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「六重苦」は日本企業の醜悪な二枚舌 - 円安でも進む海外生産、内部留保は1年で6兆円も急増

2013-07-29 | いとすぎから見るこの社会-全般
基本的に政策への強い要求を出す企業は経営に全力投入しておらず、
政策に責任転嫁するロビイストに過ぎない。
政府にゴネて仲間内の収益を増やすのが目的である。

例えば声の大きい大企業の雇用創出の実績を調べるがいい。
収益が伸びて必死にマネジメントしている企業なら
政府の政策に文句を言う余裕など殆どない。

また、法人減税やTPP、企業サイドに立った規制緩和が
あたかも成長政策であるかのように騙っている連中は
金融もしくは市場関係者の利益代弁者に他ならない。

彼らは自己の利益のために平気で嘘をつく輩だ。
株価が上がったり自己の業界が潤う政策を「成長政策」と偽称している。
実際には「自らの業界益の成長政策」であることは事実に照らして明らかだ。

これほど円安が進んでも自動車業界の海外生産は増え、
企業の内部留保は急増しているのが現状である。
企業の利益誘導を真に受けたら国内経済が潤うようにはならない。

吉本佳生氏は、何度もバブルに便乗して騒ぎを起こし、
自らの損失を他人に尻拭いさせた金融関係者を厳しく批判している。
我が国の無責任かつ場当たりな「成長政策」言説のバラマキを見れば、
企業側の利益誘導の言説に不信を持つのが寧ろ当然であろう。

▽「金融市場の人の経済感覚は全く当てにならない」と明言

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


円高期には五重苦、六重苦とほざいて日本ではビジネスができないかのように喚いていたが、
円安に反転しても海外市場を目指す動きは続いている。
殆どの原発が停止状態に陥っても株価は上昇している。

つまり彼らは平然と嘘をついてきたのだ。
賄賂を渡さなければやっていけない中国やロシア、
国際的に見て非常識な判決が出て巨額をふっかけられる韓国に
ビジネスの障壁がないとでも言うのか。

「「企業が稼いでこそ日本が豊かになる」との尤もらしい宣伝が多いが、
 これは完璧な誤りであるばかりではなく明白なプロパガンダである」

「企業収益増加は日本経済の成長の必要条件の一つであっても、
 決して十分条件ではない。これが21世紀の「ニューノーマル」なのだ。
 大企業を保護し健全な競争を妨害する政策や制度が日本経済を沈滞させている」

「真に必要な経済政策は、いかに利害関係を持つ企業が嫌がろうとも
 エネルギー効率を高め、強力な人口政策と積極的労働市場政策を推進することであり、
 大手企業に媚びへつらってその利益に貢献する腐った政策ではない」

としてきた当ウェブログの見解は残念ながら的中している。

↓ 参考

企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」- 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/619b49fe849af09f9a6a4ff93219bf23

資金を貯め込む「内向き」日本企業、99兆円もの巨額の内部留保 - 遂に米紙WSJからも批判される
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8db6931d80e2f0246bd507865d384526

▽ 日本は現役世代が高い生産性を保っているが、高齢化要因で成長率が低下している

『中国台頭の終焉』(津上俊哉,日本経済新聞出版社)


▽ 北欧は女性就業率が高く、日本より遥かに対内投資が多いので成長率が高いのは当然





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


自動車国内生産、11%減=海外シフト鮮明―大手8社上期(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013072600968&g=int
”自動車大手8社が26日発表した2013年上期(1~6月)の国内生産台数は、前年同期比11.3%減の442万5436台と、2年ぶりに前年実績を下回った。国内販売の不振に加え、生産拠点を海外にシフトする動きが鮮明となった。日本からの輸出も7.9%減少。一方、海外生産は1.2%増加した。
 国内生産比率が高いマツダと富士重工業を除く6社が国内生産、輸出ともに減少。
〔中略〕
 国内販売は、エコカー補助金終了で9.0%減と低迷。海外販売は中国や欧州で苦戦しているものの、景気が回復基調にある米国は好調だ。今年に入り円高が是正され輸出の採算が改善しているが、メーカーの多くは為替相場に左右されない企業体質を目指している。このため、北米や新興国など海外での現地生産化を進める動きに歯止めはかかっていない。

はっきり言っておくが、円安やTPPでも海外移転は止まらない。
相当に破壊的な円安が進めば話は別だが。

国内市場が沈滞している現状が問題の根本にあり、
破壊的な人口動態を放置してきたからこうなるのだ。
(人口動態の若いインドネシアやタイの市場を見るがいい)


大手企業の利益ため込み、急加速 30社、内部留保1年で6兆円増(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072501001882.html
大手企業30社が利益のうち賃上げなどに回さず社内にため込んだ「内部留保」の総額は2013年3月末(一部5月末)までの1年間で約6兆円(8.2%)増え、総額77兆6435億円に上ったことが25日、共同通信の調べで分かった。年平均2~4%程度だった12年3月末までの3年間に比べて突出した伸び。特に大手銀行の増加率は軒並み2桁増と急拡大した。

大手企業には投資先、事業拡大先が殆どないのだ。
たとえ法人減税を行っても内部留保が増えるか配当に回るかしかない。
一般国民に及ぶ恩恵は雀の涙にとどまり、
不満の蓄積が自民党を次の選挙で叩き落とすことになる。
(若しくは悪い円安、悪い金利上昇で安倍内閣が満身創痍で自ら退場する)

「安倍首相の賃上げ要請はしようもない選挙向けパフォーマンスに過ぎない。
 断言しておくが、あと数年経っても賃金上昇は「苦痛なほど鈍い」ものになる」

と当ウェブログが指摘した通りである。真実を報道が立証しつつある。

先進国並みの対内投資が実現すれば確実に経済効果が出るが、
既得権を持つ経済界が全力で抵抗するだろう。
彼らは自らの狭い利害関係で全てを判断しているからだ。
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