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未婚女性の43%が「結婚で経済的安定を得たい」、67%が「結婚相手の経済力を重視」- 内閣府調査より

2011-05-11 | いとすぎから見るこの社会-少子化問題
内閣府は「未婚化」に対し婚活支援事業が必要だと思っているようです。

そもそも未婚化ではなく「非婚化」であり、そこから間違っているのですが、
(内閣府は生涯未婚率の数値を全く見ていないのだろう)
科学的な検証が全くないのには驚きを通り越して呆れます。

中央大の山田昌弘教授は、もう何年も前に社会学の調査をもとに
男性の平均収入の伸び悩みが婚姻率の低下と相関している
と明言されているのですが、いまだに内閣府は
そうした「苦い真実」から目を背けているようです。

『少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ』(山田昌弘,岩波書店)


ちなみにその相関は、「男性が家計を支えるべき」との意識が
極めて高いことが原因と推測されています。

日本政府が誤った認識に立っている限り、
少子化問題は決して解決しない。だからこれまで失敗し続けてきたのだ。

海外の例を見てみれば、結婚支援事業の費用対効果は低く、
(そのため事業を廃止した国がある)
合計特殊出生率の高い国は家族政策予算が多いのは明らか。
少子化を改善したければフランスと北欧に学ぶべきだ。

結婚支援事業などで仕事したふりをするのはやめるべきだ。


▽ みもふたもない現実を暴いた名著。





『結婚の条件』(小倉千加子,朝日新聞社出版局)



6割超に交際相手なし=20、30歳代の未婚男女―内閣府調査(時事通信)
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201105110144.html

”内閣府は11日、若者の結婚や家族観に関する調査結果を発表した。それによると、
 20、30歳代の未婚男女の86%が結婚を望む一方、64%は交際相手がいないと回答し
 た。内閣府は「未婚化」が進んでいることが少子化の大きな要因とみており「地方
 自治体やNPOによる結婚支援事業などが必要」としている。

 調査は昨年9月27日から10月18日まで、20、30歳代の未婚男女と、同世代の結婚3
 年以内の男女計1万人を対象に、インターネットによるアンケート形式で実施した。
 このうち未婚男女は81%。
 未婚者のうち、「恋人あり」と答えた人は36%。これに対し、「恋人なし」は38
 %、「交際経験なし」は26%で、合わせて6割超は異性の交際相手がいなかった。
 このうち、68%は「今、恋人が欲しい」とする一方、32%は「欲しいと思わない」
 と回答。その理由(複数回答)は「自分の趣味に力を入れたい」(56%)、「恋愛
 が面倒」(55%)などとしている。
 結婚しない理由(同)では、「適当な相手にめぐり合わないから」が56%と最も多
 く、「結婚後の生活資金が足りない」「自由や気楽さを失いたくない」との答えが
 続いた。
結婚したい理由は「好きな人と一緒にいたい」が61%でトップ、以下「家
 族を持ちたい」「子どもが欲しい」の順。「経済的な安定を得たい」と答えた女性
 は43%、男性は16%で、男女で最も差が開いた。
 異性との交際では、男性で「どのように声を掛けていいか分からない」(38%)、
 「恋愛交際の進め方が分からない」(32%)との声も目立った。”

 → 非婚化など解決する筈がない。
   正のインセンティブと負のインセンティブで
   育児世帯に所得移転すれば少し効果が出るかも、という程度。

   少子化を改善したければ「子供を持ちたい者への公的支援」を増やし
   フランスや北欧のような「育児負担の軽い」仕組みにするしかない。


未婚者6割「恋人なし」 結婚の分岐点は「年収300万円」 内閣府調査(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110511/trd11051117440010-n1.htm

”独身の男女約6割が恋人がいない-。内閣府が行った「結婚・家族形成に関する
 調査」でこんな結果が浮かび上がった。
 少子化対策の一環として昨年9~10月にかけ、全国の20~30歳代の未婚、
 または結婚3年以内の男女1万人を対象にインターネットで調査。未婚者で「恋
 人あり」と答えたのは36・2%だったのに対し、「恋人なし」「交際経験なし」
 と回答した人は合わせて63・7%にのぼり、未婚者の約6割が、現在交際して
 いる人がいないと答えた。
 年収をみると、20代男性で300万円未満の既婚率は8・7%だが、300~
 400万円になると25・7%と一気に増加。男性の場合、「年収300万円」
 が結婚の分岐点となっていた。
 結婚相手に求める条件では、「容姿」を挙げたのが男性では46・4%なのに対
 し、女性は33・8%。一方、「経済力」は、男性は12・4%に対し、女性は
 67・2%を占め、男女で重視するポイントが違うことが浮き彫りになった。


政府の高学歴の方々はとかくこうした事実を否定したがるのですが、
これがごく一般的な「結婚の現実」です。
嘘だと思うなら職業や職種別に婚姻率を調べて発表すればいい。

かつての「高収入」が「安定収入」になった程度で
本質は何も変わっていない。

…元記事には「子供時代の体験やお手伝いが結婚に有利」と題した
面白い図表もありますのでお薦めです。
(政策としては全く使いものになりませんが)
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2 Comments

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Unknown (Unknown)
2011-05-13 19:45:25
>政府の高学歴の方々はとかくこうした事実を否定したがるのですが、

いや、政府の人間が、そんな「政治的に正しくない」ことを施策にできるわけじゃん。
仮にそんな施策だしたらマスコミ様と世論様に袋叩きだよ。
返信する
短期的な正しさは長期的な正しさと屢々対立する (いとすぎ)
2011-05-16 00:13:59
初めまして。

>いや、政府の人間が、そんな「政治的に正しくない」ことを施策にできるわけじゃん。
>仮にそんな施策だしたらマスコミ様と世論様に袋叩きだよ。

度しようもない近視眼で感情論に走る衆愚論に逆らわないことは「短期的には政治的に正しい」です。

長期的には生産年齢人口の急減する危険から目を背けることこそ「政治的に正しくない」ことに他なりません。

日本国民が愚かなのかどうかが試されています。

また、郵政民営化に有権者が熱狂したことから考えると、「抵抗勢力」を仕立て上げることができれば必ず選挙で勝てます。

それができない愚かな国民には実質的な財政破綻以外に道はありません。

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