千恵子@詠む...................

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「盗む青白い手」

2013年02月05日 | 詠む

「盗む青白い手」のひと摂食の 治療もせずに収監なるか

法廷弁護士3  盗む青白い手  徙木信 日本評論社

第1作第2作に続く、シャーロックホームズ...じゃなかった「九品仏舎郎」弁護士の物語の第3作。

第1話 消えた退職金

>社員として長年にわたって会社のために懸命に働き続けたにもかかわらず、退職金ゼロを通告された初老の男性が、困り果てて相談にやって来た。労働審判を経て男性が辿り着いた心温まる結末。

労働審判の仕組みが分かる。この著者の本は、いつも裁判の仕組みや真髄が丁寧に描かれているのだ。

退職金ゼロってひどいけど、中退共の分は払うからまだまし。あらまほしき想定だからか。

わたしの職場なんて、国が助成している「ちゅーたいきょー」すらないもんねえ。

というかケーキも一人だけ配らない。なんともはやの人権番外地だから。

>天心医師との出会い/初回相談──内容証明の起案/相手方からの回答/労働審判手続申立書の作成/答弁書/第二回目の相談──第一準備書面の起案/相手方の第一準備書面/第一回労働審判期日/第二回労働審判期日/祝杯

第2話 盗む青白い手

>摂食障害と万引きの関係とは? 周到なリサーチと現場踏査を重ね、控訴審で二度目の執行猶予をとるための困難な闘いに挑む舎郎。刑事弁護の衝撃的なまでに過酷な現実を端的に描いた秀作。 

若い女性とはいえ、体重30kgって...よほどの心理負荷が掛かっているのだろうなあ。

過去のエピソード。中学生が大決心をして証言をすることにし、尋問の練習をして、学校を休んでまで江の島から霞が関に出てきたのに、裁判長は「すべて却下します」。一緒にきた父親は憤慨していた86頁。そうだよなあ。

民事の控訴審は『事後審』と呼ばれ、一審判決が下される直前の状態に戻ってその続き。刑事は、『事後審』一審の当否...89頁。

勉強になるわあ。福岡県弁護士会ブログにも書いてあるね。

>事件依頼の電話/第一審弁護人からの状況聴取/刑事事件の記憶1/被告人との面会1/天心医師との面談/裁判記録の入手/現場の重要性/刑事事件の記憶2/現場調査/専門家からの意見聴取1/専門家からの意見聴取2/天心医師からの意見聴取/被告人との面会2/愛子の成育歴/愛子からの手紙/控訴趣意書の構成の悩み/文献調査/控訴趣意書の起案/控訴審公判期日/天心医師主尋問/天心医師反対尋問/天心医師補充尋問/被告人質問/被告人補充尋問/判決期日/

著者は、ツイッター発信もしている。第4作が楽しみだわ。

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