浄福寺・お寺のいろいろ日記

福岡県豊前(ぶぜん)市・下河内(しもかわち)浄土真宗本願寺派・上毛組(こうげそ)浄福寺の坊守の日記です。

今になって。

2023年02月28日 | Weblog
3月3日(金)

小学校を卒業する息子、将来の夢の作文に「お寺の住職になる」と書きました。

まだよちよち歩きの妹を前に「お寺はYちゃんが継げばいい」などとこの前まで言っていたのに…

先日お参りに行った組内のお寺さまの門徒さんが、私にぼんちゃんやじょうちゃんたちの写真を見せてくれて、まるで自分の孫のように「かわいいでしょう」と目を細めていらっしゃいました。

その時、ああ、私もこうして育てていただいたんだと気づかされ、お寺の子ってなんてしあわせなんだろうと思いました。

「あんたはいつもみんなに見られようけ、悪いことせんのよ」と母親に毎日のように言われ、お寺に生まれたことを億劫に思ったものですが、見守り、育てていただいたこと本当にをありがたく思うようになりました。

先日、「あんたが成人式の時、振袖姿を見せに来てくれたけど、その時の機嫌の悪い表情、今でも覚えとう。うちのお父さんはお寺の子でも怒りたい日もあると言いよったけど」と門徒さんから言われてしまいました。

どんな時も欠かさずお祝いをしてくれていた門徒さんを前にして…なんて失礼なことを…20歳の自分を叱り飛ばしたいと切に思います。

それでも諦めず、あたたかく導き育ててくれたのだと、

その頃気づくことができなかったしあわせを今頃噛み締めています。




お寺参り。

2023年02月24日 | Weblog
2月24日(金)

組内のお寺さまの報恩講へお参りさせていただきました。

日常的にYouTubeでお聴聞させてもらっていますが、やっぱり実際に本堂に身を置くのはいいなぁと実感したのは、お隣の門徒さん方のお話が耳に聞こえたからです。

「せっかく生まれてきたのに仏法にあわせてもらわなもったいない」

「お寺に参るのが何よりも楽しみ」

「行き先を聞かせてもらわな安心できん」

「わしらにできることは何にもない、ただなんまんだぶお称えさせてもらうだけ」

お堂に満ち溢れるお念仏の声

お聴聞イコールご法話を聞くことでなくて、お念仏を聞くこと、お同行さんたちと共々に場をつくりだすことなのだと改めて感じました。

仏婦の方の手作りのお華束も素晴らしかったです。



娘の成長。

2023年02月12日 | Weblog
2月12日(日)

やっとお雛様を出しました。

3段のものですし、娘が手伝ってくれたのですぐ終わりました。

今までは娘が一緒だとかえって時間がかかりイライラしたものですが、お手伝いができるようになり、成長を感じました。

少しずつできることが増えていく娘とは正反対に、できないことが増えていく様を門徒さん方に見せていただきます。

多くの人は晩年、まるで生まれたての赤ちゃんのように、すべてを看護師さんや介護士さんに任せてゆかなければなりません。

「そんな状態で生きていたくない」と同級生は言うけれど、そんな状態でも精一杯生ききった方々を尊く思います。