山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

鈴木・根岸両氏のノーベル賞にかかわって国立大学の疲弊を憂う

2010年10月10日 07時15分32秒 | Weblog
 鈴木・根岸両氏のノーベル賞はおめでたいことだが、受賞対象の研究は1070年代の業績だ。益川・小林両氏も70年代のものだった。思うに、いま国立大学は毎年大学の運営経費を削減され、法人化以後、6年間で計750億円も減っている。研究施設設備の更新どころか、教員を減らすところまですすんでいる。外部資金を導入できる目先の応用研究にしか力がはいらず、ノーベル賞級の基礎研究はすたれてしまう構造に切り替えられた。このままでは、20年、30年後に花開く研究はつづかない。各大学、とくに地方国立大学の疲弊はひどいらしい。過日の赤旗新聞に載っていた記事では、福井大学では学長先頭にJR福井駅で経費削減に反対する宣伝行動をおこなった。
 麻生内閣の時、景気対策の第2次補正予算で先端研究に与えるということで2700億円を特定の大学の研究計画にばらまいた。そのときも思った。これを削った運営経費の穴埋めにまわせ!と。でも特定のところに大盤振る舞いはしても、国立大学全体を締め上げる、とくに地方大学はつぶれてもいいという姿勢は変わらない。このままでは学費の大幅値上げを各大学がやらざるをえないところに追い込まれる。
 大阪でも、橋下知事が大阪府立大学はいらん!とばかりに脅しをかけた。府立大の学長らトップは屈服して、文科系学部は廃止、理系のみの大学に縮小するという方針を決めた。知事も知事なら、学長も学長だ。福井大学学長の爪の垢でも飲ませたい。
 市場原理主義者からすれば、基礎研究や文系学部とくに文学部などは何の金儲けにもつながらない無駄とうつるのだろう。これでは30年後日本は滅びる。
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