崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

キムチ

2011年12月02日 05時09分58秒 | エッセイ
ソウルを出発する前の晩に姜顕秀氏家族4人がホテルに訪ねてきてくれた。彼らは下関で生活したことを懐かしく、私をはじめ大学へ感謝の気持ちを語ってくれた。姜氏の奥さんは今年度大韓民国「国展」で入選賞をとり、一躍画家として位置を確保したという。彼女が下関にいた時、数作くれたので良い記念になる。お土産としてキムチと海苔を持ってきて帰りの荷物が大きくなった。キムチはプラスチックのケースに別に持つようになり手荷物として3個になった。
 昨日ホテルを早朝5時半に出発して仁川空港で荷物検査の時キムチボックスがひっかかった。再包装して荷物として預けなければならないと言われたので、「息子の嫁のような人が誠意をもって手作りしたものであり、手で持って入る」と言ったら笑顔で通過させてくれた。このような融通のきく仕事ぶりを日本人はおかしく思う人が多いだろう。機械ではなく、人がするということは機械以上にチェックすることができる、場合によって融通が効く仕事になるということである。韓国を通関してから、日本側が心配になった。しかし、無事に帰宅した。夕食のテーブルにはキムチと海苔だけであった。そのさなか姜氏から無事に帰宅したかという電話が入った。二重、三重に嬉しさを感じた。
 日本の入管や税関の人は笑顔は絶対みせない(?)、機械的公正な表情である。台湾と南アフリカの入管審査員が歓迎の挨拶の言葉から審査するのは印象に深い。日本も変わるべきであろう.