6月12日(木)
ポン太が亡くなって、泣いてばかりもいられませんでした。
悲しくても、亡骸になったポン太の火葬・お葬式をあげなくてはなりません。
ただ、私一人では重いポン太を抱き上げることもできません。
姑は火葬・葬式にでたくないかもしれません。
そうなれば私一人で何もかもやらなければなりません。
とてもできないと思いました。
他人の手をかりなければなりません。
でも、動物の死体の処理に付き合ってもらえるような、頼めるような親しい人を思いあたりませんでした。
頭に浮かんだのは、東京にいる長女でした。
ポン太も会いたがっていただろうし、長女も死に目に会いたかっただろうし、私も一人で火葬・葬式執り行うのは辛かったので、来てもらうと有り難いと頼みました。
長女の来れるのは、土曜日の14日(土)午後との事。
それまで、ポン太の亡骸を自宅に置いておかなければなりません。
火葬・葬式にかかる費用の事もどのくらいなのか、亡骸をどのようにして運んだらよいのかもわかりません。
かかりつけの動物病院に亡くなった事を知らせ、亡骸を2日間置いておけるもなのかどうか、費用はどのくらいかかるかなど、電話で問い合わせました。
お悔やみを言っていただき、ペット霊園のパンフレットがあり、それを持って行くと少しだけれども割引になると教えて戴き、取りに伺いました。
亡骸はせいぜい置いておけるのは1日・2日。
普通に亡くなっても、6月の熱くなり始めた時期では、体内の細菌が繁殖し腐敗も進むと教えてもらいました。
ペット霊園に電話をし、火葬・葬儀の予約(14日午後2時半)を入れ、亡骸の保存方法を教えてもらいました。
保冷剤をタオルにくるんで、お腹の回り・首の周りにぐるっと巻いて、冷やしておくこと。直接肌に触れるようにすると、そこから腐敗が始まり、腐った匂いがしてくるとの事でした。
保冷剤をその日のうちにあちこちのスーパーやホームセンターに探しに行きました。うちのポン太はラブラドール。下痢で痩せたとはいえ、体格は大きいので、保冷剤も大量に使わないと、間に合わないだろうと、保冷材の大を10個、中を6個買いました。
12日は、職場に休暇をお願いしました。
保冷剤を体に巻いて半日、夕方頃にはもう柔らかくなりはじめ、凍らせておいた別のものと交換。また、数時間おきに取り替えました。
その間、ポン太の体はどんどん体温が下がっていき、硬直していきました。
ちょっと出していた舌を、首の周りに保冷剤をまきつける時に、頭を動かした時、牙で噛ませてしまったようで、少し血がにじみだしました。まだ、腐敗臭はありません。
ポン太の耳は、何とも言えず、柔かいソフトなベルベットの手触りです。亡くなっても同じです。背中の部分の毛は、太くて少し固め。お腹の毛は白くてくるっとウェーブしています。尻尾は固くてゴワゴワした毛。頭の毛は柔かくスルッとした感じです。
一日中、ポン太の保冷剤を替えながら、体をなでていました。
涙も鼻水もドォーと流れて、ティッシュが手放せませんでした。
鼻の下が、ヒリヒリしました。
それでも、朝ご飯・昼ごはん・夕飯も作らないと、おばあちゃんがお腹を空かせてしまいます。簡単にあるもので食べました。
二人でボロボロ泣きながら、ご飯を食べました。
次の日のこと、火葬・葬儀のことも話しあいました。
金曜日・13日は仕事に行く事にしました。14日土曜日も午前中はどうしても仕事に行かなければなりませんでした。
仕事に行っている間に、ポン太の体に巻きつけてある保冷材の交換を、87歳の姑に頼むには不安だったので、仕事に行くギリギリに保冷材を全部交換をしていくことにしました。
13日朝、起きて来てポン太を見ると、お腹が膨らんでいました。
触って見ると、確かに膨らんでいて体温も上がっていました。
あんなに冷たくなっていたポン太の体が、生きていた時より膨らんで、温かくなっていました。腐敗が始まりました。細菌が腐敗を進め、熱を発生させているのだとわかりました。
長女が帰って来るまで、これ以上腐敗が進まないようにしなければと思いました。
また、保冷剤を買いにスーパー周りをして買いました。
ポン太の亡骸をなでながら、保冷剤を取り替えました。
葬儀に使う、花を買い、供えるお菓子を準備しました。
そして一番大事な遺影の写真。
パソコンに取り込んでいたたくさんの写真の中から、桜の咲いている土手で、にっこり笑っているように見える写真を選びました。
動物病院から立派なでかわいいお花をいただきました。
13日夜、長女から電話がありました。
ポン太が腐敗して、異臭を放っていたり、姿かたちが異様に変わっていたら、ショックを受けて自分が変にならないか心配していました。ポン太はお腹が膨らんできているものの、見た目はそれほど変わっていないと伝えました。
ポン太の保冷剤を取り替えること
火葬に持って行くもの
(ポン太が好きだった煎餅やバームクーヘン・リンゴ)
花
遺影写真
を袋に入れておくことを頼みました。
14日、仕事を1時半に終えて、自宅に帰り、娘と急いで準備しました。
夫の妹もお花を持ってポン太のお別れにきてくれたとの事でした。
ポン太を車に乗せペット霊園に向いました。
(13日から関東方面は大荒れで雨が酷いようでしたし、こちらも12日の夜中に土砂降りでしたし、13日も雨でした。13日午前中にペット霊園の場所を確かめに行ったのですが、かなり山の中の入った所にあり、雨のため増水した川が流れている低地を通る時は、洪水にならないか、崖の下を通る時は地盤が緩んで崩れて来ないか心配になりました。)
私・姑・長女と三人で葬儀をしました。
ペット霊園ではポン太を丁寧にきれいにしていただきました。
まるで人間のお葬式のように、VTRではありましたが、お坊さんのお経をあげていただきました。火葬の後は、遺骨も骨壺に入れました。その後、またお別れの挨拶がありました。ポン太がこんな風に思っていただろうと、人間が代弁したような挨拶に、ペット霊園の人が作ったものだとはいえ、涙しました。
これが葬儀の祭壇です。
遺骨は8月に自宅の庭に埋めようかと思い、自宅に持って帰って来ました。
葬儀費用は、遺骨を共同墓地に入れるともう15000円位多くかかるのですが、自宅に持ち帰ったので、パンフレットの割引が1500円あり、差し引き48500円かかりました。
今私のパソコンの前には、次女が来ていた時に、動物病院に連れて行く時、車の中で録ったカメラ目線のちょっと悲しいげなかわいい顔のポン太の写真を飾っています。
そして、長女が置いて行ってくれた写真の中から、おばあちゃんは下の写真がかわいいと飾っています。いまだにその写真を私の所に持ってきて、かわいいねと言って泣いています。
亡くなって18日経ちました。
まだ、傍にいる様な気がします。
今も頭を私のお尻のあたりにくっつけて寝ているような気がします。