土方宏史監督の労作、いままで誰も撮らなかったドキュメント。カメラを持ちながらの質問が「間抜け」でよい(褒めてる)。
法律監修は、映画「死刑弁護人」の安田好弘弁護士。
短歌の上の句、「強面のカナリヤ」は阿武野勝彦プロデューサーの初日舞台挨拶の言葉から。
取材の取り決めは、3つだけ。1、取材謝礼金は支払わない 2、取材テープ等を事前に見せない 3、モザイクは原則かけない。この原則を守ったら、素晴らしい映像となった。他のテレビ製作者に爪の垢を煎じて飲ませたい。東海テレビ偉いぞ。
暴対法、暴排条例によってヤクザは絶滅危惧種となっている。例えば銀行口座が作れない。作ってばれると詐欺で訴えられる。銀行口座が作れないから子どもの給食費を現金で払おうとすると、ヤクザとばれて子どもが学校で虐められる。
事故で自動車が傷ついたので保険会社に修理代を頼む。保険会社は不合理に渋る。ちょっとこじれると、恐喝やら詐欺で逮捕される。弁護を頼もうにも引き受けてくれる弁護士がいない。
山之内幸夫弁護士は何度も起訴され、11月に最高裁で有罪が確定し弁護士資格が剥奪されている。これは映画パンフ500円で知って驚愕した。
安全安心社会の裏で、憲法番外地ができている。
撮影中に「撮るな」と恫喝するのは、ヤクザではなく警察。家宅捜索の場面だ、国営暴力団が偉そうに。