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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

預金4000万円でも生活保護を受けた悪徳経営者 - 富と倫理性は比例せず、橋下維新公約の資産課税は正しい

2012-02-28 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
現在、最も即効性があり国内経済を損なわない財政再建策は、
間違いなく貯蓄税である。従って資産課税を掲げる橋下公約は正しい。
得られた財源を省エネ関連のインセンティブや育児バウチャーに投入すれば
日本経済をも成長させ得る一挙両得の賢策でもある。

このことを理解できるかどうかで経済政策のリテラシーが判断できる。
実体経済を全く理解していない者は資産フライトだの騒ぐが、
所詮ポジショントークなので相手にする必要はない。

今の円高時期に巨額の資産フライトが起こってくれるなら天恵である。
大幅円安を受けて我が国の輸出企業が急回復し雇用も好転する。
(論より証拠、昨年のドイツ経済で何が起きたかを見よ)
円安になったら法人税収が急激に増えるのでその時に貯蓄税をやめれば良い。
日本経済が急回復したら節操ないカネがまた国内回帰してくる。

スイス中央銀行はかつてマイナス金利政策を実施したことがあるが
一部の愚か者が言うように資産フライトで経済破綻などしていない。

当ウェブログが貯蓄税を支持するのは、超高齢化と経済停滞が同時進行し
預貯金にばかりマネーが集中する日本経済の動脈硬化の打破のためだが、
もう一つ重要な理由があるのを発見した。

米経済の富の集中度を時系列で調べてゆくと驚くべき事実が分かると言う。
利己的な金持ちが主張する見え透いたプロパガンダとは全く逆に、
「富が一部の層に集中すると深刻な金融危機が生じる」
という歴史的事実が明らかになったのである。

▽ あの大恐慌前と、サブプライム不況前の富の集中度はほぼ同じだった!

『余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる』(ロバート・ライシュ,東洋経済新報社)


当ウェブログで一度書いたことだが、
資産額と能力、資産額と社会への貢献度は比例しない。
富の格差を放置すると生まれの不平等を拡大再生産する弊害もある。

 ↓ 参考

田中防衛相の3億円資産、野田内閣でトップ - 資産額は能力と比例せず、社会正義のため資産課税が不可欠
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/90a2200e8c53cbe3aa5a4fb9f3c42374


また、増税で富裕層が海外脱出するというのもプロパガンダである。
富裕層は計算高いから税制以外の得失も隅々まで考慮して決断するものだ。

 ↓ このような興味深い調査結果も

高額所得者に増税すると富裕層の転入者が増えた!! - 米ニュージャージー州での調査結果
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8efc9ffa2fba0898132ffd2e1ccd1e55


問題は税率ではない。税制の中身とその税収の賢い使い方である。
そして何が賢く何が愚かであるかは注意深く他国を観察すれば分かる。

▽ 有名な話だが、重税のスウェーデンの方が近年の日本より成長率が高い

『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)



預金4千万円あって生活保護…風俗店経営の男(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120223-OYT1T00860.htm
”偽装結婚を仲介したとして起訴された男が、生活保護費を不正に受け取っていた疑いが強まり、埼玉県警は23日、この男を詐欺容疑で再逮捕した。
 県警は、男は都内で風俗店を経営するなどし、約4000万円の預金がありながら、東京都荒川区から生活保護費を約1年にわたり受け続けていたとみて調べている。捜査関係者によると、男は東京都荒川区東日暮里、風俗店経営金子悟志被告(47)。2010年秋頃、荒川区役所に、精神疾患で働けないなどと偽って生活保護を申請し、11年12月頃までに、生活保護費約200万円を詐取した疑いが持たれている。
 金子被告は、経営する飲食店で雇っていた知人の中国人女(24)に長期在留資格を得させる目的で、日本人の男(36)と偽装結婚させた電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、1月に県警に逮捕されていた。〔以下略〕”

或いは「倫理性欠如」という名の精神疾患かもしれない。
この預金が正しい努力の結果であるとは到底思えず、
脱税の可能性がかなり高いと見るのが常識だろう。

この手の詐欺師を一網打尽にするために個人番号制度も重要だ。
それが資産脱税や社会保障の不正受給を防ぐ強力な武器となる。
数は少なかろうが、詐欺師は必ず我々の身近に潜んでいる。


維新の会:公約に首相公選制 首長と国会議員兼職も(毎日新聞)
http://http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120211k0000m010131000c.html
”大阪維新の会が、次期衆院選に向けて作成している事実上の政権公約「船中八策」に、首相公選制の導入を盛り込むことが分かった。公選制は代表の橋下徹・大阪市長の持論。公職選挙法などで禁じられている首長と国会議員の兼職を容認することも検討している。13日の維新の全体会議で公約の骨格を示し、3月24日に開講する「維新政治塾」で具体化していく方針だ。
〔中略〕
 社会保障制度改革では、所得の再分配機能を強化するため、掛け捨て型の新年金制度を導入。受給開始時に資産のある人には支給せず、経済的に苦しい人だけが受給できる制度にする。
 税制改革は、資金の流動性を高めるため、資産課税を強化。橋下市長は「ためていても税金を取られるなら使わないとしょうがない。あの世にお金なんて持っていけないのだから、死ぬ時までに使ってもらう」と主張している。
 所得税の源泉徴収制度も廃止し、サラリーマンも含めて全ての国民が確定申告する制度に変更。「使ったものは全て経費にし、税金をかけないくらいの発想で、とにかくお金を使ってもらう」とし、「使い切り」の人生モデルに転換を図る。【林由紀子、小林慎】”

橋下発言から考えて、この資産課税は貯蓄税を指すものと思われる。
自治体だけで実施する場合は財源を育児や省エネ予算に移転して
せこい資本逃避を防ぐことが肝要である。

それより問題は実務的に預貯金の実態把握ができるかどうかだが
一定額以上への低率課税として重い追徴制度を設ければ問題なかろう。
証券口座のキャッシュも課税対象になるとしても、こちらも捕捉し易い。

先程の風俗店経営者のような悪者をあぶり出す効果も期待できる。
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