浄福寺・お寺のいろいろ日記

福岡県豊前(ぶぜん)市・下河内(しもかわち)浄土真宗本願寺派・上毛組(こうげそ)浄福寺の坊守の日記です。

すべてを忘れても。

2021年12月22日 | Weblog
12月22日(水)

先週、長年お世話になった門徒さんのお葬儀をお勤めさせていただきました。

お元気な頃は仏婦本部役員としてお手伝いいただき、大変お世話になりました。

晩年認知症を患い、最後は子どもさんたちのことも忘れてしまいました。

お葬儀のご挨拶で息子さんが、認知症になってから、好きだった演歌を大きな声で歌うようになったと話されていて、人前に出るのが苦手だったMさんが、とびっくりしたと同時に、恥ずかしさなどの殻が破られ、ありのままに生きることができるようになったのだと思いました。

もちろん、ご家族も本人も辛いことが多かったことでしょう。

けれど、私の持っていた認知症に対するイメージが少し変わった瞬間でした。

「父の兄弟が多く、苦労も多かっただろう母ですが、みんなの帰省にあわせてご馳走を作り、みんなが喜び、楽しんでいる姿を見ることが自分自身の喜びであり、楽しみであった、そんな母でした」

息子さんの言葉がとても心に残りました。

すべてを忘れても、私を忘れることのない如来さまに抱かれて

Mさん、ありがとうございました。




おかえりなさい。

2021年12月11日 | Weblog
12月11日(土)

遠方にお住まいの門徒さんご夫婦二組が、続けてお参りくださいました。

門司にお住まいのKさんのご主人はいつも「ただいま、帰りました」とおっしゃいます。

もうこちらにご実家のおうちもないので、Kさんにとっては浄福寺が故郷なのです。

Kさんに学び、故郷を離れご遠方にお住まいの方がおいでた際には、「おかえりなさい」と声をかけるようにしています。

昨日はAさんご夫婦が一年ぶりに帰って来てくれました。

お二人とも阿弥陀経を上手にお勤めされます。

故郷を離れ、お寂しいことも多かった中をご夫婦で手を取り合ってきた一年だったことでしょう。

お参りの後、「心が楽になりました」とご主人がおっしゃられました。

お二人ともいつもお寺においでてくださっていたので、なかなかお会いできなくなり、私たちも寂しいですが、つながっていることを感じることができた、あたたかい時間でした。

またいつでも帰って来てくださいね。





みんなのお寺。

2021年12月08日 | Weblog
12月8日(水)
成道会、お釈迦さまがお悟りを開いた日

先日、親友のご実家のお寺さまの報恩講に出講させていただきました。



ご家族とは初めてお会いしたのですが、初めて会った気がしない。

明るいお寺の雰囲気は、門徒さんへの声かけにあるのだろうと思いました。

門徒さんとお寺に住まわせてもらっている私たちは親戚以上、と言われます。

どなたでも歓迎されるアットホームな雰囲気

お手本にしたいです。


お取り越しのご縁。

2021年12月01日 | Weblog
12月1日(水)

門徒さん宅での報恩講、お取り越しシーズンに入りました。

昨年からのコロナ禍で、地区でのご法座からお月忌に併せて各家ごとのお勤めと一気に変化してしまいました。

その結果、地区全体でお勤めをしているのは3地区のみとなりました。

T地区は11軒、半日で全軒お参りするので、お正信偈六首引きを11回お勤めします。

最終的に喉はガラガラ、足はふらふらになり、本当に疲れるのですが、今年は御年93歳の門徒さんも始めから終わりまでお参りしてくださいました

私が疲れたなんて言ってられません

T地区は婦人会でのお講が長く続いていたため、お正信偈は独特の節回し

その場にはもういない方々のお導きを思いました。

G6地区は6軒、ご夫婦揃ってお参りくださり、皆さん式章をつけてお参りします。

私がお取り越しのお参りに初めて行った頃は、門徒さんのお父さん方が式章をつけてズラッと座られていたことを思い出しました。

受け継いでくださる尊さを思いました。

多くのお育て、導きの真っ只中にある私です。