ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

地底の住人 9

2006-10-11 06:43:18 | 地底の住人
9.
二つ目は風の試練です。
二つの絶壁がそびえています。その間に一本の心細い橋が架かっていました。谷はすさまじい風が吹き荒れています。下を見ると真っ暗闇で谷底も見えません。落ちたら命はないでしょう。吹き上げてくる風に小さな木の橋は、今にもちぎれ飛んでしまいそうです。ジーン・ウールは叫びます。
「宇宙の息吹から生まれ、世界を支配する風の精シルフェーよ、お前の真実の名において命じます。静まれ」
シルフェーが現れました。そして、谷底を吹き荒れた風は静かに静かになりました。そしてジーン・ウールは見事にわたりきることが出来ました。

三つ目は火の試練です。
ごうごうと燃えさかる火の壁をつきくぐることは、とても勇気がいりました。熱気が行く手を遮ります。
ジーン・ウールは、両手をあげて叫びました。
「始源よりあり、終わりまである火の王サラマンデルよ。お前の真実の名に命じます。私を通せ。」
すると、火の壁の中に通路が出来ました。サラマンデルが現れて厳かに言います。「通れ。」
こうして、ジーン・ウールは見事三つの試練に合格することが出来ました。

 ジーン・ウールは、地下深く降りた広い洞穴の中にいました。あたりは柔らかい金色の光が満ちています。そこには町がありました。そして、町の真ん中に光る石の塔が建っていました。塔のてっぺんには丸い水晶の屋根がのっていました。青色人がその塔にキラキラ光る石を持って入っていきました。彼らは塔の中心の穴に、その石を投げ入れていました。石は、地球中心部の太陽系第10番目の惑星に住んでいた、死のない人々に死を与えるために使われていました。でも、まだ死のない人々に死を与えることは出来ません。「彼らに死が来れば、輪廻転生の周期に入らすことが出来るのだが、まだ実験段階だ」とサトは言います。ずっと遠い未来に可能になる日が来るのでしょうか。

サトはいつか帽子を取っていました。よく見ると、サトの目があるべきところには何もありません。ただすべすべの皮膚があるだけです。でも、優しくて暖かいものがジーン・ウールに伝わってきました。
ジーン・ウールは、地底の青色人から光る石をひとつもらいました。石は四角い自然石で透明なダイヤモンドのように輝いています。この石と8月の隕石で出来た剣が必要なのです。ジーン・ウールは剣を手に入れることが出来るのでしょうか。

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