OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ビートルズ来日のリアル映像集

2010-02-07 16:08:24 | Beatles

The Beatles In Japan 1966 (innergroove = bootleg 3 disc set)

我国の昭和40(1965)年からのエレキブームをロックへと導いた偉業こそ、翌年のビートルズ初来日公演でした。

その私的な感想や体験については、以前にも書きましたが、本日のご紹介はプートながら、それを確実に追体験し、ビートルズ来日の凄さをあらためて検証するには最適のブツ! なんと2枚のDVDRに収められたニュースフィルムやコンサートのライプ映像は、同じメーカーから出た「The Beatles AT Shea 1965」同様、時系列の編集によって臨場感が満点♪♪~♪ そしてもう1枚、CDには2回の公式記録ライプ音源が収められているという、実に強烈なセットです。

☆DVDR-1:約63分
 01 Opening Montage
(sound;Paperback Writer)
        / Haneda Arrivals (1966年6月29日)
        / Tokyo Highway (sound;Mr. Moonlight)
 02 Outside Hotel Footage (sound;Day Tripper)
 03 Interview at 10th floor
 04 Press Conference at Tokyo Hilton Hotel Pink Pearl Room
 まずは来日公演に至る顛末が、いろんな映像をバックに字幕で解説され、ビートルズの入国が幾分遅れたのは台風の所為だったとか、リアルタイムのテレビ放送でも特に印象的だった「Mr. Moonlight」をBGMにした首都高速の場面、武道館を使った興行に反対する右翼団体、そしてインタビューの映像がたぷりとご覧になれます。
 もちろんそれらは丁寧な字幕入りですが、映像はモノクロ主体で、中には公式記者会見の場面のように、フィルムが完全でない部分もありますし、司会者のトンチンカンな仕切りや分かっていない質問も、今となっては恥ずかしくなるばかりとは言え、それも貴重な記録だと思います。
 中でも今や伝説となっている、MB勲章をもらったことへの関連質問で、ジョンがコースターをひらひらさせたシーンは必見!

☆DVDR-2:約72分
※1966年6月30日
 01 Outside of Budokan Footage
(sound;Nowhere Man)
 いよいよ歴史的な公演の初日!
 もちろん武道館や会場周辺には夥しい警官が動員され、集まったファンの様子も緊張気味に映されているのが印象的です。
 またメーカー側が入れた字幕解説も面白く、中でもホテルから武道館への移動時間がリハーサルでは5分だったものが、本番では7分かかってしまい、警視総監が遺憾を表明とは笑えますが、それだけリアルタイムでは真剣な出来事だったのです。

※武道館ライブ:1966年6月30日、夜の部
 02 Opening
 03 Rock And Roll Music
 04 She's A Woman
 05 If I Needed Someone
 06 Day Tripper
 07 Baby's In Black
 08 I Feel Fine
 09 Yesterday
 10 I Wanna Be Your Man
 11 Nowhere Man
 12 Paperback Writer
 13 I'm Down

 今では良く知られているように、ビートルズの来日公演のテレビ放送は2回録画され、これがその最初の映像ですが、リアルタイムではオクラ入りしています。それはマイクの不備から演奏中にメンバーがそれを直したりする場面があって、マネージメント側から不許可になった所為でした。
 しかしビートルズ本人達のノリは悪くありませんし、カメラワークも基本に忠実というか、良く撮れていると思います。またメンバーの衣装がダーク系の上下というスーツに赤いシャツ! これが実にカッコ良すぎますねぇ~♪
 ちなみにこの29日の映像が初めて公開されたのは昭和54(1979)年、「たった一度の再放送」をウリにした日本テレビの特別番組でしたが、リアルタイムを体験した多くのファンがびっくりしたのは、実際に放送されたライプとは別物だったという喜びでした。つまり現実の放送では、翌日の昼の部が使われていたというわけです。
 しかもカラー映像ですからねぇ~♪
 というのも、実はリアルタイムでもカラー放送だったのですが、当時はカラーテレビそのものが普及しておらず、私も含めて、多くの日本人はモノクロ映像を楽しんでいたはずですから、感動もさらに深いということです。
 肝心の演奏では、いきなり「Rock And Roll Music」と「She's A Woman」のR&R二連発で煽っておいて、ジョージの会心作「If I Needed Someone」へともっていくプログラムが絶妙! ここでバンド全体のグルーヴとビート感が、ガラっと変化するのは快感ですよ♪♪~♪ また「She's A Woman」の最初では、出番の無いジョージが観客に愛想を振りまくあたりが、如何にも当時のショウビジネスの実態かもしれません。お馴染み、ジョンのハナモゲラMCに導かれた「Day Tripper」も流石です。
 そして貴重なのが「Yesterday」のエレクトリックバンドバージョンでしょう。
 さらに当時ピカピカの新曲だった「Paperback Writer」のリアルライプバージョンも、危険きわまりないロックのビートが完全炸裂した名演だと思います。というか、明らかにニューロックって感じですねぇ。サイケデリックなコーラスも良い感じ♪♪~♪
 またヒット曲の定番演奏としては狂熱の「I Feel Fine」、リンゴの歌がノリノリの「I Wanna Be Your Man」、何時聴いても胸キュンな「Nowhere Man」や「Baby's In Black」のソフトロックな味わいも素敵です。
 ただし、これは各方面で指摘されていて、私も同じ思いなんですが、ビートルズ本人達のライプの現場でのテンションが、前年に比べると落ちているのは否めないと思います。それは巡業でもホテルに缶詰め状態、会場内外での狂騒、一般マスコミの無理解やビジネス面のあれこれ……、等々がビートルズが絶頂期の音楽性と必ずしも合致していない現実の現れだったのでしょう。
 ところでこのパートは後にビデオ化され、確かLDも発売されていたわけですが、今回のリマスターはプートでありながら、これまでで最高だと思われます。しかし例のアンソロジープロジェクトで使われた映像には叶いませんので、念のため。

 ※1966年7月1日のドキュメント
 14 John & Paul's Breakout
(sound;If I Needed Someone)
 このパートでは、これも伝説になったジョンとポールのホテル脱出が解説されます。
 それによるとジョンは原宿と材木町の骨董屋で買い物、ポールは皇居へ行ったというスチールが証拠提供でご覧になれますよ。
 また当時の東京の戒厳令的な様子も、ヤバイ雰囲気のフィルムで収められています。

※武道館ライブ:1966年7月1日、昼の部
 15 Opening
 16 Rock And Roll Music
 17 She's A Woman
 18 If I Needed Someone
 19 Day Tripper
 20 Baby's In Black
 21 I Feel Fine
 22 Yesterday
 23 I Wanna Be Your Man
 24 Nowhere Man
 25 Paperback Writer
 26 I'm Down
 これが現実的にテレビ放送されたパートで、約30分のステージはカラー映像ですが、部分的な劣化が勿体無いかぎりですねぇ……。しかしリアルタイムではモノクロでしか体験出来なかったことを思えば、贅沢は今のところ、敵でしょう。
 メンバーの衣装は薄いブルーに赤っぽい縞のジャケット、赤いシャツに黒いスポンという、これも垢ぬけたファッションがニクイばかりです。
 またテレビ放送の時にも思っていましたが、ジョンとジョージのギターが、それまで見ていたものと違っていて、それは実に素敵なエピフォン・カジノ! また「If I Needed Someone」でジョージが弾くリッケンバッカーの12弦も強烈な存在感でした。
 ちなみに演目は6月30日と同じですが、このブツに関する限り、音質は前者の方に迫力が感じられます。
 そして演奏面では、まず「She's A Woman」でのジョンのリズムギターなんですが、6月30日ではシャープなカッティングで全篇を押し通していたものが、こちらでは前年のシェアスタジアム公演と同じく、中盤からのストーンズ風なノリを復活させています。
 また「I Feel Fine」ではレコードと同じく、あのフィードバックからイントロのリフに入るパターンをやってくれるんですから、たまりません。「Day Tripper」でのツインリードも強烈ですよっ!
、それとジョージのギターが、それなりに安定していますし、弾き方の指使いも、わりとはっきりと映っているのが嬉しいところでしょう。
 その意味でポールのMCの安心感、リンゴのドラミングの上手さも、あらためて実感されると思いますから、オーラスでポールが激唱する「I'm Down」は最高の極みつき! 冷静に聴けば、相当にハチャメチャな演奏なんですが、テレビの前でエキサイトさせられた少年時代の気分が完全に再燃します。

※Beatle Costume Repor
 27 ビートルズの衣装分析、テレビ視聴率等々の解説
 28 スタッフのトニー・バロウズが撮った8ミリフィルム映像

 これが貴重な7月2日のステージライプ映像!
 広報担当のトニー・バロウズが記録した8ミリフィルムで、非常に短いながらも感動的です。

 29 ビートルズの離日:1966年7月3日
 公演終了後からのビートルズの動向をスチール写真と字幕で解説しています
 フィリピン暴動やキリスト発言、そんなこんなの経緯からライプをやめてしまうビートルズの行く末が……。

☆CD
※武道館ライブ:1966年6月29日、夜の部
 01 Opening
 02 Rock And Roll Music
 03 She's A Woman
 04 If I Needed Someone
 05 Day Tripper
 06 Baby's In Black
 07 I Feel Fine
 08 Yesterday
 09 I Wanna Be Your Man
 10 Nowhere Man
 11 Paperback Writer
 12 I'm Down
※武道館ライブ:1966年7月1日、昼の部
 13 Opening
 14 Rock And Roll Music
 15 She's A Woman
 16 If I Needed Someone
 17 Day Tripper
 18 Baby's In Black
 19 I Feel Fine
 20 Yesterday
 21 I Wanna Be Your Man
 22 Nowhere Man
 23 Paperback Writer
 24 I'm Down
 こちらは映像から音源だけを抜き出したCDで、当然ながらモノラルミックスですが、マスタリングがきっちりしていますから、聴き易いです。そしてリンゴのドラムスの上手さとか、ポールのペースの躍動感が、個人的には高得点でした。
 映像では、そんなに感じなかったんですがねぇ。

ということで、これまた先日ご紹介の「The Beatles AT Shea 1965」と同じメーカーよる良い仕事♪♪~♪

なんとも熱くて、実にせつない映像集ですよ。

気になる画質は「-A」から「+B」程度なのが悔やまれますが゛、それでもこれまでで最良の素材を丁寧にリマスターしてありますし、音源とのシンクロも絶妙です。おそらく将来、絶対に公式復刻される映像のはずですが、ここまで日本側の記録を集められるか否かは、このブツが参考にされるんじゃないか?

本当に、そう思っているのでした。

コメント (7)
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