みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

プーチンにミサイル向けられた安倍〝土下座外交〟- 無力で愚かな「外交敗戦」、TPP空中分解に続く失態

2016-11-22 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
報道によれば首相やその周辺は「ワンマンタイプの大統領や首相に好かれる」などと
笑止千万な言葉を漏らしたらしい。国際社会の冷厳な現実を理解もせず、
そうした甘い認識と希望的観測に縋っているから大失態を見せるのである。

プーチンはそうした能天気な安倍政権を嘲笑うように、北方領土にミサイルを配備した。
北方領土交渉の前に圧力をかけて、「俺の言う通りにカネを出せ」と言っているのだ。

最近の報道では尖閣諸島近辺にロシア軍機が飛来したそうだ。
リアルポリティークを分かっていない安倍政権に冷や水を浴びせ、
「お前はアメリカから離れても平気なのか?」と脅しているのである。

リアルポリティークを理解していればこの程度のことは自明だったが、
外交でも次元の低い安倍政権は、いきなり面子を潰されて蒼白であろう。

ロシアは歴史的に軍事かカネでないと動かないし、動かせない。
ブレスト=リトフスク条約のような領土割譲は、
余程追い詰められて存亡の危機に瀕していないと行わない国だ。

ましてや、小国だった日本に日露戦争で屈辱の敗戦を味わわされた。
だから日ソ中立条約など自国の都合でいとも簡単に破棄した。
元々そういう国であるのを、どうして分からないのか。
安倍政権は日本史も世界史も理解していないのか。

対中国でロシアを味方につけたいなら、極東での経済開発で
中国の人口と経済力に脅威を感じるロシアを支え、
同時にロシア市場への日本企業の浸透を目指すべきである。

安倍政権が北方領土交渉を優先する動機は、
選挙に勝って権力の座へ居座り続けるために過ぎず、
国益のためでは全くないことは明白である。

北方領土交渉は、アメリカの疑念と冷淡さを招き、
日本の安全保障においてネガティブに働く。
我が国の安全保障の「戦略正面」は東シナ海であり、
北方ではないという現実を安倍政権は理解すべきである。

▽ そもそもアメリカにとって日本は「最高の兵站基地」であり、北方領土交渉は米ロの利害が対立する難問

『仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実』(春名幹男,文藝春秋)


当ウェブログにとっては完全に想定内で、この醜態も「自業自得」でしかない。

「安倍政権の言い分を鵜呑みにして報じたり、碌に批判をしないメディアは、
 官邸の買収工作を受けているものと見て間違いない。
 漏れ聞こえる話では、菅官房長官・萩生田補佐官・世耕副長官が
 メディアを監視する一方、「懇親会」と称して記者を連日接待しているということだ。
 (事実上、官房機密費で彼らを「買収」している訳である)」

「首相の名誉心の発露とはいえ、中東和平を唱えるのは悪いことではないが
 中東諸国の目当ては日本のカネであり、カネを貰えるのだから歓迎するのは当然だ。
 和平の方は実効性において大きな疑問があり、イスラエルにしっかり釘を刺される始末である」

「イスラエルとしては軍需関連分野で日本への輸出を狙っており、
 日本からの観光客を受け入れたいとの思惑があるため
 言辞を抑制しているがメッセージは疑いようがない」

「エジプトにせよ今は観光産業が壊滅的な打撃を受けており
 日本のようにカネをくれるパトロンは喉から手が出るほど必要な状況だ」

「安倍政権の言う「テロ対策支援」が軍事的裏付けを伴っておらず、
 実質的には国益(=安定したエネルギー供給)護持と
 日本企業のビジネス拡大の修辞に過ぎないことは明らかだ。
 そうしたリアリズムが認識されないことこそ重大な問題である」

「安倍首相はせいぜい外務大臣の器でしかないので、
 軽々しくリップサービスを振りまく悪い癖がある」

「今回の米議会での演説も「戦術的勝利だが戦略的に微妙」な形に終わり、
 日本の国益にとって何が重要かを理解していない内容であった」

「政見寄りの御用メディアはスタンディングオベーションの回数や
 拍手の回数で成功だの評価が高いだのと論じているが
 狭い議会でウケたかどうかなど大した問題ではない。
 (来年か再来年には大統領選挙の騒ぎでこの演説など忘れ去られる)」

「米国は東アジアの安全保障政戦略で日本を必要としている。
 (場合によっては中国のミサイル攻撃の「盾」として利用される可能性もある)
 日本の協力を「高く売りつける」ことが正しい目的であった筈だ」

「集団的自衛権容認で忠犬ぶってアメリカに尻尾を振る以外にも
 日米同盟を強化する方法は幾らでもあるという事実を全く理解してないものと見える。
 今回の安倍演説は、集団的自衛権が日本のためではなく米国のためであることを
 図らずも明らかにしたのである。日本国民が疑いの目を向けるのも当然だ」

「そもそも集団的自衛権を認めるかどうかは、中国の脅威に対抗するための必須条件では全くない。
 台湾海峡周辺での有事では、米軍と同時に日本も攻撃を受ける可能性が極めて高いからだ」

「いま北方領土交渉などしている場合ではないことが、どうして分からないのか。
 根本的にリアルポリティークが分かっていないとしか言いようがない。
 本来はアメリカに釘を刺される前に、自ら自制するのが当然だったのだ」

「プーチンは完全に安倍政権を嘲笑し、北方領土の開発を進めている。
 これだけ馬鹿にされているのにプーチン訪日を働きかけるというのは、
 もはや国辱的とも言える範疇に入る。
 外交が分かる者にとって、安倍首相のウクライナ訪問は「自爆」或いは「自滅」行為でしかない」

「ドナルド・トランプに最も近いのはロナルド・レーガンである。
 今の大統領候補の中で、ドナルドだけがロナルドになり得るのだ」

「レーガンは、よく知られるように政治のプロや専門家や馬鹿にされていた。
 キッシンジャーは、「このような人物がなぜカリフォルニア州を統治できたのか」と
 自著の中で痛烈にこき下ろしている。余程の私怨があったのかと訝るほどだ」

「メディアに注目される著名人・軽妙なトーク・問題発言・政策への無知。
 アメリカの「敵」への攻撃性・ミスをしても致命傷にならない・「強いアメリカ」志向。
 「スターウォーズ計画」のような空想的計画のぶち上げ・原油安の時代。
 挙げてゆくと、いかにトランプとレーガンに共通点が多いかが分かる」

「日本が安全保障でも経済でもアンフェアだと言わんばかりの、
 トランプが大統領になる日が近付いているかもしれない。
 これは日本にとっては重大な問題である」

「外交力の低い安倍政権は、この新しい厄介な相手に対処できるのだろうか。
 レイムダックになっていいように振り回される可能性もかなりある」

「更に悪いことに、レーガンの頃よりもアメリカの国力は衰えている。
 (「社会主義者」サンダーズ人気がその証左)
 つまり、トランプは国力の衰退と内向きの民意を受け、
 モンロー主義への回帰を行うかもしれないのだ」

「トランプにTPPをひっくり返され、為替操作を牽制されたら
 安倍外交は一気に窮地に陥ってしまう」

「冷泉氏はトランプが共和党候補になったらヒラリーが勝つと見ているようだが、
 当ウェブログはそうは思わない。トランプ候補はそもそもの評価が低かったから、
 有権者の評価を急上昇させるようなきっかけがあれば、ヒラリーが大敗する可能性すらある。
 (トランプには政治家として「化ける」可能性があるが、ヒラリーには全くない)」

「トランプは、強い不満を抱える米国の有権者にとって唯一の選択肢になりつつある」

「経済政策でも安全保障でも、外交でも次元の低い安倍政権が、
 またしても口だけ政策を展開して大失敗に驀進している」

「北朝鮮交渉が全くうまくいかないどころか
 ミサイル発射や核実験で安倍政権は顔に泥を塗られた訳だが、
 (あのような異形の独裁国とまともに交渉できると思うのは愚か者だけ)
 今度は対ロシアで同じような失敗を繰り返そうとしている」

「つまり、目の前に「エサ」をぶら下げられて、
 安倍政権は小躍りし釣り針に食いついてしまったのだ」

「この学習能力の欠如にはもはや呆れるしかない。
 北朝鮮に煮え湯を飲まされ、ロシアが平然と北方領土開発を進めて
 日本は面子を潰されているのにまた凝りもせずまた同じ罠にかかっている始末だ」

「ロシアは常に国益(ロシアの利益)のために行動しているのだから、
 対ロ外交で点数を稼ごうとプーチンに媚び諂う安倍政権のスタンスそのものが愚行である」

「北方領土の開発を進めるロシアに対して
 へらへら笑って取り入ろうとする醜態はもはや末期的だ」

「北方領土交渉をエサにして日本からカネを引き出すのが目的である。
 愚かな安倍政権は北朝鮮に騙された時と同じく、完全にプーチンの術中に嵌っている。
 (しかも対ロシアでは日本に経済制裁などの強力なカードが全くない)」

「安倍政権は不利な条件を呑まされるのが関の山で、
 「北方領土交渉を形だけ行うのと引き換えに経済協力させられる」
 といった無様な結末を迎えるだろう」

「中東やウクライナ訪問では無益なスタンドプレーばかりで
 カネをバラ撒くのを外交と勘違いしているのだから話にもならない」

「安倍首相は対北朝鮮外交で見事に失敗しているだけでなく、
 (その時も御用メディアは散々、期待できるかのような楽観論を垂れ流していた)
 その失敗を糊塗するかのように北方領土交渉に臨もうとしている」

「安倍政権は、日露関係の歴史を全く学んでいないものと見える。
 メディアに対し北方領土交渉がいかにも有望であるかのような
 見え透いた情報を流し、またB層を騙そうとしている」

「或いはただの自己催眠か自己洗脳かもしれないが、
 いずれにしても選挙での人気取りが狙いの「内向き」外交、
 国益を理解しないポピュリズムであることに違いはない」

「歴史的に見れば、ロシア側が日本を歓迎するかのような態度を示すのは、
 ロシアの利益のために日本を利用する狙いがある時である。
 (その典型例が、日ソ中立条約の際のモロトフである)」

「逆にロシア側が不利な際には猛々しく敵意を見せて牽制してくることが多い。
 (その典型例が、日露戦争の際のヴィッテである)」

「今回のプーチンがどちらであるかは、火を見るよりも明らかである。
 安倍政権を毛針で釣ってロシアにカネや技術を出させるのが目的だ」

「スタンドプレーばかりで外交力の低い安倍政権は、
 大言壮語だけは得意な小心者、松岡洋右と同じ轍を踏み、
 形だけの成果と引き換えにプーチンに実利を献上しようとしているのだ」

「その証拠に、ロシア外務省は北方四島がロシアに帰属すると明言して
 安倍政権の顔を潰し、同時に着々と千島の軍事拠点化を進めている」

「また、時事通信の報道によれば、ロシアの退役軍人は
 「日本の安保法制成立は脅威」と明言している」

「日本の外交の最大の欠点は、自らの利害や事情に基づく希望的観測を持つことで、
 その甘さはこれまで何度も嘲笑され外国に利用されてきたにも関わらず、治っていない」

「今まさに、安倍外交はその陥穽に嵌りつつある。
 対北朝鮮外交が大失敗で顔に泥を塗られ、焦って選挙向けに点数を稼ごうとするから
 外国に足元を見られて利用される結果に陥るのである」

「せいぜい対韓国の慰安婦問題に関するインチキ合意と同じで、
 交渉当事者だけが成功と喧伝して国民はシラけるといった結末が関の山だ」

「北方領土交渉に前のめりな安倍政権は、いきなり先制パンチを食らっている。
 強気のロシア側は、1.7兆円にのぼる巨額の経済支援を求めてきたのだ。
 官房長官は平静を装っているが、「ガードが甘い」からこうなるのである」

「最も可能性の高いシナリオは、日本だけがカネを出して
 ロシア側は形だけ「交渉を開始もしくは継続」するという流れだ」

「ロシア側はいま日本に妥協する理由が全くないのだから、
 交渉を急ぐ必要もない。日本が焦るのを待って条件を吊り上げれば良い。
 選挙向けの「お土産」が欲しい安倍政権の焦りを利用してより多くの「成果」を狙える」

「巨額のカネを要求されていきなり顔を潰された安倍政権の外交力は、
 当ウェブログの指摘通り「実質を伴わないスタンドプレーばかり」と
 定義するのが矢張り適切なようだ」

「佐藤優氏は、安倍政権が北方領土交渉で姑息な問題のすり替えを行っていること、
 日本国民に向けて誠実な説明を行っていないこと、
 日米安保条約の適用範囲について、北方領土交渉が有害に働きかねないことを警告している」

「また、安倍政権は対ロ融資を増やすよう金融界に圧力をかけている。
 安倍政権の本質が中南海やクレムリンと同じ統制国家志向であること、
 自由な経済活動や企業活動に真っ向から反する「アンチ経済」政権であることが
 これではっきりしたと言えよう」

「経済界からは、北方領土交渉ばかりに熱心で
 経済政策が進まない現状を憂慮する声が出ている。
 「GDP600兆円」が安倍政権得意の法螺吹きに過ぎないことを、やっと分かってきたようだ」

「二世政治家の首相も、内弁慶の官房長官も、
 今回の対ロ交渉の難しさを全く理解していない可能性が高い。
 民主党政権という「敵失」のお蔭で権力の座についているという現実をまだ分からないのだ」

今回の失態で、安倍政権の外交の「次元の低さ」は完全に証明されたと言える。

▽ アメリカの外交公電では、歴代自民党政権の外交は民主党政権と同様に見下されていた

『全貌ウィキリークス』(早川書房)


安倍政権は、「敵を知り、己を知る」という
孫子の教えの基本すら理解していないという有様だ。

「今回のいかにも動機の疑わしい北方領土交渉は
 外務省主導で進んでいるのではなく、安倍首相が側近とともに
 「独断専行」して行っているとの情報が複数ある」

「これは、戦前の松岡洋右・白鳥敏夫・大島浩らが外交を誤り、
 自らが賢いと思い上がって独裁国家と友好関係を結べると妄想した結果、
 日本を滅亡の淵にまで突き落とした歴史と酷似している」

「(1)失敗したサハリンプロジェクトの交渉当事者が主導している
 (2)目的が「首相の名を歴史に残すこと」であり、国益や公益を忘却している
 (3)これまでの対ロ交渉の蓄積を持つ外務省の影が薄い

 という悪材料が複数揃っており、益々碌でもない結末が容易に予見できる。
 アメリカに嘲笑されるばかりではなく、安全保障政策に悪影響が及んだらただでは済まない。
 つまらない政治的野心が日本の国益を損なうことに直結するであろう」

「小細工でプーチンを動かせると思っている小賢しさが失敗の元だ。
 外交は双方の思惑が入り乱れ、何が起きるか分からない「戦場」であり、
 この二世首相や側近のように政治的野心に目が眩んでいると足下をすくわれて大打撃を受ける」

「トランプ新大統領は、中露に対して融和的だと言われる。
 北方領土交渉によって日米安保の適用範囲を自ら狭める危険性は明らかに高まっている」

悪いことは言わないから、友好を確認し極東での経済協力を約束して終わりにすべきだ。
そうしないと更なる間抜け面を国際社会に晒すことになろう。

 ↓ 参考

北方領土交渉の動機はただの功名心、首相側近はサハリン失敗の当事者 - 戦前の独善外交と酷似している
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/226711cd68bbbef03fb2e780d83e03f2

安倍晋三はモロトフに騙された松岡洋右の二の舞に、露外務省から牽制の一撃 - 対北で失敗しても反省ゼロ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b774588bf226e556f6b5c57b2d4990e6

プーチンに面子を潰され、アメリカに叱られた安倍外交 - 愚劣なウクライナ訪問で自業自得の失敗だった
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9017cd2a1e623087cbc9ef90c4d990bc

米外交公電、日本政府の外交を酷評 -「外務官僚は世間知らず」「無計画で実行力がない」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ac95bcd20a6bcb0fb2d637efd01486af

▽ ロシアのリアルポリティークは筋金入りで、大甘な安倍政権など子供同然の相手である

『コーカサス国際関係の十字路』(廣瀬陽子,集英社)


安倍首相:与党幹部「トランプ氏と案外気が合うかも」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20161115/k00/00m/030/111000c.html
”◇17日にニューヨークで行う予定の直接会談の行方に注目
 安倍晋三首相が17日にニューヨークで行う予定のトランプ次期大統領との直接会談の行方が注目されている。外交手腕が未知数のトランプ氏との関係構築が焦点だが、首相自身は以前に「ワンマンタイプの大統領や首相に好かれる」と周囲に漏らしており、与党幹部は「2人は案外気が合うかもしれない」との見方を示す。
 安倍首相は14日の参院TPP特別委員会で、トランプ氏との会談について「日米同盟、経済関係の重要性について話したい」と意欲を示した。
 10日の2人の電話協議では、首相の祝意にトランプ氏が「首相の業績を高く評価している」と応じた。
〔中略〕
 安倍首相はロシアのプーチン大統領やトルコのエルドアン大統領らと親しく、政府・与党には「トランプ氏も首相と相性がいいタイプではないか」との観測がある。【高橋克哉】”

こういう能天気な発言が出ること自体が末期的である。
独裁者タイプに好かれるのは「利用しやすい」からに決まっている。
また、非民主的な国で歓迎されるのは、安倍政権が「非民主的」だからであろう。
どちらにしても不名誉であり、喜んで口外する話ではない。


ロシアが北方領土に地対艦ミサイル配備、実効支配誇示狙いか(産経新聞)
http://www.sankei.com/world/news/161122/wor1611220041-n1.html
”【モスクワ=黒川信雄】インタファクス通信は22日、ロシア軍機関紙の報道として、ロシアが実効支配する北方領土の国後島と択捉島に地対艦ミサイルが配備されたと伝えた。いずれも沿岸防衛に利用され、海上から接近する艦船などへの攻撃に使われる。
 プーチン大統領は20日、ペルーでの会見で、北方領土をめぐり「ロシアに主権がある」と明言するなど、12月の日露首脳会談に向けて領土交渉の進展を目指す日本側を牽制する発言を繰り返した。
ミサイル配備の公表も、北方四島への露側の実効支配を誇示する狙いがありそうだ。
 国後島に配備された地対艦は「バル」で、択捉島に配備されたのは「バスチオン」。ショイグ国防相は3月、これらのミサイルを年内にクリール諸島(千島列島と北方領土)に配備する計画を明らかにしていた。
〔中略〕
 露軍は現在、北極海での権益維持などを目的に周辺地域での軍事力整備を進めている。国防省は昨年、露極東の沿海地方から北極圏までをつなぐ沿岸防衛システムの構築を決定しており、ミサイル配備もその一環とみられる。

安倍政権は早速、強烈な先制パンチを食らっている。
この程度も予想できないのだから、てんで話にもならない。
へらへら笑ってロシアに取り入ろうとしたら足蹴にされた、という状況なのだ。


北方領土ミサイル配備:「防衛拠点」露、戦略的重要性示す(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20161123/k00/00m/030/149000c.html
”【モスクワ杉尾直哉】ロシア軍が北方領土に最新鋭ミサイルシステムを配備したのは、北方領土を自国領と位置づけ、その戦略的な重要性をアピールする狙いがある。日本との平和条約交渉が活発化する一方で、独自に国防上の利益を追求していく姿勢を鮮明にした。
〔中略〕
 プーチン露大統領は9月の記者会見で、平和条約を巡る日露交渉に関連し、「安全保障上の問題がある」と述べ、領土問題について協議する際、ロシアの安保を考慮しなければならないとの考えを示していた。
 ロシアは千島列島を極東の防衛線と位置づける。その中で、北方領土周辺はロシア軍にとって太平洋への出入り口だ。日ソ共同宣言(1956年)に盛り込まれた歯舞・色丹の「引き渡し」すら、国防上、影響を与えかねないとの考えがある。

 ロシアは千島列島中部の松輪島(ロシア名・マトゥア島)に太平洋艦隊の新たな基地を設立することを決めている。国後・択捉両島ではすでに軍駐屯地の整備が活発化しており、千島列島の軍事化が進んでいる。
 背景にあるのが、米韓両国が在韓米軍に配備すると決めた終末高高度防衛(THAAD)ミサイルとみられる。ロシアは、北大西洋条約機構(NATO)が東欧で運用を開始したミサイル防衛にも猛反発している。

これがロシアの本音であり、公開情報を追っているだけで容易に予見できるものだ。
歴史に学ばない安倍政権は、ソ連を通じて講和を模索した愚かな戦時中の日本政府のように、
「敵意を持つ相手の好意を当てにする」ような愚行を繰り返しているのである。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今上陛下を「傀儡化」する自... | TOP | 初冬の新刊紹介 -『中央銀行... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界