モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

公募展入選おめでとうございます!

2015-02-03 23:05:43 | 大人 油絵・アクリル

中野 油彩

左の橋の作品は、ベルギーの風景だそうです。
美智子皇后が1958年(皇太子と結婚される前年)ベルギーにて開催された第1回世界会議の日本代表として出席した際、結婚を決意した橋とのこと。(但し中野さんにとってのこの場所は見切れた画面右下にあるビアガーデンが旨い方が重要?)
橋の周囲に夜が近付き、夕日が最後の力を振り絞って左岸の建物に傾いた日差しを投げかけています。大胆な画面構成ではありませんが、暗く沈む右岸から橋を経て沈みゆく輝きを纏った、黄色い建物への繊細な光の移り行きは見事であり目を惹かれ、夕刻の一瞬の深い神秘に対する愛情を伝えてくれます。また暗い水面にペインティングナイフで厚塗りされた空の青さは、静かな美しさの中に生動感を加えています。この風景画に対して抱く情景は、一種のロマン主義的情熱を見て取れ、中野さんの独自な感受性と想像力が示されていると思います。完成度の高い作品です。

さて、そんな実力のある中野さんが公募展に出品され、入選されました!以下、中野さんより

今回、2月の渋谷の松涛美術館公募展(2枚以内出品制限)に変則的な応募をしました。
常識的には、風景画2枚あるいは人物画2枚あるいは静物画で、油彩か水彩に統一すべきでしょう。
ところが、今回は油彩(本命)と水彩(当て馬)で全く同じ景色を描いたF40号を出品しました。
「同じ号数で、同じ画題を、油彩と水彩で応募した」ということが、新機軸ではと思っています。(そんなことをする人なんているのでしょうか。審査委員も怒っているのでは?とも危惧していますが)
画題はパリのモンパルナス・タワーの51階から見たアンヴァリットです。制作期間は水彩画はせいぜい数ヶ月以内でしょうが、油彩は延べ3年は掛かっています。なぜなら最初にモンパルナスに行ってから、この絵を描き始めて2年後にもう一度画題チェックにモンパルナスに行っています。(勿論、絵のためだけではなくモンパルナスのクーポールでドーバーオイスターにロワールワインの楽しみもありましたが)
ですから、油彩作品に対する、思い入れが全く違います。
先日通知が来まして、何と油彩画〔写真右〕が落選、水彩画が入選ということです。まことに残念な思いです。
芸術と云うのは、まじめにやればやるほど、良い結果が出るとは限らないようですね。

右の、残念ながら選外だった作品は、描きたい部分が多過ぎて(描き過ぎて)焦点が定まりきれていないようにも感じます。頑張ったから報われる訳ではないのは、何事も一緒ですね。また公募展の場合、多少は審査員に色目を使う位のいやらしさ(テクニック)が必要…というのが私と岩田先生の同意見でした。しかしこんなに健気に描いた素晴らしい夜景の油絵が、どのような水彩画と変貌を遂げ入選したか、気になりますね!私も見せて頂いていないので、楽しみです!審査の基準も気になります!どうぞ皆様お出掛け下さい。   オバラ

「2015 松濤美術館公募展」
会期:2月8日(日)~22日(日)午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで) 2月9日(月)、12日(木)、16日(月)休館日
場所:京王井の頭線 神泉駅下車徒歩5分 / 渋谷駅下車徒歩15分(東急本店の奥)地図はこちら
入館無料
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 起承転結の行方 | トップ | 小学校受験の為の描き方ブック »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

大人 油絵・アクリル」カテゴリの最新記事