山上俊夫・日本と世界あちこち

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百田NHK経営委員またも妄言、「NHKの籾井、百田、長谷川の罷免を求める集会」へ

2014年06月20日 08時45分59秒 | Weblog
 NHKの経営委員の百田尚樹氏が18日、静岡市で行った講演で「自虐思想があるので、南京大虐殺や従軍慰安婦問題にノーといえない。正しい知識を身に付けたら、ねつ造というのはすぐわかる」と発言した。
 南京大虐殺も従軍慰安婦も日本の侵略戦争のシンボル的犯罪行為だ。このシンボルをうそだ、ねつ造だと決めつければ、あと無数の侵略行為もすべてなきものにできるというもくろみだ。侵略戦争肯定・歴史修正主義者の浅はかで知性のかけらもない妄言だ。
 そもそも南京大虐殺は東京裁判で認定された事実で、それをサンフランシスコ講和条約でうけいれて国際社会に復帰した日本が、これをねつ造だといえば、戦後国際秩序を根底からひっくりかえす、戦時中の戦略戦争の時代に逆戻りすることを国際的に宣言することになる。
 大虐殺は1937~8年の当時から、ジョン・ラーベをはじめとする南京駐在の国際人士によってその事実が記録された。当の日本人兵士の日記、中島今朝吾中将の日記などにも記録されている。虐殺から生き延びた中国人の証言も多い。中国の紅十字会などによる犠牲者の埋葬記録もある。陸軍輜重兵の村瀬守保さんが撮影した写真にも南京の惨状が記録されている。私自身、教材にするため生前の村瀬さんから南京の写真を焼き増ししてもらった。
 従軍慰安婦については広く国民に知られるようになったのは後のことだ。1973~4年の千田夏光『従軍慰安婦』正・続によって概要を知った。この本は宣伝もしないのに、旧軍関係者の間で数十万も売れた。その後専門の研究者によって正確な事実探求がすすめられた。百田氏のような人が、従軍慰安婦を示す公文書がない、などといって事実を消し去ろうとするが、各地の日本軍戦犯裁判での公文書、日本政府の河野談話という公文書がある。否定派は河野談話をもなきものにしようとするが、河野談話からすでに20年たち、事実究明は大きく進歩している。日本の裁判所による事実認定がすすみ、これも公文書として確定している。
 百田氏のようにあったことをなかったといい、犯罪行為をあとでねつ造だといって責任逃れをするのは、見苦しく、人としてもっとも恥ずかしい行為だ。否定論者のなかでも百田氏は(論者ともいえないが)、中身もなくから威張りするだけで、NHK経営委員という公職と両立しないと指摘されても、我慢ができずに同じことをくりかえす。経営委員をやめるしかない。

 ところで、明日(2014・6・21)「やめなさい!NHKの籾井会長、百田・長谷川経営委員の罷免を求めます」という集会が、13時半から、中之島公会堂でひらかれる。参加費1000円。主催は「どうする!公共放送の危機」6・21関西集会実行委員会。
 安倍首相によってNHKがのっとられようとしている。公共放送の危機だ。安倍氏は秘密法をつくり、集団的自衛権行使閣議決定で9条を破壊し、教育委員会制度をこわして教育を首長の意のままにし、ちゃくちゃくと戦時体制づくりをすすめている。許してはならない。
 6・21中之島公会堂へいこう!
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