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『週刊エコノミスト』4月17日号 -「派遣が契約やパートになっただけ」の法改正、厚労省も連合も時代遅れ

2012-04-13 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「投資入門」でした。
まあ常識的なところかと思いますが、
マクロの市況の読み方はまだまだです。
春山昇華氏あたりに取材された方が良いでしょう。

あと編集部の方にですが、ゴールドの相場は「完全に終わって」います。
市況を分かっていない者には書かせない方が良いと思いますが。

『エコノミスト』2012年 4/17号


個人的にはP95の「エコノミスト・リポート」が一押しです。

「迷走の末にやっと成立 「派遣禁止=労働者保護」は誤り」と題して
ジャーナリストの本間俊典氏が鋭く労働者派遣法改正を批判されています。

08年の派遣バッシング騒動から強まった政府と世論のバイアスを指摘し、
厚労省や連合に根強い「正社員幻想(=正社員こそが正しい雇用形態)」や
非正規労働者の5%を下回るごく少数派である派遣労働者の現状、
契約社員やパートが増えただけの現状をリポートされています。

全くもって正論ですが、厚労省や労組はそれを頑として認めないだろう。

結局、非正規の問題は分配という「政治」が絡んでくるので、
手厚く守られている正規労働者の所得税を引き上げて
雇用創出・就業支援や失業者の家庭の育児・教育支援に充当するといった
高度なポリシーミックス
が必要になってくるのではないだろうか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

そうそう、P50のインタビューは抜群に素晴らしい。

西アフリカの女性支援のためにシアバター石鹸を生産販売している
ア・ダンセの森重代表が登場されています。

この方は遠からずメディアに頻繁に出るようになるだろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊東洋経済は「10年後、日本人が食える仕事」。
メイン特集は自社出版のプロモーションだと思います。

P9ではICUの八代教授が改正派遣法を批判されていて、
こちらもエコノミスト誌と同じく正論。

ドイツでさえ解雇の金銭的解決が認められているのに、
ドグマに固まった日本(の既得権層)は社会主義的態度を変えていない。

P114の原田泰氏による「日本には原発を管理する資格がない」も鋭い。
菅元首相が怒鳴ろうが怒鳴るまいが当事者たちに正しい判断はできなかった、
との趣旨で、全く同感だ。

居丈高な民間事故調の報告書を見て「じゃあお前ならできたのか」と思ったのは
私だけではないと思う。後出しで偉そうに評価する人間など信用できない。

『週刊東洋経済』2012年 4/14号


▽ 特集はこの本のプロモーションだと思う。

『10年後に食える仕事、食えない仕事』東洋経済新報社


    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の週刊ダイヤモンドは、率直に言って今年最も良くない特集だと思う。
判断が分かれる事項について軽率もしくは誤った記載がある。

各ページは経済リテラシーの低い人間に書かせるのではなく、
専門家の署名をさせて言説に責任を取らせるべきと思うが。

『週刊ダイヤモンド』2012年 4/14号


↓ 怪しい結論の例

「消費税増税で景気がよくなる」
「GDPはもはや景気指標ではない」
「円高は日本経済にプラス」
「TPPはただの通過点」
「今は就職氷河期ではない」

ヘッドラインで釣って買って貰おうとの意図が見え見えで、
キャッシュをたっぷり持っている企業や個人なら
円高を大いに歓迎するのは当たり前である。何が「新常識」だ。
国内経済の実情を掴むにもGNIよりGDPの方が勝っており、根拠薄弱。
TPPも明確な効果が望めないことを自ら明らかにしていて完全な墓穴だ。
(対内投資や為替の影響と比較し、経済効果を調べてから書け!)

あと雇用市場の分析にリクルート出身者を使うのはそろそろやめた方がいい。
彼らの利害から考えて、顧客である企業に不利な情報を出す筈はない。
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