たびにでるたび

***旅に出るたび **胸につもる何かを *ほんの少し、眠る前に

着物の夢

2015-03-30 00:31:08 | 
久しぶりに普段用の着物を、と

引っ張り出して羽織ったら

長さも身幅も小さくて

でもそれを着なくてはいけなくて

居心地悪い思いをしそうだな

という夢を見たよ。

お母さん

2015-03-28 02:25:05 | Weblog
あの人のお母さんに
ずっとためらっていたメールを
いよいよ書き始めて

お母さんの思いや
あの人の思いを
想像したら
涙が出た

私とあの人の間の
この出来事において
初めて泣いた気がした
心から泣いた気がした



あなたを忘れる

2015-03-23 22:32:55 | Weblog

髪を切ったら
短くなりすぎて
男の子みたいな気持ちになった

それはそれで
今のわたしの気持ちに当てはまる

泣きたくて泣かない
ひとりぼっちで踊って遊ぶ
誰にも言わない秘密で笑う

そういう心で生きていく
そういう体で死んでいく
どれを選んでもまた明日

あなたがいる人生は素敵だった
あの頃
わたしが初めて幸福を覚えた
あの頃
帰る場所があることの意味を知り
守るものの大切さを思いながら
ぼんやりしていた
未来ばかり考えて焦って
ぼんやりしていた
泣いてばかりいた
小さな愚かな女の子みたいに

今は
少しだけ大きくなって
ただの愚かな大人になったよ
あなたを
忘れるくらいには



巡り合わない

2015-03-23 21:52:15 | Weblog
対のように

反対側の星座が

同時に語られたりもするのは

それが反対側に位置するからで

隣り合って巡り合うことのない

配置だからだ

見つめ合うことはあるだろうか

思い合うことはあるだろうか

遠すぎて

見えていないかもしれない

きっと

巡り合わない



どうでもよくなる

2015-03-23 03:10:30 | Weblog
彼の悩みとか

迷いとか

将来への不安とか

どうでもよくなる

前はあんなに

一緒になって一喜一憂していたのに

ここのところ

自分の忙しさに追い立てられて

彼のことがどうでもよくなる

良い傾向、だと思うんだ

そのくせ

彼のことを忘れる日はなくて

いっそ全部忘れてしまえたらいいのに

忘れてしまうほどのことは

何ひとつ無いのだけれど

彼の名前も声も存在も

忘れてしまえたらいいのに

そうしたら

彼が何なのか考えなくて済むのに



隣にいるように

2015-03-15 21:14:06 | Weblog

連絡しないでいることはできる

仮にもう二度と

連絡しないとしても

それもありだろう

けれど

忘れることはきっとできない

思い出さない日なんて

きっとないのだ

いつでもそれは心の中にあって

取り出して眺めるまでもない

まるで

いつも隣にいるかのように

 

 

 


さらさら流れる

2015-03-15 01:35:22 | Weblog

手をつないで行った
紙に名前を書き
判子をついて
窓口に出す
短い説明を受け
少し待って
それで完了
さらさら流れる小川のように
つつがなく
滞りなく

法律の上では
彼は私の家族じゃなくなった
でも好きだよ
大切な人だよ
彼にとって私も
ずっとそうだといいな





現実に戻ってきちゃった

2015-03-10 14:05:16 | Weblog
10日ほどのホリデーを終え
飛行機で帰る。
明日から仕事。

このまま空港から
違う国にでも行ってしまいたい。
仕事が嫌なわけじゃない、
でもちょっとブルーだ。

休暇気分から切り替えねば。
ふわふわ無責任な遊びの時間が終わって、
現実に戻ってきちゃったのだから。

そう思ったときに、
あ、私の現実はこっちなのだ、と
仕事のある場所が現実なのだ、と
私の帰る場所はこっちなのだ、と
くすぐったくも思い知る。


話し足りない

2015-03-02 01:05:03 | Weblog
10年来の親友に会う

長く待ち望んだ子どもができ

母になり

新居への引越しを控え

雨の中わたしを迎えてくれた彼女は

少しだけ疲れた風だったが

これまでに見たどんな彼女より

幸せそうだった


話しても話しても

何か大事なことを話せていない気がする

子どもを抱かせてもらいながら私は

料理をする彼女の背を見ている

その向こうで鍋から湯気が立ち上る

私は何か言いかけて

でも急いで話してしまわなければならないことなど

何もなくて

ただ子どもをあやして抱きしめる

子どもは体温が高くて

ミルクの甘いにおいがする

気づけば部屋全体が暖かなのだ



帰り際

ドアの外で見送ってくれた彼女は

不意に私の肩を抱き

そこには疲れた彼女も

母である彼女もいなかった

ただ友人であるだけの

その温かさに

彼女のこどもを重ねる

短いけれどこの抱擁を

私はきっと生涯忘れないだろう