前頭側頭型認知症 夫が前頭側頭型認知症に

夫が63歳で前頭側頭型認知症と診断されました。
若年性認知症なのだそうです。そんな夫の事など綴っていきます。 

108.前頭側頭型認知症を理解するために読んだ本

2013-09-16 15:55:41 | 前頭側頭型認知症

昨日9月15日(日)夫を外出させました。

10時~16時半 の 夫の行動を見て、今朝ららさん、Yさん、シリウスさん、ナンクルさん、cocoさん、のブログを読ませていただいて、私に比べて、本当に穏やかに冷静にご主人たちに対応されているなあと、思いました。

こんなことを書くと皆さん「そんな事ないよ、怒ることもあるよ」とか、言って下さるだろうと思いますが、私は自分が異常なほど怒りが興奮状態になり、自分をおさえきれなくなる事があります。夫に罵声を浴びせたことが、認知症と判らない時のことを含めると5回くらいあります。

罵声を浴びせる自分に幻滅し落ち込みます。何とかしないといけないと思っていました。

まず、前頭側頭型認知症を再確認して、夫の症状と比較して見ることにします。(間違いがあるかもしれませんが、私なりのやり方でやってみます)


最初に、私の夫が、前頭側頭型認知症と診断《012年10月8日(日)》させる前、夫のあまりの異常な行動に、夫はもしかしたら、発達障害かもしれないと思っていました。
その頃、TVでも、大人の発達障害と言う番組のドキュメンタリーがありました。

こだわりが強いと言う点で、似ており、前頭側頭型認知症とは知らず、発達障害だと思い、下記の本を買って読みました。

北海道大学大学院教授 田中康雄著 
『もしかして私、大人の発達障害かもしれない!?」
      すばる舎    定価:本体1400円(+税)

その中から、少し抜粋して載せます。

大人になって、
  コミュニケーションに問題を生じるようになる
  忘れることが多くて悩み眠れなくなり、うつを疑う 等

「発達障害」とは
生来的な特性、生まれ持った発達上の個性、特性があることで、日常生活に困難を来じてしまった事態と、ぼくは理解している。

特性=障害とは言い難い。その特性があることで、日々の生活に生きずらさが生じて「障害」となる。

その人に潜在的にあった特性が、「社会に適応できない困った言動」として初めて大きく浮かび上がり、発達障害の存在に気づく

マイナスの評価が積み重なることによって、精神面あるいは行動面での症状が二次的に生じてくる  ⇒ うつ パニック

発達障害の人の割合   おおよそ人口の約10%くらいといわれている


生きずらさは、努力の有無の問題ではなく、
脳機能の発達のアンバランス から生じるもの

主な大人の発達障害
  ・PDD(自閉症・アスぺルガー症候群など)
  ・AD/HD(注意欠陥・多動性障害)



第3章 毎日の「困った!」はこうして解決
  
    case 1  遅刻してしまう
    case 2  電話応対がうまくいかない
    case 3   仕事の段取りが苦手

    case 4  急な変更でパニック
    case 5  仕事に集中できない
    case 6  片付けられない
    case 7  物を忘れる、なくす
    case 8  会話で相手が不機嫌に
    case 9  融通がきかないと言われる
    case12  お金の管理が苦手


第4章 「あの人ってそうかな」と思ったら
   1.周りの人ができることはどんなこと?
   2.今までの理解のズレを修正しよう
      抜粋 ・「障害」を理解するのではなく、
           「その人」を理解する
          ・「障害だから特別」にならない対応を      
   3.決して「してあげる」だけの関係じゃない
          ・相手から「もらうこと」もいっぱい
   4.その人を知ることがサポートの第一歩
          ・一見不思議。でもそれなりの理由あり
          ・だんだん付き合うツボがわかってくる
   5.活躍してもらいたいのはどんな場面?
          ・その人のプラス面を知っていますか?
          ・「できないこと」を見てもいいことナシ
            その人を責めたり、その人のプライドを
           傷つけるような言い方をするのは、なんの
           メリットも生みません
          ・「適材適所」で輝く場所がきっとある
   6.こんな伝え方がわかりやすい!
      ・「何を」、「どこに」、「どんなふうに」を具体的に
      ・「優先順位」「段取り」見通しを明確に
      ・「箇条書き」で一つひとつ、シンプルに
      ・「冗談」「比喩」を多用しない
      ・「メモ」「表」。話すより見せる方が有効なことも
   7.成功体験がその人の大きな支えに
      ・できることからスモールステップで
      ・褒める時はすぐ。注意はシンプルに
          褒められたことが心の支えになる事も
   8.サポートは細く長く、できることから
      ・「すぐにどうにかしなくちゃ」と焦らない
         「できる」という結果ばかりにこだわると、
          かえってしんどい
      ・関わりは「量」ではなく「質」を大切に
      ・ときにはお休み。肩の力を抜いて


この本を読んだ時は、夫の様々な異常と言えるほどの強いこだわりや拒否行動に、どう対応したら良いのか判らず、離婚も考えて、それでも夫をわかりたいと、大人の発達障害かも、と思っていました。

小さいころから、周囲の人がその人をある種変だと感じていても、家族、特に母親が個性だと接して、異常行動だと認識されてこなかった行動が、その人が大人になり、社会に出て、様々な人々や場面で、困り感を感じるようになる原因の中に、発達障害があるという事なのです。


今読み返してみて、発達障害を、前頭側頭型認知症と読み替えても、通じるように思います。
認知症全般に言える、関わり方のように思います。


その頃、自閉症についても読んでいます。

東田直樹 著   (株)エスコアール出版部  
定価(本体1600円+税)
『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』
(会話のできない中学生がつづる内なる心)


自閉症の人は、会話が成り立たない事が多い。
ですから、自閉症の本人が、その自分の心の中を、質問されることにも答えると言う形で、書かれているのですが、とても不思議な、そして衝撃的な本です。
もし、興味を持たれたら、読んでみてください。

これを読むと、今更ですが、何を考えているかわからなくなった認知症の人も、本当は頭の中、脳が委縮しても、ドロドロにジェル状に融けた状態になっても、心とか意思とか感情とかが存在していると思いたくなります。

夫の妹が肺がんで亡くなった時、頑張ったね、ご苦労様、ゆっくり休んで、後はちゃんとやるよ、私たちも応援していくよと言う気持ちでした。
妹の意識がはっきりしている時、自分の苦しむ姿も自分、そして、最後まで頑張る姿も自分と考えていたことが判りました。最期の時が近づき、何も話せなくなっても、その強い意思が感じ取られる姿でした。
人って、みんな、そうなんじゃないかとおもうようになりました。

ただ、私は、相変わらず、イラッとして、怒り、夫をそのまま受け入れられませんが。
(笑 情けないですが、頑張らないと)



河野和彦 著     女子栄養大学出版部
定価本体1800円(税別)
『認知症治療 28の満足 後悔しないためのベストの選択』


これは、アマゾンから中古で購入しました。
買った時は、コウノメソッドの河野先生の著書だとは知らずにいました。
とても良い本だと思います。

認知症にどのような認知症があり、どのような症状が出るのか、どうしてそうなったのか、どう対応すべきか、薬は、検査方法、施設は?、支援は?、運転免許は?
など、はじめて家族介護をしようとする私なども、そうかとうなずける良い本です。


織田辰郎 著   弘文堂
定価(本体6500円+税)
前頭側頭葉変性症FTLD診断と治療

(前頭側頭型認知症・意味性認知症・進行性非流暢性失語)

アマゾンから中古で買いました。とても難しい医学専門書です。
専門用語で理解できない語彙もあります。ピック病から、前頭側頭葉変性症と分類が変遷したことや、脳のMRI画像・SPECT画像、亡くなった方の実際の脳の写真などもあります。
・疫学  発症年齢  初老期 45歳~65歳未満の発症が多い  
              FTLDの20~40%は65歳以上
      性差     有無は否定的あるいは明瞭でない
      家族歴    欧米に比べて家族性の割合はかなり低い
               と 思われる
      調査     アルツハイマー病、レビー小体型についで
              3番目に多い認知症
              65歳未満で発症する認知症に限れば、
              アルツハイマー病に次ぐ有病率である
      予後     ばらつきが大きいが平均生存期間6~8年
              病理学的に、タウ陽性症例で平均9年
                       タウ陰性症例で平均5年
・臨床  FTD 失語症症候群(意味性認知症、進行性非流暢性失語) 症例4
・FTLDを構成する疾患・鑑別疾患と神経病理学 症例16
症例13  この症例を読むと、現代では生存も長くなっているのではないかと思った。
抗精神病薬の薬物療法を止めて、閉鎖病棟でパターン化された日常を送るようになり、グループホームに移ったが、ここでも穏やかにすごし、現在(平成20年)に至る。

夫もパターン化した日常がおくれて、施設でも穏やかに暮らせたらと思う。
症例が多く載せられているので、自分の夫との比較ができた。


以前からあった認知症で、認知症にも様々な認知症があり、それぞれに大変だと知るだけでも、私にとっては有意義だった。


杉山孝博 監修(認知症の人と家族の会副代表理事)
『認知症の人のつらい気持ちがわかる本』

あまり、介護の事がわからないまま読んでいます。私の性格がカッとしやすいのか、夫のこだわりや拒否や暴言にすぐ反応しています。わたしこそ穏やかに対応しないといけないのに、感情を逆なでする言葉に反感を感じないで対応する方法を知りたいです。やっぱり、夫の病気を理解する事かなと今は思います。



あまり読んでいませんが、このほかに、インターネットが私の助けとなりました。
franzeさんを最初に見つけました。それからYさん、ららさん、シリウスさん。

認知症家族会にも入りました。


まだまだ夫の事はわからない事が多いですが、自宅介護を今の時期は諦めました。夫の外出と外泊で対応していくことに決めました。


穏やかな施設でのパターン化された日常のために、外出や外泊が妨げにならないか心配な所ですが・・・。


まだまだ理解が足りないわたしです。皆さんこれからも色々教えて下さい。