こんにちは、ナツメです!今回は私が通っている武蔵野美術大学の授業を紹介します!
私の在籍は視覚伝達デザイン学科ですが、今回ご紹介するのは彫塑の授業です。デザイン学科なのに彫刻?と思いますよね?実は武蔵美では、美術を学ぶ立場として基礎的な技術力をつけるために全学部学科の一年生が絵画と彫刻の科目を必修で受けることになっているんです。
学部ごとに彫るモチーフが違うのですが、今回はヤギ・ヒツジの頭部の石膏像を制作しました!なんと牧場から10頭のヤギとヒツジを借りてきていて、その中から一頭をモデルに選びます。ちなみに、ヤギ達の世話も学生が当番制で担当しました。
初めに水粘土で大まかな形を作っていきます。サイズは大体実物より少し大きいくらい。後で石膏で型を取るのですが、それ以降は大きな形の変更ができないので、ここでは目などの細かいパーツは置いておいて全体のバランスをとっていきます。
粘土で形が取れたら次は石膏の出番!像を作るための型を作る工程です。粉の状態の石膏を水で溶き、粘土にかけていきます。3cmほどの厚さになるまで重ね、石膏が固まったら粘土から外して型の完成です。
この中に石膏を流して像を作るのですが、このまま流し込むと型と石膏が引っ付いてしまうので離型剤を塗ります。型を石膏で埋めてしまうとめちゃくちゃ重い石膏像になってしまうため、空洞にするために内側に石膏を流し型をとります。アトリエにある石膏像も中が空洞になっていますよ!重い頭部をぐるぐるまわして内側に石膏を塗るのでこの作業が1番身体的負担が大きく、ヒツジと戯れながら観察兼息抜きをしつつ3日かけて作業を行いました。
ノミで型を割り出し、型取りが終わればとうとう仕上げです!修正箇所を朱墨で書き入れ、石膏をつけたり彫ったりを繰り返しながら、顔の微妙な凹凸や目鼻の形など細かな部分まで調整して完成です!
普段はデザイン科で平面の作業しかしていなかったので本格的に立体作品を作るのは今回が初めてでしたが、1ヶ月かけて360°全てを作り込むことで、最後には立体への理解度、解像度が格段に上がりました。一方向だけでなくどこから見ても本物と同じ形になるように作っていくので、立体版デッサンみたいで楽しかったです!実際にヒツジに触れることで口がとっても柔らかいことや、毛に埋もれた首が意外と細いことなど、遠くからデッサンするだけではわからない発見も多くあり、とても良い経験になりました。
長くなりましたが、最後は授業期間中に産まれた子ヒツジで締めようと思います!
(この子に気をとられて完成がギリギリになったのは内緒です)