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スプリアス規格 アメリカと日本の比較

2014年03月01日 | 無線機

新スプリアス規格のアマチュア無線への適用がアメリカと日本で違いがあるのか調べてみた。詳細は該当資料がネットで見ることが出来るのでここでは省略。

元ネタ;

日本の該当資料: 総務省HPで見ることが出来る。 H17(2005)12月1日に省令119として出ている。 ITU(WRC-3)スプリアス規格の改定に伴い施行されたもの。

  • 適用開始はH17年12月1日ですが、旧規格リグ(平成19年11月30日までの製造分)での開設・変更はH29年12月1日以降はNG。またH34年12月1日以降は使用不可となっている。H29年11月30日~H34年11月30日の間は旧スプリアス規格機であっても再免許可。
  • スプリアスの規定に対する新旧比較について従来は帯域外におけるスプリアス発射を制限(帯域外における不要発射についても必要に応じ規定)しているのに対し、改正後は必要帯域幅Bnの±2.5Bnの内側を帯域外領域、外側をスプリアス領域として規定。規定値は従来は周波数帯により規定しているのに対し、改定後は帯域外領域は従来のスプリアス発射の規定値を適用、スプリアス領域は従来のスプリアス発射の規定値もしくはRR規定の内厳しい規定値を適用。
  • 30MHz以下で運用するアマチュア局に関してはスプリアス発射は43+10log(PEP)または50dBのいずれか小さい減衰量となっている。  →100W機の場合は63dB>50dBなので基本波に対し50dB以上必要                                                                 

アメリカ: アメリカの場合、連邦規則集(CFR)のTitle47(telecommunication)のPart97 Amateure Radio Serviceに関する規定がありそのなかのSubpart 97.307にEmission Standardにスプリアスに関する規定がある。 最新版は2014年1月。

  • 必要減最小のバンド幅でアマチュアらしく運用すること
  • 帯域外発射は隣接する周波数で運用するものにスプラッターやキークリックを与えないこと
  • スプリアス発射は最大限抑えること。もしスプリアス発射が他の無線局に有害な影響を与える場合は適切な妨害低減策を講じること。
  • 2003年1月1日以降に設置された30MHz以下の送信機または外部アンプは基本波に対しスプリアスは43dB以下であること。
  • 2003年1月1日以前に設置された30MHz以下の送信機または外部アンプは50ミリワットを越えないことそして少なくとも基本波に対し40dB以下とすること。
  • 2003年1月1日以前に設置された平均電力5ワット以下送信機はすくなくとも30dB以上の減衰を確保すること。
  • 1977年4月15日以前に作られたまたは1978年1月1日以前に市場に出た送信機はこのスプリアス規定は免除される

比較&コメント

  • スプリアス領域に対する規格はアメリカの場合、リグの製造年月が2003年1月1日以前であれば40dB 、それ以降であれば43dB(基本波に対する減衰量)に対し日本は新スプリアス規定は50dB。 アメリカの場合古いリグでも問題なく使用できることがわかる。 自作リグの場合はどうなのか未チェック。 
  • アメリカでは古いリグはスプリアス規定は免除される
  • 帯域外領域(基本波が占有する帯域=占有帯域の2.5倍から占有帯域の半分を引いた帯域)のスプリアス規定は日本の場合、従来規格が適用されるが測定はそれなりの測定器が必要と思われるがアメリカの場合はスプラッターやキークリックを出してはいけないと非常にわかりやすくなっている。

FCCとARRLの関係がどうなのか良く理解していないが、できるだけアマチュアが自由に運用できるような規定となっており、例えば飛行場の近くとか他のサービスに影響を与える恐れがある場合は細かく規定されている。 Part 97を見ていると無線設備に関しては日本に比べ実に大雑把(ライセンスがあれば許されている範囲内でなんでもOK)で日本の免許制度(従事者免許と局免許両方が必要で、局免許取得にはそれなりの申請が必要な制度)との違いを感じますね。 Part97を一度呼んでみる価値があると思った。 


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