山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

任命拒否の冷酷と「こんにちは、ガースーです」の軽薄

2020年12月14日 14時55分19秒 | Weblog
 菅首相、国会答弁では官房長官時代の「指摘は当たらない」式の答弁をくり返したあげく、野党からのコロナ対策の国会延長要求を無視して逃げた(12月5日)。だがコロナは急拡大し医療崩壊の声が現場からあがっている。にもかかわらず、菅首相は感染防止には資金をけちり、GOTOに相変わらず入れあげている。
 国会はいや、記者会見もいやの菅氏は、ネットのニコニコ生放送なら気が許せると思ったのか、11日(金)生出演し、いきなり「みなさんこんにちは、ガースーです」とやった。ボケをかまして取り入ろうとしたのだろう。わたしはニュースでこれを見て、寒気がして、哀れをおぼえた。
 感染者が増え、緊張過密勤務に疲弊し、退職者が出てさらに窮迫している医療現場を思うと「アホか」と叫びたい気になる。アホが一国の最高責任者だと国民はどうなるのか。
 政権発足直後、日本学術会議の会員任命で気に入らない人文社会科学系の6名を任命拒否をした。内閣法制局長を好き勝手にし、黒川検事長定年延長など彼らにとっては人事で権力基盤を拡大することは通例のこと。意に沿わない学術会議にも手を出した。こともなく進むだろうと思ったら学術界から空前の反発だ。
 「総合的俯瞰的に判断」「一部の大学に偏っている、多様性が大事」「既得権、会員が後任を指名することも可能な仕組み」などでたらめを繰り出しながら、「個々人の任命は人事に関することなので差し控える」だと。
 10億円の予算を使う公務員だとも。国営政党自民党は政党交付金を172億円もせしめている。そこから河井あんり選挙買収資金が出ているではないか。森友に国有財産8億円をくれたやったのは誰だ。学術会議予算10億の半分以上が事務人件費だ。会員210名の会議参加手当と旅費は計2・1億円だ。年度末には予算不足で手当てや旅費辞退を求められるのが実情だ。会員の手当ては年に一人33万円だ。一方、政府の各種審議会の茶坊主委員の報酬はけた外れだ。「赤旗」2004年の記事では、月に131万円ももらっている例がある。多くはいくつもの審議会を兼任しているから莫大な収入だ。もとから資本家で金持ちなのにさらにたんまりもらえる。若いころ、中央教育審議会の委員になると年1500万円、お車付きの待遇なので、委員はみんなちょうちん持ちになると聞かされたがそうなるだろう。それに比べれば、学術会議は政府から独立して仕事をするが故に、月じゃなくて年に33万円だ。ちなみに大阪府の教育委員は月に32万円だった、10数年前。委員長は数万円プラスだった。
 既得権とか悪意のデマ攻撃を事情が分かっている政府側が発するのは許せない。
 12日(土)に「毎日」が出した世論調査は衝撃だった。なにしろ、内閣支持率が-17ポイントの40%、不支持が支持を上回り49%になったのだ。コロナ対策を評価するのは-20ポイントの14%、評価しないのは+35ポイントの62%となった。
 支持不支持逆転に腰を抜かしたガースー首相は、「GOTOに感染拡大のエビデンスはない」と豪語していたが、お尻に火がついたらそうも言っておれない。感染を抑え込むためでなく、お尻の火を消すためにGOTO一部見直しに踏み込む決断をしたようだ。
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