崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

『浮世の画家』

2015年06月08日 04時52分45秒 | 旅行
昨日の朝BBCで英語字幕付きの英語インタービューでイギリスの作家Kazuo Ishiguro 氏の対談プロを楽しんだ。礼拝後、一人で久しぶりに書店に立ち寄った。英語書籍コーナーに立ってみるのはいつものこと、Kazuo Ishiguro という名前の本を数冊をみつけて嬉しくなった。小説An Artist of the Floating Worldを購入し読み始めた。いつ、誰が、どこでなどの原則に従って、時代や場所の紹介から始まる文ではなく、ただgingko, cushionなど日本的な単語と頑固だったoziが優しく変わったという会話で、戦前から戦後に変わったことが理解でき面白さが続く。あくまでも、どこで、誰が…という説明式の文章ではない。文の内容によって知るような書き方であり、さすが世界的一流作家であると感動した。
 作家について関心が湧いてきてネットで検索してみた。カズオ・イシグロ(石黒 一雄 )は、1954年長崎県出身のロンドン在住の日系イギリス人作家、1960年、5歳の時に一家でイギリスに移住、英文学科、大学院で創作学を専攻した。『浮世の画家』(An Artist of the Floating World)は1986年、戦前の思想を持ち続けた日本人を描いたという。会話の一つのセンテンス「あなたはいつも周りの人には厳しく命令調で話しているイメージがあるのよ。しかしこのころやさしくなったねShe only remembers you from when you were a tyrant and ordered us all around.You're much more gentle these days,isn't that so?*拙訳」。私が注目する戦前の戦争賛美者が戦後は平和主義者へと豹変したことを簡潔に表現している。興味津々。
 夕食はトマトキムチ、朴仙容氏の「海龍食品」から送られてきた新製品、隣家にもおすそ分け、再びの試食、「美味しく、珍しい」。友人の朴氏に感謝。またある在日の老婦人から辛い唐辛子の苗をいただいた。早速ベランダのプランターに植えた。辛さは栄養ではない。刺激物である。韓国からの刺激は良い。しかし、刺されて痛くなってはいけない。秋には新鮮な辛さの刺激が楽しみである。