長沼 油彩
アトリエはワークショップ真っ只中!私も小学生の頃こんなワークショップあったら参加したかった…!磯辺です。
今日は水曜大人クラスの長沼さんの作品です!
この2枚どちらもとても面白い絵なのですが、とても一人の人が描いたとは思えませんね!
左の絵は菖蒲を日本画風に描かれたものなのですが、この背景の金色に見える部分、なんと金色は一切使ってないのです。何色が一番金色に見えるのかを試行錯誤した結果、レモン色と黄土色のグラデーションに落ち着いたのですが、もちろんこの色もチューブからそのままではなく、絶妙な調合によって作られています。それにしても、油彩で日本画風に描くとどうなるのか、最初は実はちょっと不安だったのですが、日本画の平面感や色使いと、油彩のタッチや重さみたいなものがうまい具合に融合していると思います。
一方右の絵の方はまた別の試行錯誤戦争がありまして、この絵のモチーフはポピーなのですが、これはこういう描き方の作家さんの作品(長沼さん持参)を参考にしながら描かれたものなのです。左の絵の通り、長沼さんはとってもしっかりとものの形を捉えて描かれるスタイルだったので、これを機に、ザクザク描くのもやってみていただきたい…という思いで、おすすめしてみました。ちょっと描いては私に「これは花です。っていう描き方になっちゃってます。」「形ではなく雰囲気とか色とかで描いてください。」などという今までの長沼さんのスタイルだったらなんの問題もないであろうポイントにダメだしを急に何度も出され、三歩進んでは二歩下がりながら描かれていたこの作品。「なんとなく言われなくてもポピーとわかる必要最低限の形でもって表現しよう大作戦」、大成功ではないでしょうか!また何枚かこういったテイストで描かれたのちに、前のスタイルに戻って描いたりしていただきたいなあと個人的には思っております。
展覧会に向けて、以前から計画的に作品数を増やしていらっしゃる長沼さん、どの作品を出品されるか楽しみですね!