JA1KIH's Radio Memo

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CQ誌付録/RSGBハンドブックから連想すること

2017年04月11日 | 日記
本の整理をしていたら昭和41年の アマチュア用最新電子管規格表 と 昭和43年のアマチュア局用送信用真空管規格表が出てきました。 当時は真空管が主流でメーカ製リグもほとんど無く、皆さんリグの自作を行っていたので雑誌もいろんな資料を提供してくれました。



更に1961年にイギリスアマチュア無線連盟 RSGBから発行された第三版の The Amateur Radio Handbookが出てきました。 版数の歴史が書いてありますが、それによると、
第一版は1938年12月
第二版は1940年7月・・・12刷まであり1946年2月で終わって第三版へ改版されます。
第三版は1961年11月・・・6刷は1965年5月となっており、入手した本は第6刷です。



中を見ると



アマチュア無線をやるための知識は全部盛り込まれていますが、さすがコンピュータとかは出てきません(しかし半導体について少し出てきます)。

Forward(序文)を読んでみるとWW2後のアマチュア無線界を垣間見ることが出来ます。



1939年に発行された前の版から悪夢の20年間が経過した。第二次世界大戦の間軍用技術の発展は目覚しくそれらは1945年以降民生用に大きな効果を与えた。 これらの技術のアマチュア無線への影響は二つある。一つは多くの戦前の又は古いアマチュアに最先端技術を適用できる場が出来たこと、そして趣味として追い求めて得た能力が彼らの国の緊急事態へ役にたつことだ。 二つ目は戦争の終結により沢山の余剰軍用無線機が市場に出てきてことによるボーナスだ。多くのハムは日常の生活に戻り、アマチュア無線に以前は考えられなかった複雑な進んだ技術を応用することが活発になった。・・・・ 以下省略

戦争によって科学技術進化しその後それら技術が日常生活に適用される・・WW2直後に書かれたと思われる序文です。レーダー、ミサイル、ジェットエンジン、などなど。 戦後間もない当時のアマチュアは今の様にメーカ製の優秀なリグもなく自作するか放出された軍用無線機を手に入れてQSOしていました。真空管から半導体に移行する直前ではあってもよりよい無線機をつくるため多くのアマチュア無線家が軍用に開発された技術の応用も沢山ありそれが民生用機器に使われ、たまたま高度成長期にめぐり合って日本の放送や防衛産業の一助になったといえるでしょう。 果たして今のアマチュア無線界はなんに貢献しているのでしょうか? 開発製造はメーカ、それを使うオペレータ?