糖尿病は本当は怖い病気です。
夫が糖尿病を発症したのが1991年(平成3年)なので、病歴はもう22年になります。
1991年当初、血糖値が130前後で糖尿病の境界線域だと、夫から言われていたのに、それが嘘で、その時すでに糖尿病と診断されていたと後々白状しました。
その頃は、夕食後1時間以内に一緒に散歩に出かけていました。少し息が上がるくらいの速足が本当はいいのですが、夫は私の意見は聞き入れられなくて、腰をくねくねさせて歩くゆっくりペースで40分歩いていました。私は夫のペースだと後で疲れがでるので、速足で夫より長い距離を40分歩いていました。
そんな努力も叶わず、教育入院をすることになったのが、同じ年の12月です。
私も、食事のカロリーについて夫と一緒に指導をうけました。それから、毎月一度、夫に付き添って、食事の献立表を持参して指導をうけ続けました。
夫の嫌いな物は牛乳と果物で、献立に入れても食べてくれないので、作りませんでした。(2011年からは牛乳は飲むようになってくれています。果物は血糖値が上がると言う先入観があって、なかなか食べてくれません。)
その中、お酒はほどほどにと、指導を受けていましたが、最初は日本酒2合を1ヶ月のうち20日晩酌で飲んでいました。
それでも足りなくて、夏場などはビールを350ml缶を一本追加していました。
糖尿病が気になりだすと、日本酒を焼酎に切り替えました。血糖値が上がりにくくなりウーロン茶割にすると更に血糖値が上がりにくくなると、どこかから情報を仕込んできた夫は、調子に乗って3杯飲むような生活をしていました。それが2杯には減っていましたが、20年近くも飲み続けてきました。
アルコールを飲まなくなって、ようやく2年経ちました。でも、飲んでた時の方が、血糖値コントロール、上手くいっていたような気がするのは、私の記憶違いかな?
(今現在入院しているS病院で、主治医と話した時にアルコールの摂取は糖尿病はしてはいけないと言われました。)
教育入院で、インスリン注射を1日3回打って、運動指導・食事指導を受けて、薬を飲んで、・・・。インスリンは1日に2回朝晩の時もあったのに、結局3回になり、いつの間にかⅠ型糖尿病になってしまい、夫と共に糖尿病と闘ってきたつもりなのですが・・・。
夫は、仕事のストレスのために糖尿になったようです。もちろん食事量が多くなったことが引き金にはなっているのでしょうが、単身赴任になったこと、苦手なコンピューターの仕事、1秒を気にして取り組まなければならない仕事のストレス、夜勤で働く24時間勤務だった事、とても健康を保つにはきつい状況だったと、今になって夫の大変さを思います。その当時は、私も大変だったけど、若い分、二人とも体力的にも精神的にもなんとかやってこれたと思います。
神経質な夫は、当時から血糖値にこだわりがあり、130に近くなるようにコントロールしていました。とても神経質なため、仕事のストレス、単身赴任、仕事上のトラブル、同僚の自殺や過労死、精神的なダメージがうつ状態(2006年,平成18年)に繋がりました。
糖尿病からうつを発症するのは珍しい事ではないのです。本にもそのことはでていました。うつと間違えられる病気の中に、今夫がなってしまった前頭側頭型認知症も入っています。うつについては、また、改めて書きたいと思います。
夫の血糖値コントロールは、最初はよかったのですが、その後あまりう上手くいかなくなりました。
もちろん私の食事のカロリーの影響もあります。それに運動量やおやつや果物の摂り方、ストレス、不眠も関係してきます。
食事や運動・おやつについても、改めて別に書きたいと思います。
血糖値は正常値は130位です。
夫は最低30台~最高200台、さらに高いと300、400
そして昨年2012年から500台と言う数値が出るようになりました。
血糖値は血糖測定器を使います。測定器には測定不能と言う表示もあって、血液不足で測れないという意味もありますが、600以上になると測定不能になるケースもあります。夫も昨年大学病院に入院する前、何度ありました。
なぜこんなに高血糖と低血糖を行ったり来たりするようになったのか?
結局Ⅱ型糖尿病からⅠ型に変異してしまい、膵臓からインスリンが出ていないことが解ったのが昨年5月でした。ストレスと不眠とうつが関係しているように思います。
高血糖でも、昏睡状態になるらしいのですが、それは今のところ夫には表れていません。低血糖昏睡より恐ろしいらしいです。
ここでは、夫の経験した低血糖を書きたいと思います。低血糖をほっといたら、意識が無くなって死にます。それが低血糖昏睡です。
まだ、Ⅱ型糖尿病だった時の低血糖の自覚症状は、
・なんだかおかしい
・手がふるえる
・手や体に冷や汗をかく。時には下着がグッチョリになるほど。
・なんだかふらつく
・心臓が手で掴まれるような感じで、苦しくなる
などでした。
ところが、それが Ⅰ型糖尿病だと、無自覚性低血糖 といって、症状が感じられない、自覚できない状態になるのです。じゃあ、どうして低血糖だとわかるなるのか?
それは、もう測定器で測定するしかないのです。
なので、恐ろしい事が色々出てくるのです。わたしも、もちろん夫も、そして、S病院の看護師さんたちも、夫が低血糖になるのを一番気にしています。
低血糖昏睡で、突然意識を失い、ど~んと倒れて打ち所が悪ければそのまま身体マヒや死に至ることもあります。
寝ている時がもっと恐ろしいです。看護師さんたちも責任問題になりますので、夕食前の血糖値が100以下で90位だと、夜中に血糖値の測定をしていてくれます。寝たまま低血糖昏睡で、朝起きて来ないと思ったら死んでいたなんてことも無いでなないでしょうから・・・。
自宅で夫を見ていた時も、そういう悪い想像をして、夜中にそっと夫の様子を見に起きていました。朝、夫が起きているとホッとしていました。
だから、夫も、仏壇に向かって、「生きている」と、報告しているのかもしれません。
いつ死ぬかわからない心配(恐怖)が常に夫の頭の中にあるのでしょう。
そしてそれは、この前頭側頭型認知症になる前からそうだったに違いありません。
そうした苦しみに耐えてきたのだと、今は夫がかわいそうだと思えます。
痛くもかゆくもない糖尿病。たいしたことないと思う病気。
簡単に死なないだろうと思う病気。だからこそ、怖いのです。
ほんとうは、体をボロボロにしてしまう、恐ろしい病気だということです。
それは今すぐどうこうなることじゃないけど、数年後10年後にドミノを倒すように次から次と色々出てくることになります。そして、血糖値コントロールが上手くいかないまま20年経ったら必ず合併症が出ると思っていた方がいいです。
こんなこと経験したくなかった、夫も私もそう思います。
低血糖で救急車を呼んだこともありますが、それは次回に書きたいと思います。