OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ファンクなエレキベースに酔いしれて

2019-09-03 19:40:01 | Soul Jazz
Soul Sugar / Jimmy McGriff (Captol)

  A-1 Sugar, Sugar
  A-2 Ain't It Funky Now
  A-3 Signed, Sealed, Delivered, I'm Yours
  A-4 Dig On It
  A-5 Bug Out
  B-1 The Now Thing
  B-2 You're The One
  B-3 Fat Cakes
  B-4 New Volume
  B-5 Spirit In The Dark

ジミー・マグリフは今日まで、様々なレーベルに多くのレコーディングを残してきたオルガン奏者なので、我が国でも殊更ソウルジャズのファンならずとも名前ぐらいは知られている思います。

しかも、そのスタイルは当然ながら第一人者たるジミー・スミスの影響下にあるとはいえ、さらにスマートな黒っぽさを発揮するかと思えば、時には逆にドロ臭いイモっぽさを滲ませたり、演目によってはロックバンドに入っていても不思議じゃ~ない様なプレイさえも披露するんですから、侮れません。

もちろん、それは時代に沿った変化変遷でありましょう。

しかし、同時に忘れてはならないのがジミー・マグリフの信念というか、頑固さと申しましょうか、常にリスナーを楽しませるというプロとしての姿勢は、決して独善的ではないと確信させられてしまうのがサイケおやじのジミー・マグリフに対する尊崇の念!?

平たく言えば、それが4ビートだろうが、ズンドコファンクだろうが、このプロフェッショナルなオルガン奏者の作ったレコードは何時だって気持ちの良いものなんですよ♪♪~♪
 
時には企画の勢いに乗ってのオルガンによるバトルセッションのライブ盤まで出してしまうのは、その実力の証明と思います。

で、本日ご紹介のLPにしても、まさに1970年に発売されたに相応しい内容で、それは収録演目からも一目瞭然、当時の洋楽ヒットに如何にものオリジナル曲を混ぜ込んで、しかもレコード片面に5曲ずつという構成は、ほとんど3分前後のトラックばかりという短さが逆にイイ感じ♪♪~♪

それは全くの個人的な思い入れと言われれば反論の余地なんて皆無なんですが、実はこのアルバムの最大の魅力はジミー・マグリフのオルガンよりも耳を惹きつけられてしまうリズム隊の存在で、特に全篇に蠢いてドライヴしまくるエレキベースの凄さは、それだけ聴いていても最高の快感なんですねぇ~~♪

なにしろ時として、うっ! これって……、ジャコ!?

と思わせられる場面さえもあるんですからっ!

またギターがこれまた素晴らしく、ファンキーなリズムプレイや味わい深いオカズ、さらにはツボを外さないアドリブソロには強引に耳を奪われるはずです。

そしてほとんどがアップ&ミディアムテンポの演奏をガッチリと支えているのがドラムスとパーカッションが提供する熱いファンクビートで、もはやジミー・マグリフのオルガンは、ど~~すんのぉ~~!?

と、不遜なことを書いてしまうほど、このアルバムはハナからケツまでファンク&ファンキーなビートに支配されているんですねぇ~~~♪

ところがなんとっ!

これほどの強烈に熱い演奏を聴かせてくれる件のメンバーが誰なのか、そのクレジットがジャケットには全く記載されておりず、また安定感のあるホーンセクションの構成メンバーも同様の扱いであり、アレンジャーの名前さえ明らかじゃないんですから、プロデューサーのソニー・レスター以下製作者側はあくまでも「ジミー・マグリフ」と「当時のヒット曲」で売りたかったのでしょうか?

裏を返すというか、実はそれが本来の目的なんでしょうが、それだけジミー・マグリフはアメリカでは絶対的な人気があったという証明であり、発売元が大手のキャピトルレコードというあたりも流石の腰の据わり方と思うばかりです。

最後になりましたが、既に述べたとおり、ここに収録の演目は当時のヒット曲で、「Sugar, Sugar」はアーチーズのバブルガムヒット、「Ain't It Funky Now」はジェームス・ブラウンの代名詞的十八番、「Signed, Sealed, Delivered, I'm Yours」は邦題「涙をとどけて」で知られるスティーヴィー・ワンダーの特大ヒットですから、各方面で夥しくカバーバージョンが作られてきたとはいえ、やはりここまでジャズファンクをやられてしまうと、たまりませんよ、実際!!

またスライストーン絡みのリトル・シスターがヒットさせた「You're The One」の潔さ、あるいはアレサ・フランクリンの「Spirit In The Dark」におけるジワジワとしたゴスペル風味の盛り上げも素晴らしく、このあたりは演奏時間の短さゆえのフェードアウトが残念至極……。

そ~した傾向は、アルバム全てのトラックに確かに残る不満であって、ジミー・マグリフのオリジナル演目であろう「Dig On It」「Bug Out」「The Now Thing」「Fat Cakes」においても、まさにオルガンによるアドリブソロのイイところでフェードアウトされしまうという恨みは偽らざるサイケおやじの本音です。

しかし、それでもこのアルバムが大いに魅力なのは、しつこく訴えたくなるほどに強力なリズム隊による全篇ファンクなリズム&ビートの嵐!
 
特にエレキベースが凄すぎますよっ!

思わず腰が浮き、グッと気持ちが熱くなってしまいますよっ!

そしてそれをフィ~ルソ~グッに和ませてくれる「New Volume」の甘ぁ~いスローなラテンファンクが身に染みるというわけです。

いゃ~~、やっぱりソウルジャズって、素晴らしいですねぇ~~~♪
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