山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

投票2日前に橋下から届いた質問返答、逃げの返答

2015年05月25日 08時50分38秒 | Weblog
 わたしは4月25日(土)午前、港区ベイタワーホテルでひらかれた「住民説明会」に参加した。椎間板ヘルニアで腰が痛く、駐輪場からホテルの会場までいくのに難儀した。長い列を作って金属探知機を通った。荷物検査・金属探知機に抗議した。参加者は1000人。
 大都市局が30分説明し、橋下が1時間20分独演。はじめの頃の説明会は質問時間をたっぷりとっていたのに、この日はたった10分。質問させないように延々としゃべった。あたった人は賛成の人、橋下答弁は11分。これで予定時間終了。わたしはずっと手を上げ続けたがダメ。税金使った独演会は質問させないようにし、タウンミーティングという独演会(5月10日)では質問時間は60分。
 質問したい人は用紙に書いて出してくださいというので詳しく書いて帰った。質問は「二重行政のムダ」について。その答えが、投票の2日前に届いた。
 ①府立図書館と市立中央図書館は二重行政のムダだというが、府立図書館は東大阪市にあり、地理的にも二重とは言えないではないか。
→ ≪答え≫「まず、『府立図書館と市立中央図書館については、府立は東大阪にあるので二重行政とは言えないのではないか』につきましては、二重行政とは、広域機能を持つ府と市が、狭い府域のなかでそれぞれがサービス提供を行い、大阪都市圏全体として最適となっていない状態と考えています。……市立中央図書館については当面は現施設を有効活用することとしています。」
→⇒これでは和歌山に近い岸和田・泉佐野に府立図書館があっても、狭い府域の中では最適ではない状態だから二重行政だとなる。この理屈では大阪市は存在意義が消滅するではないか。まさにそのための屁理屈だ。
 ②大阪府立大学と大阪市立大学の間の二重行政のムダについて。府大・市大の運営費の80~90%が国からの交付金で賄われており、府税・市税からはそれぞれ8・5%、25・4%にすぎず、両大学への府市民税の投入は合計しても首都大学東京(旧都立大学)の半分に過ぎない。この事実の確認をまずお願いしたい。そのうえで、府大・市大については、二重行政のムダは存在しないと考えますがいかがでしょうか。
→ ≪答え≫「また、『府大・市大については二重行政の無駄は存在しないのではないか』につきましては、繰り返しになりますが、二重行政とは、広域機能をもつ府と市が、狭い府域の中でそれぞれサービス提供を行い、大阪都市圏全体として最適となっていない状態と考えております。したがって、どちらか一方の施設を廃止するだけということではありません。具体的には、大学はさらなる少子化に伴う学生数の減少により、大学間の競争が激化する中、両大学の強みを活かし、大阪の成長・発展に貢献できる大学をめざす観点から、統合に向けた取り組みが必要と考えております。」
→⇒おい、ごまかすなよ。逃げるな。わたしはまず、府大・市大の運営に投入している税金がびっくりするほど少なく、「都構想」のモデルとなっている首都大学東京の半分で運営しているという事実は本当ですかと尋ねたのだ。これには知らんぷりだ。大阪府市大都市局は税金の支出資料を持たないのか。こんな情けない議論は前代未聞だ。モデルの東京の半分のお金でやっているのならば、「二重行政の無駄」とはいえないはずだ。なのに、無意味な説明をして、「最適となっていない状態」だという。お金の面でも超効率的に運営し、志願者もたくさんつめかけ、大変な人気の大学のどこが、なぜ最適でないのか。具体的にといって、「さらなる少子化に伴う学生数の減少により、大学間の競争が激化する中、……統合に向けた取り組みが必要」だという。府大・市大の志願者が減っているのか?定員割れをしているのか?競争が激化したら沈没する大学だと考えているのか?何が何でも二重行政だといって統廃合が必要だという。とんでもない議論だ。初めから聞く耳持たない、結論ありきだ。
⇒⇒橋下は、「二重行政の無駄」が最大の問題で、これをなくせば、年4000億円浮くといってきた(当初は)。ところが大都市局の資料でもそれは絵空事で、せいぜい1億円程度だと野党に指摘され、大都市局はそうだと認めた。2014年度で1億円程度、2105年はおそらく0に近くなるはずだ。つまり「二重行政」の「無駄」は存在しない。橋下維新も、選挙戦途中から「二重行政の無駄」とはいわずに、「二重行政」としかいわなくなった。
 「二重行政の無駄」がたくさんあるから、これをなくすための行政制度が大阪市廃止・都構想だといってきたのに、その根拠が崩れてしまった。もっともみじめな例が府大・市大の運営費問題だ。ムダどころがモデルにしていいケースだ。
 とにかく大阪市廃止・都構想では、呪文と脅しがくりかえされた。二重行政はじめ大変な問題を解決する改革が必要だ、チャンスは今しかない、反対派は対案を示していないではないか、と。ちょっと待て。府大・市大の事例があるように、事実に基づいてきっちり議論しろ。
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2 コメント

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Unknown (五体満足)
2015-05-25 23:57:48
橋下徹さんだけ、金属探知機はえこひいき。

この前の上本町での、竹山修身市長・田中誠太市長・東京世田谷の保坂展人区長のシンポジューム。
保坂区長は、昔からの著名人。
金属探知機なんか、置いていなかったし、荷物検査もなし。

橋下さんは、そんなに偉い人なのか?


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Unknown (Unknown)
2015-05-31 15:11:50
大阪府は狭いんでどこにあっても大規模な図書館を府と市で持つ必要は無い。また、大阪市民は税の二重負担となる。大学の件は国からの交付金は基準財政需要額通りには下りてこない。府市大それぞれに年間100億ずつ税金入れてるのが現実。そして両大共今後の少子化を見越して統合したがってるのが現状。効果額の例の1億は大阪市東京出張所等、小さいものを廃止した場合の額。大都市局試算額は諸々民営化の改革も含めた額。何にせよ大阪市はあと数年で危機的状況となりこのままでは財政が持たない。この認識が無い人達は都構想反対したということ。
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