完了は見通せない状況で、被ばくに伴う労災申請が今後増加する可能性がある
 厚労省によると男性は2012年10月~13年12月、建設会社の社員として第1原発で原子炉建屋カバーや廃棄物焼却設備の設置工事などに従事。作業中は防護服や鉛ベストを着用していたが、体調を崩し、血液のがんである白血病と診断された。男性は別の原発を含めて約1年6カ月間原発で作業し、累積の被ばく線量は19.8ミリシーベルト(第1原発だけでは15.7ミリシーベルト)。現在は通院治療中という。
 厚労省は、白血病に関する原発労働者の労災認定基準について、1976年に「年5ミリシーベルト以上で、被ばくから発症まで1年超経過していること」と定めた。
〔中略〕
 放射線医学の専門家らで作る厚労省の検討会の意見を踏まえ、認定基準を満たしていると判断した。男性には医療費や休業補償が支払われる。
 今回の認定について、厚労省は「被ばくと白血病の因果関係は明らかではないが、労働者補償の観点から認定した」としている。
 厚労省や東京電力によると、事故後に第1原発で働いた作業員は今年8月末時点で4万4851人おり、累積の被ばく線量は平均約12ミリシーベルト。このうち約47%の2万1199人が、白血病の労災認定基準の年5ミリシーベルトを超えているという。
 事故後に第1原発で働いた作業員でがんを発症し労災を申請したのは、今回認められた男性以外に7人いる。
このうち3人は労災が認められず、1人が自ら申請を取り下げ、残る3人は審査中だという。
 今回の認定について、東電は20日、「労災認定されたのは協力企業の作業員で、詳細をコメントできる立場ではない。今後も作業環境の改善に努める」とのコメントを出した。【古関俊樹、関谷俊介】
◇原発労働者の労災認定基準
 厚生労働省は原発労働者を含む放射線業務従事者について、労働安全衛生法に基づく被ばく線量の上限(年50ミリシーベルトかつ5年100ミリシーベルト)とは別に、放射線障害による疾病ごとの労災認定基準を設定。白血病以外のがんでは、悪性リンパ腫で「年25ミリシーベルト以上」、食道がんや胃がんは「100ミリシーベルト以上」などとしている。原発労働者の労災認定は、福島第1原発事故以外でこれまでに13人(白血病6人、悪性リンパ腫5人、多発性骨髄腫2人)いる。

福島原発事故でも、詳細な研究分析が望まれる。
従事した労働者数に比べて労災申請がかなり少なく、
報道で知って申請者が増える可能性が高いと見ておいた方が良い。
(低線量被曝による悪影響はすぐに現れるものではなく、まだ分からないことも多い)
今後の研究が進むことで、労災認定基準が拡大される可能性もかなりある。
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