電脳筆写『 心超臨界 』

一般に信じられていることと全く逆のことに
真実があることがしばしばある
( ブリュイエール )

比較展示は比較広告ルール違反か?――液晶 vs. プラズマ

2005-10-08 | 08-経済・企業・リーダーシップ
【幸せと平和を願う人々の心が臨界質量を超えるとき世界が変わり始める】

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「比較展示やめて――シャープ、猛反発」
2005.10.07 日経新聞(朝刊)

千葉市で開催中のデジタル家電の見本市「CEATEC(シーテック)JAPAN2005」で、プラズマテレビ大手の松下電器産業とパイオニア、日立製作所が出資する次世代PDP開発センター(東京)が、プラズマテレビの横に液晶テレビを並べて画質を比較する展示が波紋を広げている。

ことの発端はプラズマ陣営がプラズマテレビの横に液晶テレビをならべて画質を比較する展示方法をとったこと。これに液晶最大手のシャープなどが猛反発した。

事務局は「比較広告のルール違反の恐れがある」として比較展示の中止を要請。「客観的な技術展示」と主張するプラズマ陣営との溝は6日夕時点で埋まっていない。

プラズマ勢はかねて「動画の表現力などではプラズマの画質が上」(松下)などと主張してきた。ただ、20万人もが来場するイベントでの比較展示は液晶勢も見過ごすわけにはいかなかったようだ。

事務局の要請を受け、6日は液晶テレビを暗幕で隠す措置を取った。ただ、プラズマ陣営は展示中止は「承服できない」と、事務局に要請にいたる議事録などの開示を求めた。
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公正取引委員会事務局が昭和62年4月21日付けで「比較広告に関する景品表示法上の考え方」というガイドラインを発行している。ガイドラインの基本的考えかたは、次の通り。

(1)景品表示法による規制の趣旨
景品表示法第四条は、自己の供給する商品等の内容や取引条件に
ついて、実際のもの又は競争事業者のものよりも、著しく優良又は
有利であると一般消費者に誤認される表示を不当表示として禁止して
いる。

(2)適正な比較広告の要件
したがつて、比較広告が不当表示とならないようにするためには、
一般消費者にこのような誤認を与えないようにする必要がある。

このためには、次の三つの要件をすべて満たす必要がある。
a比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
b実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
c比較の方法が公正であること

全文を読んでみても、比較展示そのものを否定するようなことはなにも書いていない。むしろ消費者にとってこんなありがたいことはない。公平に両者の違いがわかるからだ。

比較広告のガイドラインが要求するところは、①主張内容が客観的に実証されていること、②正しい事実を適正に引用すること、③比較方法が公正であること。どう考えても、比較展示だけでルール違反にはなりえない。

比較展示したうえでプラズマ勢が虚偽の主張を展開したとすれば、これは当然ルール違反となる。しかし今回のように現物をならべて消費者にじかに判断してもらう試みは、紅白歌合戦に一般視聴者の投票が加わるようなもので、むしろ公明正大といえよう。

シャープは、明暗(コントラスト)を大幅に向上させた新液晶ディスプレー「メガコントラスト液晶」をCAETECに展示している。それなのに比較展示に反発するというのは、液晶の劣勢を隠すためなのではないか、と消費者は考えてしまう。
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