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企業の海外進出の主因は「現地の需要が旺盛」- 円高でも人件費でも税負担でも電力料金でもない

2013-04-17 | いとすぎから見るこの社会-全般
殆ど注目されていないが、内閣府が重要な調査を発表している。
企業が海外進出を進める理由として半数近くが挙げているのが「現地での需要が旺盛」だと言う。

つまり「五重苦」「六重苦」とほざいて海外進出を正当化してきた
我が国の経済界とその手先のエコノミスト達は事実を偽って
執拗に利益誘導を行ってきたわけである。

国内市場の沈滞と海外市場の伸長が、日本企業の海外進出にとって最も大きな誘因である。
ここでも人口動態の急速な劣化と高齢層に偏った社会保障給付が影を落としているのだ。

▽ 日本では90年代以降、急激に生産年齢人口が減り高齢者の割合が増えている

『人口負荷社会』(小峰隆夫,日本経済新聞出版社)



「「企業が稼いでこそ日本が豊かになる」との尤もらしい宣伝が多いが、
 これは完璧な誤りであるばかりではなく明白なプロパガンダである」

「企業収益増加は日本経済の成長の必要条件の一つであっても、
 決して十分条件ではない。これが21世紀の「ニューノーマル」なのだ。
 大企業を保護し健全な競争を妨害する政策や制度が日本経済を沈滞させている」

「真に必要な経済政策は、いかに利害関係を持つ企業が嫌がろうとも
 エネルギー効率を高め、強力な人口政策と積極的労働市場政策を推進することであり、
 大手企業に媚びへつらってその利益に貢献する腐った政策ではない」

と当ウェブログは主張してきたが、
内閣府調査がそれを裏付けたと言えるだろう。

↓ 参考

資金を貯め込む「内向き」日本企業、99兆円もの巨額の内部留保 - 遂に米紙WSJからも批判される
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8db6931d80e2f0246bd507865d384526

金融緩和・法人減税のアベノミクスが竜頭蛇尾になる明白な理由 - 金融機関・企業の手元資金、過去最高に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7377948d7b032195b924c9ded6902d3e

▽ 日本衰退の主因は人口動態である

「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」文藝春秋


海外生産、17年には企業の7割超に 内閣府調べ(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO53962820T10C13A4NN1000/
”内閣府の企業行動に関するアンケート調査によると、外国で生産を行う企業の割合は2012年度に過去最高の68.0%となった。17年の見通しでは 71.1%と7割を超える。理由の1位は「現地の需要が旺盛」(45.8%)で、2位の「人件費が安い」(23.1%)を大きく上回る。新興国の成長取り込みを目指す動きが目立っている。〔以下略〕”

海外で日本企業が収益を伸ばすのは慶賀すべきことだが、
これは韓国と同じ道を日本が後追いしていることを意味する。

我が国は韓国同様、税を通じた再配分機能が非常に貧弱である。
グローバル企業幹部の一族ばかりが儲かって繁栄を謳歌し、
失敗者は這い上がれない韓国型社会に、日本も進みつつある。


円安でも日本に生産戻らず=TPP影響小さい―ゴーン日産社長(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013032800072&g=ind
”【ニューヨーク時事】日産自動車のカルロス・ゴーン社長は27日、ニューヨーク国際自動車ショーの会場で記者会見し、円安が進行しても、「日本国内から(北米に)移管した生産が戻ってくるとは正直、思わない」と述べ、円相場の動向にかかわらず、生産の現地化を進める方針を示した。
 ゴーン社長は、「為替の変動リスクを抑えるためには現地化が必要」と強調。一方、円安によって、「国内生産100万台を維持するという計画における不利な条件が減っている」と指摘した。
〔中略〕
 また、日本が交渉参加を決めた環太平洋連携協定(TPP)については、現地生産が拡大しているため、「日産への影響はあまりない」との見方を示した。”

ゴーン氏は正直だ。その点は高く評価したい。
円安やTPPに期待したほどの大きな効果はない。


賃上げ率2年連続で低下 経団連、春闘第1回集計(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040501001934.html
”経団連が5日発表した2013年春闘の第1回賃金回答集計によると、大企業の定期昇給を含む賃上げ率(加重平均)は、前年の初回集計時と比べ0・03ポイント減の1・91%と2年連続で低下した。回答額の加重平均は37円減の6203円だった。安倍首相が経済界に異例の賃上げ要請をしたが、月例賃金には明確な効果はなかったとみられる。回答企業はすべて定昇を実施。経団連は「政府要請が背中を押した可能性がある」と説明する。”

当ウェブログが既に指摘した通り、安倍首相の賃上げ要請は
しようもない選挙向けパフォーマンスに過ぎない。
断言しておくが、あと数年経っても賃金上昇は「苦痛なほど鈍い」ものになる。
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