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安倍政権と自民の末期的症状、ミサイルの脅威を受けてから「敵基地攻撃」と騒ぐ - 軍事リテラシー皆無

2017-04-12 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
安保関連法案で日本の安全保障が強化されるかのように
嘘八百を撒き散らしてきた安倍政権の無力が曝け出された。

北朝鮮のミサイルの脅威に対し、「敵基地攻撃能力」などと
軍事リアリズムを全く理解していない馬鹿丸出しの案が出ている。

空爆でミサイルに対抗するには、アメリカのように圧倒的な航空戦力と
大量の兵器を輸送できる大型爆撃機が必要である。

また、兵器は地下に隠すことができるので、
最新鋭の誘導ミサイルをもってしても破壊することは困難だ。
(ユーゴスラビアの内戦で証明されている)
たとえ日米が北朝鮮国内に諜報網を持っていたとしても簡単に破壊できるものではない。

かつてバビロン作戦で原子炉をピンポイントで破壊したイスラエルは、
世界最強とも言われる諜報機関モサドが正確な情報を得て攻撃している。

北のミサイルは動かせない原子炉一つよりも遥かに破壊が難しく、
しかも日本には正確な情報も最新鋭攻撃機もない。
イスラエルの足下にも及ばない程度の低い安倍政権が敵基地攻撃など成功できる訳がない。
身の程を弁えて、「下手な考え」が時間の無駄だということを認識すべきである。

日本は、ミサイル攻撃に脆弱な人口密集地が多数ある上に、
日本海側に原発が並ぶという世界最悪水準の状況にある。
軍事リアリズムを理解しているスウェーデンのような核シェルターもない。

安倍政権も自民党も最優先で整備すべきミサイル防衛や
原発稼働停止や核燃料の移動といった死活的に重要な施策を怠り、
間抜けなことに安保関連法案で貴重な時間を空費してきた。

つまり軍事史を全く知らないネトウヨみたいな連中と同類で、
軍事リアリズムが全く分かっていないのである。
本気で敵基地攻撃能力が必要と思うなら、5年以上前から研究して
自衛隊による敵基地攻撃がいかに愚劣で無意味が理解している筈だ。

安倍政権が「北のSLBMに備えは皆無」だと当ウェブログは批判したが、
まさにその通り、話にもならない無様で情けない醜態を見せている。

ミサイルの脅威が迫ってから「敵基地攻撃」を議論する馬鹿馬鹿しさで、
このままでは北に脅された末に、アメリカの高価な防衛兵器を
とんでもない高額で買わされることになろう。

アメリカでは使えない兵器とされつつあるレールガンを
売りつけられるといった恥晒しな結末すらあり得る。

北のミサイルですらこの惨状なのだから、
人民解放軍のミサイル飽和攻撃を受けたらひとたまりもない。

甘ったれの安倍政権と自民党が大勢の自衛官を犠牲にすることになる。
ナショナルセキュリティを危機に晒すとんでもない無能だ。

▽ 人民解放軍のミサイル戦力は、北朝鮮よりも遥かに強力

『米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略』(布施哲,講談社)


情けない話で、以前から当ウェブログが警告している通りの醜態だ。

「各媒体の世論調査が興味深い傾向を示している。
 集団的自衛権をはじめとする安倍内閣の安全保障政策への支持率は低く
 概ね半数を割り込んでいるが、自衛隊に対する世論は対照的だ」

「自衛隊への信頼度は安倍内閣支持率より高く、印象も良い。「自衛隊を強化すべき」も過去最高だ。
 つまり安倍内閣の安全保障政策より自衛隊への支持率の方が歴然と高いのである」

「人よりコンクリートにカネを使い、土建バラ撒きで寧ろ復興を妨害している安倍内閣より
 震災や災害で泥をかぶり必死で生存者やご遺体を探す自衛隊の方が
 国民に支持されているのは極めて当然である」

「現代における安全保障は国力すなわち経済力に裏付けられたものであり、
 自衛隊が最前線で何とか優位を保っていられるのも過去の経済成長の「遺産」である。
 無意味な異次元緩和でゼロ成長、若者は急減して財政悪化は依然として変わらない日本が、
 減速しつつあるとはいえ5~6%成長で10倍の人口を擁する中国に対し、
 互角以上に相対していくことには重大な困難がある」

「安倍内閣が集団的自衛権に拘るのは、国益のためではない。
 根本的には「普通の国」を目指す単細胞なドグマに基づいたものであり、
 リアルポリティークの観点から言えば米国やその同盟国の利益に貢献するものである」

「その証拠に、安倍首相がアメリカから国賓待遇で招かれている。
 米国の意向に沿って東アジア安全保障により積極的に関与し、
 カネも装備も兵力も出すと言っているのだから、
 そうした「忠犬」ぶりを愛でて「ご褒美」を与えられたということに過ぎない」

「経済政策における安倍政権の「次元の低さ」はマイナス成長の数字で完全に証明されたが、
 安全保障政策における「次元の低さ」もまた、証明されつつある」

「特にメディア界には安倍政権の裏工作をじっと観察している者が多い。
 当ウェブログの見るところでは2016年か17年には政府の無策による経済悪化で
 安倍政権が馬脚をあらわして支持率が沈没する可能性が高い」

「安全保障問題においても原発再稼働問題においても、
 安倍内閣は支持されていない。
 (それでも支持率が下がらないのは、ひとえに民主党政権の失態のおかげである)」

「日本の安全保障論議における最大の問題は、
 実際に起こり得るケースに即したリスクシナリオの想定分析と、
 費用対効果を踏まえた現実的な対抗策が殆ど論じられていないことだ」

「経済政策ばかりか安全保障政策においてもお粗末で「上げ底」の安倍政権は
 「アメリカの戦争に巻き込まれることはない」「自衛隊のリスクは増えない」
 と安全保障の「あ」の字も理解していない馬鹿馬鹿しい発言を行っている」

「安倍政権よりも国民の方が遥かにまともだ。
 そもそも国民の多数派が「集団的自衛権を認めても脅威は低下しない」と考えており、
 安倍政権と自民党は、安全保障政策が国民から支持されていない現実を潔く認めるべきである」

「集団的自衛権を認めたら自衛隊のリスクが高まるのは「当たり前」であり、
 「アメリカの戦争に巻き込まれる」可能性も当然ある。
 ただでさえ日本はアメリカの忠実な「子分」と見られているのだから」

「失態まみれの民主党政権のお蔭で政権が転がり込んだだけであることすら理解できず、
 増長した安倍政権は世論を無視してドグマに基づく勝手な政策を推進している。
 世論調査や選挙で叩きのめされない限り、彼らが決して目が覚めることはない」

「もし東シナ海で地域紛争が生じるとしたら確実に「フォークランド紛争」型になる。
 中国の脅威を正しく認識しているなら、ミサイル戦への備えと
 人民解放軍の伝統的なドクトリンである飽和攻撃への対処を考えなければならない。
 (あの米軍でさえ装備の劣る人民解放軍に朝鮮戦争で苦戦させられたのを忘れてはならない)」

「数量に劣る米軍が日本を守り切れない最悪のシナリオを考え抜いていないから、
 集団的自衛権に固執して程度の低い安全保障政策を「プロモーション」する醜態を見せるのだ」

「また、自衛官を無駄にリスクに晒しかねない法案を通したため
 大方の予想通り自衛官の志望者が減り、防大の任官拒否も増えている」

「国民の反対の強い法案を通し、国民の反対の多いオペレーションに派遣されかねない
 自衛官に対する、安倍政権の傲慢不遜が根底にある。
 重大な危険に晒される自衛官の命を何だと思っているのか」

「2011年は「国民のヒーロー」として輝いていた自衛隊だったが、
 安倍政権の失策のために今は必死に募集活動せざるを得なくなりつつある。
 これは決して、景気が良くなったから公務員人気が低下したということではない。
 真に国民に支持される存在であれば、募集に苦労する筈がないのだから」

「我が国の自衛官、そして一般国民の多くの者も、
 本当に日本の安全保障が危機に陥ったら間違いなく自ら志願して危地に赴く。
 太平洋戦争の数々の悲惨な戦いを見れば明白である」

「寧ろ我が国の近現代史が教えているのは、
 政治指導層が衆愚的で国政の判断を誤り、世界情勢を正しく認識できなかったために
 この日本が焦土と化し、多くの国民を虫けら同然に死なせたという事実だ」

「東シナ海で本当に人民解放軍との武力衝突が起きたら、
 解放軍が米軍の援護が来る前に勝負をつけようとするのは明白である」

「圧倒的な飽和攻撃に対し独力で即時に対処する方策や戦備を真剣に考え抜かず、
 集団的自衛権が護符であるかのように強弁し妄想する思考停止は重大な欠陥だ」

「それというのも東アジアの軍事リアリズムと在日米軍基地の意味を、
 安全保障でも次元の低い安倍政権が全く理解していないからだ」

「日本政府が賢ければ、解放軍のミサイルの射程に入っている沖縄からの
 戦力分散を進めつつ巧みにアンダーセンにも誘導し、
 「思いやり予算」をカットして対ミサイル戦備に使うべきなのである」

「あのランド研究所は、アンダーセン基地が人民解放軍の
 中距離弾道ミサイル・DF26の射程圏内に入りつつあり、
 ファーストストライク(第一撃)を受けると11日間も
 大型機の離発着ができなくなると警告している」

「これは、日本国内の米軍基地は横田や三沢を含めほぼ全てが
 中国のミサイルの潜在的な脅威を受けているということを意味する」

「集団的自衛権の容認で日本の安全保障が強化されると偽る安倍政権が、
 いかに軍事を理解していないかが益々明瞭に事実によって証明されたわけだ」

「安保法案や辺野古移設にばかり必死になっているのは、
 視野狭窄で我が国の安全保障の真のリスクに無知だからだ」

「戦力の質において圧倒し東アジアに睨みをきかせる米軍でも、
 中国の安価なミサイルの飽和攻撃には対抗することが難しい」

「中国のミサイルの第一撃を想定し、沖縄に集中し過ぎた戦力を分散させること、
 中日本から東日本の後方支援機能を強化することが喫緊の課題となりつつある今、
 日本の東アジア有事への備えは明らかに不充分である」

「韓国でのTHAAD配備にすら中国政府は猛反対している。
 まして東シナ海に配備しようとしたらその反発は強烈なものとなろう。
 つまり沖縄は中国のミサイル攻撃に対し剥き出しの無防備にならざるを得ないのだ」

「更なる問題として、人民解放軍の持つ中距離弾道ミサイルは
 射程が長くなってきている上に、迎撃が難しい点が挙げられる」

「集団的自衛権ばかりに固執する安倍政権の無能さがまた証明された。
 北朝鮮が明らかに日本国内の米軍施設を狙ったミサイル実験を成功させ、
 安倍政権は探知すら出来ないという無様な醜態を晒したのだ」

「安倍政権の無駄な政治ゴッコで、日本の安全保障環境は悪化している。
 リアルポリティークを理解していないのだから、自業自得だ」

「今回の北朝鮮のミサイル実験の狙いは明白だ。
 一つは日本国内の米軍施設を先制攻撃できるかどうか、
 (先制攻撃の能力が実証されれば対米交渉の強力なカードになる)
 一つは北朝鮮の重要な輸出品である兵器の性能を証明するためである」

「だから、無力な安倍政権が何と言おうがミサイル実験は止められない。
 「輸出産業」だから実際に日本の漁船や建物に命中させる可能性は極めて低いが、
 安倍政権がその必要性を声高に叫んだ集団的自衛権が効果ゼロであるのは明白だ」

「日本国民が安倍政権の魂胆を疑って、集団的自衛権では
 安全保障は強化されないと思っていたが、それは正しかったのである」

「当ウェブログが何度も指摘しているように、軍事リアリズムの観点から言えば
 空疎な集団的自衛権などより対ミサイル防衛の方が先である」

「安倍政権は、北朝鮮のミサイル実験への対処でも失敗するであろう。
 (常時破壊命令でお茶を濁そうとしている泥縄ぶりからも用意に予想できる)」

「「輸出産業」としてミサイル開発を進める北朝鮮よりも
 リアルリスクは遥かに多数かつ高度なミサイル配備を行っている人民解放軍である。
 我が国の戦略正面が東シナ海であるのを忘れてはならない」

「すぐにでも対北朝鮮でTHAAD配備の必要性があると中国に明確に伝えて揺さぶり、
 中南海から北に圧力をかけさせつつ、ミサイル防衛の強化を図る必要がある。
 標的になりかねない脆弱な原発の稼働もやめさせなければならない」

「御用メディアとまともなメディアの違いは、
 「今回のミサイルを撃墜できたかどうか」に言及しているか否かだ」

「PAC3が万能ではないのは既に知られている通りで、
 「日本のミサイル防衛能力が充分ではない」のが真の問題なのである」

「安価で効果的な兵器であるミサイルを、日本のような人口密集地で防ぐのは非常に難しい。
 安倍政権がまともな頭脳を持っていれば真剣にミサイル防衛を考え抜くであろうが、
 元々の認識も初動も間違っているのだから、残念ながら全く期待できない」

しょうもない安保関連法案で時間を無駄にした
安倍政権の無能と無責任は国辱的ですらある。

▽ 日本は「最高の兵站基地」で「非常に気前がいい」というのがアメリカ側の本音

『仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実』(春名幹男,文藝春秋)


当ウェブログの警告通り、北のミサイルに対し安倍政権は何一つまともな対策ができない始末。

「時事通信の世論調査で、安倍政権が全く信用されていないことが明らかになった。
 安倍首相がいつもの軽々しい口調で安保法案の有効性を吹聴したのに対し、
 日本国民の過半数が「海外の戦争に巻き込まれる危険が高まった」と考えている」

「愚かで内向きな安倍政権よりも、有権者の方が賢い。
 安保法案で日本の安全保障が強化される、抑止力が高まるなどと馬鹿馬鹿しい言葉を
 平気で言い放つ者は、根本的に安全保障を理解していない」

「「抑止力」発言を国民に信用されていな上に、北朝鮮のSLBM実験で大慌て。
 最重要のミサイル防衛を怠り、安保法案で時間と税金を空費した安倍政権の罪は重い」

「支持率と株価の操作ばかりに血眼になって、
 いい加減な安全保障政策を打ち出すからこうなるのだ」

「ミサイル戦力で言えば中国人民軍のそれは、
 北朝鮮など比較にならないほど充実している「真のリスク」である。
 新型ヘリ空母すら東シナ海に近づけない程の数量に達している」

「その認識すら浅く、今は対北のミサイル防衛に大わらわ、
 実用化されてもいないレールガンの研究まで始める始末で、
 またしてもアメリカから高額な兵器をたっぷり買わされるであろう」

「日本がどのような目でアメリカに見られているか、
 米議会で忠犬ポチのような演説を行った二世政治家は全く理解していないのだ。
 矢張り軍事面でも、リアルポリティークの欠如が深刻な政権である」

「北は貧しく、人口密度が低い。更に人権など歯牙にもかけない独裁国家だから、
 ミサイル開発では日本側が圧倒的に不利なのは自明の理である」

「今すぐ米軍・自衛隊基地を中心にミサイル防衛網を強化しなければならないし、
 ミサイルの絶好の標的となる原発を全停止して核燃料を撤去しなければならない」

「しかも、安倍政権は数量質とも北よりも遥かに上回る対中国の
 ミサイル防衛を完全に手抜きしている。
 日本全土が中国のミサイルの射程に入っていることを忘れ、
 北のSLBMで大騒ぎしている安倍政権の狼狽は非常に深刻な事態と言える」

所詮、安全保障でも口だけの安倍政権は民主党政権と同類である。

 ↓ 参考

国民の55%が「安保法案で危険が高まった」- 勘違いの上に無力な安倍政権、北のSLBMに備えは皆無
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9ae9be4e48827e3ec7adde99332d2c81

安倍政権の無力な安全保障政策、北朝鮮のミサイルに対抗策なし - 集団的自衛権ばかりで頭脳停止したツケ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2a6de80e11274a4c9b5ae1670ed73964‎

グアム島のアンダーセン空軍基地にも脅威、中国のDF26ミサイル - 安倍政権の安全保障政策は時代遅れ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9d5bcc4be238d87e2b9a37f05a932253‎

支持されない安倍政権の安全保障政策、自衛隊を信頼する真因は「中国の脅威」- 経済的劣位も重要
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/52b252f68c5939b0364eff4664767cf0

▽ 米軍は対テロの「非対称戦」で消耗しており、極東では日本に更なる負担を求めたい

『勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常』(大治朋子,岩波書店)


北朝鮮が瀬戸際外交を越える時 戦慄シミュレーション(AERA)
https://dot.asahi.com/aera/2017040400050.html
”米ソ冷戦が終わり核の脅威が遠のくかと思いきや、北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射が止まらない。もし日本に落ちた時の被害は。そしてどう防ぐか。
 瀬戸際外交、朝鮮半島紛争、そして自殺攻撃──。
 北朝鮮が日本をミサイル攻撃するシナリオとして、防衛省防衛研究所出身で、政策研究大学院大学教授の道下徳成氏(51)はこの三つを挙げる。
「瀬戸際外交」では、日米を譲歩させようと在日米軍基地がある日本のほうへ撃つ。被害に直結する領土でなく、領海に落としてミサイル能力を見せつける。「朝鮮半島紛争」では交戦する韓国を日米が支援しないよう威嚇する。「自殺攻撃」は金正恩(キムジョンウン)政権の崩壊寸前で、自暴自棄になった場合だ。
 北朝鮮は3月6日に弾道ミサイル4発を発射し、3発が秋田沖の日本の排他的経済水域(領海外)に落下。発射はほぼ同時で、ミサイル防衛(MD)で迎撃する場合の難易度は増す。朝鮮労働党機関紙の労働新聞は、有事に在日米軍基地攻撃を担う部隊が参加したと報じた。
 こうした動きに日米は譲歩どころか、「北朝鮮は米国を手玉に取ってきた」(17日のトランプ大統領のツイート)と反発。トランプ政権は軍事中枢を先にたたく「予防攻撃」も視野に対北朝鮮政策を見直す。労働新聞は19日付で米国に届く大陸間弾道弾(ICBM)開発のためとみられる地上燃焼実験を伝え、緊張が高まっている。
●韓国軍は「3倍返し」
 瀬戸際外交が破綻(はたん)すれば、朝鮮半島紛争シナリオへと移る。米国が「予防攻撃」に踏み切れば、北朝鮮はソウルを長距離砲などで「火の海」にして報復。韓国軍は交戦規定による「3倍返し」でまた報復、とエスカレートする。
 日米韓が結束すると勝ち目がない北朝鮮は、「日米が韓国を支援するなら日本を攻撃する」と恫喝。脅しの信憑性を高めようと、韓国の攻撃をかいくぐり、日本の都市をめがけてノドン数発を同時に放ちかねない。日本全土をほぼ射程に入れる中距離弾道ミサイルだ。マッハ15~20で複数の弾頭が同時に飛来する。MDは撃ち漏らすかもしれない。1発が着弾したら、どうなるか。
 火薬が詰まった通常弾頭の場合に参考になるのが、第2次大戦中にドイツが英国へ放った弾道ミサイルV2による被害だ。積める火薬はノドンに近い1トンになる。
 英BBCの報道によると、1300発以上で2724人が亡くなった。1944年9月にロンドンに落ちた1発は地面に直径10メートル、深さ2.5メートルの穴をうがち、3人死亡、22人けが、家6棟が壊れた。中小ビルなら崩れそうな威力だ。
 最悪のケースは、追い込まれた北朝鮮が核弾頭を積んだノドンを日本の人口密集地へと放つ場合だ。自殺攻撃に近い。
●核ミサイルの被害想定
 道下氏も参考にする被害想定がある。韓米の研究者2人が『ウォー・シミュレイション 北朝鮮が暴発する日』(2003年、新潮社)で示したもので、「米ヘリテージ財団の協力を得て、米国防総省が使用する軍事シミュレイションのソフトウェアを活用」と説明がある。
 04年5月31日午前8時、12キロトン級の核兵器(広島型は15キロトン、長崎型は21キロトン)が地表爆発したら──。天気や風向きもふまえた予測はこうだ。
 東京 爆心地・国会議事堂付近 死者42万3627人、全体被害者81万1244人
 大阪 爆心地・梅田付近 死者48万2088人、全体被害者88万1819人

 その時の表現は生々しい。
「2.5キロ以内に存在する人の90%以上はカメラのフラッシュのような閃光(せんこう)を見た瞬間に消える」「爆発で生き残っても、弾丸のように吹き込む大量のがれきで致命傷を負う」「永田町、霞が関、丸の内が壊滅すれば日本の中枢機能は一瞬で停止する」
 実は広島市も核攻撃の被害想定を07年に出している。国民保護法で自治体に求められる国民保護計画の策定にあたり、「原爆投下による惨害を受けた都市の使命」としてまとめ、ウェブサイトで公開している。
 想定は1945年当時と同じ爆心地で、8月の平日の昼間、晴れ。16キロトン級の核兵器が地上600メートルで爆発した場合、死者6万6千人、負傷者20万5千人、死傷率は46.4%にのぼる。

 45年末までに14万人が亡くなったとされる当時よりも頑丈な建物が増え、倒壊による圧死は大きく減る。それでも「建物内に窓ガラスや備品が飛散し凶器と化す。高層ビルでは避難階段に生存者が殺到し将棋倒し」「道路は建物や自動車の残骸で埋め尽くされ、火の手が迫り人々は逃げ惑う」とみる。
 自治体が国民保護計画を作る基準として政府が閣議決定した基本指針にも核攻撃の項目があるが、政府は、被害想定について、「攻撃類型、規模、環境などの前提で全く異なり、仮定を重ね想定するのは適当でない」(内閣官房)と示していない。
●その時避難できるか
 北朝鮮の度重なるミサイル発射で、着弾に備える動きは始まっている。政府は3月17日、日本海に面する秋田県男鹿市の漁村で、日本初のミサイル避難訓練を実施した。
 ノドン発射から着弾までは7~10分。政府が発射情報をつかみ、弾道を予測し、住民に防災行政無線で伝えるまで数分。残り数分で遠くへの避難は無理だ。とにかく近くの建物へ逃げ込み、周辺に落ちた時の爆風や高熱にさらされないようにする。
〔中略〕
 防災意識の高い集落だが、発射から避難完了まで7分前後とぎりぎり。立ち会った内閣官房幹部は、「他の自治体に訓練を働きかけたいが、都市部ではより丁寧な周知が必要」と話した。
 政府は18年度までに累計約2兆円を投じて「盾」のMDを強化する方針だが、北朝鮮のミサイル能力向上といたちごっこ。そこで、ミサイル施設をたたく「矛」の敵基地攻撃能力を持つべきだとの声が強まる。自民党のMD検討チームは「直ちに検討を」との提言書をまとめ、3月30日に座長の小野寺五典・元防衛相らが首相官邸で安倍晋三首相に手渡した。
 安倍首相は、「北朝鮮のミサイルは新たな脅威の段階に入っている。提言をしっかり受け止めたい」と応じた。同月24日の国会答弁でも「従来の発想にとらわれず検討すべき」と含みを持たせている。
 外国の領土に届く「矛」の兵器保有を、日本は憲法9条や米軍との役割分担から控えてきた。軍事的にも疑問の声が上がる。ノドンを載せる移動式発射台は北朝鮮に約50台あり、その位置をつかむのは難しいからだ。
〔中略〕
●トランプ氏の腹一つ
 だが、北朝鮮と戦う状況をさらに詰めて考えれば、攻撃を米韓にお任せだと、日本向けのノドンへの対処が後回しにされるおそれがある。政府内には、「有事に米韓との結束が揺らがないよう、日本の姿勢を示すシンボルとして敵基地攻撃能力が必要」との見方も出ている。
 そんな議論にお構いなく、北朝鮮がICBM発射や6回目の核実験に踏み切るかもしれない。「力による平和」を掲げるトランプ政権の反応次第で東アジア情勢は一気に流動化する。
 道下氏は対話が必要だと説く。
「追い込まれた北朝鮮には核・ミサイルしか外交手段がない。核兵器を持つなら対話をしないという建前論では解決しない。追い込むばかりではヤクザは更生できない。生計が立つ道筋をともに考えるべきだ」
〔中略〕
(朝日新聞専門記者・藤田直央)”

対北朝鮮ではこのアエラの記事が最もまともだ。
敵基地攻撃が対処法として有効などと思っている政治家は、
悉く無知で無能なのでクビにした方が良い。

この記事の専門家氏も「対話」で何とかできるかのような仰天する話をしているが、
もし北が妥協するとしたら日本がたっぷりカネを払うしかなく、
北はそのカネで更なる軍備強化を行うに決まっている。

「対話」ではなく中国と秘密交渉を行って
北のトップの首をすげ替える位でないと話にもならない。


進歩する北朝鮮ミサイル、先制攻撃も必要? 新ミサイルが本土射程で米も危機感(NewSphere)
http://newsphere.jp/world-report/20170315-1/
”北朝鮮によるミサイル攻撃の可能性が現実味を増している。3月6日には東倉里(トンチャンリ)付近から4発の弾道ミサイルが発射され、そのうち3発が日本の排他的経済水域に落下したとされる。すでに日本、韓国、グアム、ハワイはミサイルの射程圏内に入っており、あと数年でアメリカの都市も攻撃可能という見方もある。北朝鮮のミサイル技術の著しい進歩を踏まえ、迎撃だけではなく、先制攻撃も必要だという意見も自民党内から出ている。
◆射程圏内の日本。脅威への対応はミサイル防衛で
 タイム誌は、北朝鮮のゴールは、核弾頭を搭載した弾道ミサイルでアメリカ本土攻撃を可能にすることだと述べるが、グアム、ハワイ、そしてそれぞれ2万8000人と5万人の米兵を抱える韓国と日本が差し迫った脅威にさらされていると指摘する。
 北朝鮮からミサイルが発射された場合、短距離か中距離弾道ミサイルであれば、韓国に配備したTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)の迎撃ミサイルにより撃ち落とすことが可能だ。弾道ミサイルの探知、追尾を目的とするTHAADのレーダーは、C2BMCと呼ばれる指揮管制システムにより、イージス、パトリオットミサイル防衛システムを含む他のシステムとリンクしている。THAADの迎撃ミサイルで撃ち落とせない場合、THAADのレーダーの追跡データは、日本海を航行するアメリカ海軍のイージス艦と共有され、イージス艦が敵ミサイルを迎撃する。イージス艦で落とせない場合、THAADとイージス艦のレーダーのデータは、C2BMCシステムを経由してパトリオットミサイル発射システムと共有され、パトリオットミサイルが敵ミサイルを攻撃する(CNN)。
◆システムは盤石ではない。日本は先制攻撃すべきか?
 しかし、このミサイル防衛システムも確実ではないとCNNは指摘する。イージス・システムは実戦で弾道ミサイルを撃墜したことは一度もない。THAADも実戦で使われたことはなく、米北朝鮮分析サイトの38ノースによれば、同時に複数のミサイルが発射されれば太刀打ちできないという。また、潜水艦から弾道ミサイルが発射される場合も効果は期待しにくいという。
 このような状況から、自民党内でも、いまやアメリカに任せきりでは北朝鮮に弱腰と思われるとし、抑止力となる武器の配備が必要だという声や、北朝鮮のミサイル施設に先制攻撃をすべきだという意見まで出ている、とロイターが伝えている。
 もっとも、北朝鮮を攻撃できる武器を配備することは、中国の東部沿岸を射程に入れることにもつながり、中国からの抵抗は避けられないという意見もある。また、北朝鮮を攻撃した場合、北朝鮮が持つ移動式発射台を探知・追跡する日本の能力が限られていることから、大規模な報復攻撃を受ける恐れも指摘されている
◆新ミサイルの発射試験は秋か?核弾頭搭載も視野に
 ワシントンのストラテジック・センチネル社で3次元再構成を指揮し、北朝鮮のミサイルと核施設の模型を16年間作っているネイサン・ハント氏は、あと4、5年経てば北朝鮮が核弾頭を搭載したミサイルでアメリカの都市を狙えるようになるという見方に対し、かなり正しいと指摘している(タイム誌)。
 6日に発射されたミサイルは米韓への力の誇示の意味合いが強かったものの、より大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に適している東倉里の西海衛星発射場から(弾道ミサイルとして)初めて発射されたことに注目すべきだ、とタイム誌は述べる。
〔中略〕
 北朝鮮の新型長距離弾道ミサイルKN-14の飛距離は、6000キロから1万5000キロと推定されており、同氏は、秋にも発射試験があるのではないかと予想している。
〔中略〕
 同氏は、北朝鮮はすでにICBM15基分の核物質を保有し、直径50センチほどの核爆弾を作れるまでになっており、さらなる小型化も視野に入ってきたと見ている。
 ホワイトハウスを去る際、オバマ前大統領はトランプ大統領に対し、北朝鮮が「最も緊急の課題」だと伝えたという(ニューヨーク・タイムズ紙)。事態はまさにそうなっており、今後の予期せぬ暴発を防ぐためにも、アメリカの適切な対応が求められる。”

海外メディアは流石に、日本の吠えるだけ保守とは違って
軍事リアリズムに立脚した記事を書いている。
今回の件で敵基地攻撃能力などと寝言を言っている議員はこの程度の知見もないのだ!

いずれアメリカにTHAADを勧められて西日本と東日本に配備せざるを得なくなるだろう。
機先を制し九州へのTHAAD配備をちらつかせて中国に対北の圧力を迫れば良いものを、
安倍政権と自民党は軍事リテラシーだけでなく外交力も果てしなく低い。
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