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人文系学部・大学院の規模縮小は、与党政治家と文科省の明白な失態 - 議員と官僚の給与カットが先だ

2015-06-23 | いとすぎから見るこの社会-全般
権力に弱い官僚は、傲慢不遜な自民の圧力に負けて
人文系学部と大学院の規模を縮小するそうだ。
己の失態の責任も取らず、よくも若者に責任転嫁できるものだ。

大学の粗製濫造やロースクールの大失敗は自民党と文科省が「A級戦犯」であり、
これから確実に問題になるであろうポスドク量産の元凶も自民党と文科省である。
平然と歳費や給与を得ている厚顔無恥な態度と無神経はおぞましいとすら言える。

我が国の少子化、つまり合計特殊出生率の低迷が長年続いているのは、
自民党・財務省・厚労省が低能で、何ら見るべき成果を出していないからだ。

責任を取って役立たずの与党議員の歳費大幅カット、
キャリア官僚の給与・退職金の大幅カットは理の当然であろう。
どうして成果も出さずに国民のカネを受け取っているのか。

これから確実に労働者の需要が増えるのは介護士と保育士、そして観光関連人材だ。
(全て労働集約型なので、確実に労働力を必要とする)
基本的にはみな人文系であり、自民と文科省のスタンスは根本的に間違っているのである。

「愚劣な責任転嫁を平然と行う中教審の議論の「猫の目ぶり」を見れば
 文教政策が頭の悪い「モグラ叩き」でしかないことは明白だ」

「大学乱立は自民党政権時の愚かな規制緩和の必然の結果である」

「日本では教育問題の議論が常に目先のことばかりで
 利害関係者の方では必死に姑息な情報操作を行い、
 しかもメディアや国民がそれを見抜けないという情けない状況にある」

「文科省の審議会や認可が大学の質向上において
 殆ど無意味に近いのは、議論の余地のない明白な事実である」

「だから文科省が認可した大学でも次々と定員割れと経営危機を起こしている。
 最近では法科大学院の惨状は100%間違いなく文科省の制度設計に原因がある」

「文科省はそもそも大学教育の質や大学運営の質を評価する指標を持たないし、
 指標に基づいて政策調整しなければならないとの意識が全くない」

「計量経済学や計量社会学の専門家を雇い、
 若年人口の変動が大学経営に与える影響を測定し、
 労働市場の変化と人材需要に基づいて政策決定をしなければ
 日本の大学は悲惨な状況に追い込まれてゆくだろう」

と当ウェブログは指摘した。
キャリアの長時間労働には大いに同情するが、
だからといって失政を見逃すことはできない。
与党政治家の低能ぶりに最大の責任があるが、官庁も責任を免れることはできない。

▽ 日本の教育改革論議は、根本的に近視眼で間違っているものが殆どである

『格差社会と教育改革』(苅谷剛彦,岩波書店)


日本では教育(特に初等)は質が高いのに、
教育政策と教育論議の質は恥ずかしくなるほど低い。

「自民党は今年春に「理数系教育の強化」を提唱していたが、
 図に乗ったそうした低次元の論をあざ笑うかのような報道があった」

「PIAAC(国際成人力調査)で日本が世界一となり、
 「数的思考力」もフィンランドを上回りトップだった」

「現代日本の停滞や閉塞の原因が教育にあるとする連中は
 基本的に大嘘つきであると立証されたと言って良かろう」

「そもそも日本の競争力ランキングを見ると教育水準や技術力は
 向上余地はあるものの常に高く評価されている。
 評価が低いのは公共部門(政府・自治体等)の非効率性と財政赤字である」

「PIAACの結果からは日本はブルーカラーや中卒者の高い能力を
 経済分野で活用できていないことが推測されるが、
 これも日本の政治と行政、つまり公共部門の抱える問題点と言える筈である」

「少なくとも「失われた20年」を招いた責任が教育にないことは明らかであり、
 教育を犯人扱いしてきた低能な論者を黙らせる効果はありそうだ」

「確かに日本の高等教育には多くの課題がある。
 しかし日本の病巣は教育ではなく寧ろ程度の低い教育論議と政策にあるのである」

と当ウェブログは指摘したが、何一つ改善が見られず
権力を憚って胡麻擂りに奔走する「エリート」ばかりなのが残念である。
(太平洋戦争において我が国が惨敗した状況と酷似している)

 ↓ 参考

教育世界一でも日本経済停滞、教育改革論者は信用できない - 国際成人力調査PIAACの結果より
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0f0655df5ffb8fbd6d173b2ec18ecaea

文科省が認可した大学でも、続々と定員割れになっている - 問題の本質は田中真紀子大臣の不認可ではない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6839b2d4f7aa07d1ad724d2146a3415e‎

大学生に責任転嫁する中央教育審議会、自らの分析不足を認識せず -「勉強時間」しか判断基準がない貧弱さ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/62943717b497b8613c43f5d980ed62b1

▽ 北欧の大学教育は、低能な政党与党の要求ではなく労働市場の需要に応じて再編される

『スウェーデン・パラドックス』(日本経済新聞出版社)


国立大学の人文系学部・大学院、規模縮小へ転換 文科省が素案提示(産経新聞)
http://www.sankei.com/life/news/150528/lif1505280016-n1.html
”文部科学省は27日、全国の国立大学に対して人文社会科学や教員養成の学部・大学院の規模縮小や統廃合などを要請する通知素案を示した。理系強化に重点を置いた政府の成長戦略に沿った学部・大学院の再編を促し、国立大の機能強化を図るのが狙いで、6月上旬に文科相名で大学側へ通知する。
 素案は、同日開かれた国立大の評価手法などを審議する有識者会議で提示された。
〔中略〕
 通知素案では、少子化による18歳人口の減少などを背景として、教員養成や人文社会科学などの学部・大学院について「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むように努めることとする」と明記された
 政府の試算では、平成3年に207万人だった18歳人口が42年に101万人まで半減する。文科省は少子化に伴う定員縮小の影響を指摘したほか、文系の学部・大学院の人材育成方針が明確でないなどの理由もあげた。
 組織再編の動きはすでに出ている。弘前大(青森県)は来年4月から人文学部(3課程)を人文社会科学部(2課程)に再編。教育学部でも、教員免許を取得せず芸術や体育を学ぶ1課程を廃止し、2学部で定員を計150人減らす。一方、理系の理工学部と農学生命科学部の定員は90人増やす
 今後、こうした形で他の大学でも、地域性や得意分野に重点を置いた文系学部の廃止や統合を進めることになる見通しだ。
 素案は、実績にばらつきがある法科大学院について、定員規模の適正化や組織の廃止も含めた検討も求めた。”

やれやれ、危険なほど速い少子化を放置して大学の粗製濫造を続けてきた自民党と官僚が、
己の大失敗を隠して国民に責任をなすりつけている。

そもそも現下の少子化問題において最大の責任は、
選挙が怖くて高齢層バラ撒きを盛大に続けてきた人気取り政党・自民と、
まともな少子化対策を何一つやっていない低能な官庁にある。

教育・保育分野において雇用を創出したスウェーデンの積極的労働市場政策と比較すると、
我が国の保守退嬰・自己保身の「選良」達は恥ずかしくなるほど程度が低い。

▽ 日本の育児関連予算は先進国で最低レベル、高齢層向けの医療や介護にばかりバラ撒く

『低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論』(大前研一,小学館)


介護士課程2割減:給与の低さや過酷労働で学生敬遠(産経新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150526k0000e040204000c.html
介護福祉士を育てる大学・短大や専門学校などの全国の養成課程の数が、ピークだった2008年度の507課程(434校)から、13年度の412課程(378校)へと、わずか5年で約2割減っていることが、厚生労働省や日本介護福祉士養成施設協会(東京都千代田区)への取材で分かった。介護需要の高まりで現場の人手不足が続く一方で、学生は介護職を敬遠し、養成機関が危機にひんしている格好だ。
 介護福祉士の養成機関は厚労相が指定する。00年に介護保険制度が始まる以前から、多くの大学や専門学校が介護福祉士養成課程を設け、08年度まで増加が続いた。しかし、給与水準の低さや過酷な労働実態が知られて入学希望者が減少し、09年度から課程数は減り続けている。入学定員でみても08年度の計2万5407人から13年度の1万8861人へ約25%減少し、定員充足率は13年時点で69.4%。
 一方、介護人材の不足は深刻だ。介護関係の職種の有効求人倍率(14年7月)は2.19倍で、全職種平均の0.95倍を大きく上回る。厚労省によると介護福祉士の登録者は、14年9月末で約129万人いるが、実際に介護職に就いているのは55%程度という。

 団塊の世代が75歳以上になる2025年には約248万人の介護職が必要とされるが、現状のままでは約30万人の人手不足に陥ると厚労省は推計する。
 介護福祉士になるには、3年以上の実務経験を経て国家試験に合格するか、養成機関を卒業する方法がある。厚労省は資質の向上を目的に、「社会福祉士及び介護福祉士法」の07年改正で12年度から国家試験を義務付けることにしたが、人材不足を受け、2度にわたり改正法施行を延期。
〔中略〕
 厚労省福祉基盤課は「これまで学生に就学資金を貸し付けたり、離職者の訓練機関として位置付けたりするなど、介護福祉士を目指す学生確保に向けた政策を実施してきた。入学者の確保が困難となっていることは重く受け止めている」としている。【野口由紀】”

この福祉関連学部の惨状を見よ。
労働者を低賃金でこき使い、選挙のためカネを高齢者にバラ撒き、
福祉利権と癒着してきた自民党と官庁がこの大失態を招いた元凶である。

「社会的要請の高い分野」であるにも関わらず学生が集まらないのは、
明らかに政策の失敗であり、与党政治家と官僚の能力が低く制度設計を間違えたからだ。
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