たびにでるたび

***旅に出るたび **胸につもる何かを *ほんの少し、眠る前に

分かる、離れ離れ

2020-06-23 17:19:27 | メモ

 

分かる、理解する、という概念を

子供の頃は「知る」と同義のように捉えていた。

けれども

分かる、は読んで字の通り

知識や情報を、分け、分かち合うことだ。

話や思いを分かることはシェアすること。

 

日本語独特の概念かと思っていたら

案外そうでもないらしい。

 

英語の understand の語源は、

間に立つ、というような意味になるそうだ。

under は現代では「下に」の意味だが

古語では「間に」という between のような意味の語であるらしい。

自分と相手の間に立つことは

自分の場所から相手の場所へと一歩近寄って、

言い換えれば自分の場所を一時的に離れて

相手に近い場所から話や思いを受け取るのだ。

相手そのものになることはできないから

せめて近くへ行く。

決して、「間」より近くには行けないことが

自己と他者の線引きの堅固さでもあるようで

その国境を物理的に越えることはできなくても

意思による思考で超える力が「分かる」なのだとしたら

自己と他者が離れ離れの、

別々の皮膚に包まれた存在であることそのものが

「分かる」ことを可能にして、必要にしているのかもしれない。

 

E.E.カミングスの詩「i carry your heart with me」の一節を思い出す。

" here is the deepest secret nobody knows

(中略)

and this is the wonder that's keeping the stars apart "

(誰も知らない深淵なる秘密があり、

 これが星々を離れ離れでいさせる神秘だ)

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る