なんの花かと画像検索したらクレマチスだった。小田急の渋沢駅から秦野盆地を歩きだし、渋沢丘陵のほうへ上っていく途中たくさん咲いていた。さらにいくと白山神社があった。秦野盆地の向こう側、丹沢山系の大山にも白山神社があったから、神奈川は白山信仰の及んだ地域らしい。山伏がいたんだろう。
こうして意味もなく山歩きをするようになったのは、藤原氏に追われた皇族が開いた白山の信仰に興味を持ったのがきっかけだった。白山自体に登頂した後も、縁のある土地を訪ね歩いている。というより、行き当たりばったり社に出くわして気になると立ち寄る。ここの白山神社だって、たまたまにすぎない。
たまたま旗日(昭和天皇の誕生日つまり昔の天長節、みどりの日とか昭和の日とか呼び名が二転三転した祝日)だったので、拝殿の正面に日の丸がダブルで掲げてある。絵馬掛けはない。社の向こうに登山道のようなものがあり、そこを進めば頭高山(ずっこうやま)の山頂にたどり着けそうな気もするが、たどり着けないと無駄足になるので引き返して林道をゆく。
なんの花かと画像検索したらシャガだった。日比谷に即席で移植されたシャガは花が白くて、ジャガ=じゃがいも(ポテト)の花かと思ったのに、このシャガは薄紫だ。イモではなくアヤメ科アヤメ属の草らしい。ふーん、いろいろな花が咲いて結構だと思いながら、その先にあるらしい頭高山(ずっこうやま)登山口のほうへ。
切り通しの道を登ると頭高山(ずっこうやま)……変な名前の由来は、どこから見ても丸い頭の形をしているから。303mしかないので「ずっていやま(頭低山)」ならよかったのに。秦野盆地の反対側の丹沢山系には、1000mを超える山々が立ち並ぶわけだし頭が高いのではないだろうか。古くは、「ぼっこうやま」と呼ばれた。
山頂は木立で見晴らしがないけど、途中で秦野盆地の向こうに丹沢がきれいに見える場所がある。向かって右端にあるのが大山。阿夫利(あふり)山とも呼ばれるのは雨乞いの歴史があるから。ヤビツ峠、ニノ塔、三ノ塔、鳥尾山、行者岳、新大日、木ノ又大日、塔ノ岳、大丸、小丸、鍋割山などなど、丹沢に登るより丹沢がよく見える。得した気分になった。
関連記事: 美濃馬場へ(白山)