━━━━━━━━━━━━━━ 幸福実現党 江夏正敏の闘魂メルマガ vol.116 2018年7月3日発行 ━━━━━━━━━━━━━━ 江夏正敏 幸福実現党 政務調査会長のオフィシャルブログ http://enatsu-masatoshi.com/ ※このメルマガは購読申込をされた方、江夏正敏とご縁のあった方にお送りしております。 メルマガが不要な方は最下部のURLをクリックして解除して下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━ 1、江夏正敏の「闘魂一喝!」 「水道料金が高いと思いませんか?」 ━━━━━━━━━━━━━━ 地球の水資源には偏りがあります。その上、20世紀以降の人口急増、一人当たりの水使用量の増加によって、世界の様々な地域で水不足に陥っています。 水資源は世界規模の問題と言えるでしょう。日本は「水は豊富」というイメージがありますが、その水はインフラがあってこそ有効に活用されます。 その日本は、明治23年(1890年)の水道条例により、地方公共団体(市町村)によって水道事業が経営され、普及・発展してきました。 今では、上水道においては普及率が98%近くとなっています。一方で、日本は人口減少期に入っており、水道事業も「作る時代」から「維持管理の時代」へと移行しています。 今回のメルマガでは、日本の水道事業の問題点と、将来について考えていきたいと思います。 ●上下水道料金が高くなった話。 「一昔前と比べると、水道料金が高くなったなぁ」と感じている方も多いのではないでしょうか。 実際に1985年と比べると、電気代・ガス代・JR運賃・航空運賃は微増、微減なのですが、水道代は1.5倍、下水道代は1.8倍となっています。確かに高くなっているのです。 このままいけば、約30年後には、水道料金が現在の約1.6倍に値上げせざるを得ないという報告もあります。 また、水道料金には地域格差があります。例えば、上水道で最も高いのは群馬県長野原町3,510円、最安は兵庫県赤穂市367円(家庭用10立方メートル当たり)。 下水道では、最高が福岡県築上町5,400円、最安が埼玉県戸田市777円(家庭用20立方メートル当たり)。 上下水道は、地理的環境、需要量、設備の規模によって差が出るのは当然なのですが、上水道で約10倍、下水道で約7倍の差というのは、なんとかならないものかと考えてしまいます。 ●水需要の減少による料金高。 なぜ、上下水道料金が高くなっているのでしょうか。それは、水需要が減少しているからです。 なぜ、水需要が減少したかというと、人口減少、節水器具の普及、工場などの大口利用者の使用減などが理由です。 2000年の144億立方メートルをピークに減少し続けており、50年後には更に4割減少すると予測されています。 需要減少にあわせて給水量を減少させても、水道設備の減価償却費を含む給水原価はほとんど減少しません。 ですから、採算をとるためには料金を高くせざるを得ないのです。 簡単に言うと、水が余っても、水道は巨大な装置産業なので、その装置を一旦造ってしまえば、使った費用を変えることはできません。 その掛かった費用を、利用者に転嫁しないと赤字になるので、水道料金が高くなってしまうのです。 ●水道の料金制度。 水道の料金は独立採算の下、総括原価主義です。水をつくるために掛かった費用を、そのまま料金に転嫁する制度です。 そして、水道料金は、多く使えば使うほど、高くなる料金制度になっています(逓増料金制度)。 これは、昔、水が足りない状況だったので、水の使用を抑制する必要があったからです。 しかし、現在は水が余っている状況ですから、このような料金制度が適正かどうかを検討すべきでしょう。 普通のサービスは、利用量が増えると割安になりますよね。それが水道ではないのです。 その結果、大口利用者、つまり工場などの企業が水道水を使わず、地下水を使うようになりました。 とうことで、水道の料金収入は、2000年の約3兆円から、2014年には2兆6,520億円まで低下しています。 ●補助金などで穴埋めをしている。 水道料金が高くなっているのですが、それに加えて、税金などの補助金で水道事業の穴埋めをしています。 水道を取り巻く経営環境は厳しくなっているのですが、損益計算においては、あまり表に出てきていません。 それは、上下水道事業の損益計算において、他会計から繰入金などが含まれており、うやむやになっているからです。 水道料金は総括原価主義なのですが、電力等とは異なり、地方議会の承認が必要です。 ここに政治的な配慮が入って料金を低く設定する傾向となり、その結果、繰入金などが増えるのです。 具体的には、普通会計からの繰入金、企業債という借金、地方交付税による手当、国庫補助金などが手厚く入ってきます。 これらがマネジメント意識の欠落を助長していく原因であると言えるでしょう。 ●上下水道の設備老朽化問題。 また、上下水道の設備は必ず老朽化していきます。わかりやすいものとして水道管がありますが、その法定耐用年数は40年です。 年々、老朽化していく水道管は増えています。2014年の水道管の老朽化率は12.1%です。片や、2014年の水道管の更新率は0.76%で、更新が追い付いていません。 実際に、年間2万7千件の水道管破損事故が起きています。このまま行けば、老朽化率が更に高まり、水道管破損事故の発生件数がもっと増えることになります。 今後、約30年間にわたり、水道設備の更新費用が、毎年1兆2,000億~1兆4,000憶円かかると推計されています。 ●負の連鎖に陥ってしまう。 ということで、人口減や節水、大口利用者の減少により、水道の利用量が減少する中で、設備の老朽化が進み、その更新投資が大きな負担となってきます。 単純に水道料金の値上げだけでは、問題は解決しない状況になっていると言えるでしょう。 このままでは、需要減少によって、料金値上げ+補助金等の投入となり、それが更なる需要減少につながるという負の連鎖に陥ってしまう可能性があります。 この辺で、手を打たないと大変なことになります。 ●上下水道の事業者は規模が小さく多過ぎ。 明治以来、上下水道の事業主体は市町村です。ですから、その事業者数は多く、そして小規模です。 今まで述べてきた課題を解決するためには、個々の経営努力を超えたレベルのものが多く、広域化が必要不可欠となります。 事業が小規模なので自力での改善が困難になっており、事業者間の料金格差も大きいため、経営統合が進んでいないのが現状です。 スケールメリットを出すために、事業体の統合に工夫が必要です。 ●独占の弊害、行政府の規制。 市町村レベルが事業体なので、競争相手がありません。独占状態です。上下水道ほど地方の事業体が独占しているものはありません。 その上、料金については総括原価主義でありながら、行政府が規制をしています。このような制度は癒着が起きやすく、競争が阻害されます。 電気、ガスは小売りの自由化が進んでいますが、上下水道は事業者間での競争が進んでいません。 なかなかイノベーションが進まないのは、「地方公共団体にとって、現状が楽だから」という指摘もあります。 国は地方を縛る規制を手放したくはありません。地方も人材が乏しい中、国に依存していた方が楽です。 識者の中には、「水道管などの設備の更新投資をせずに放置しておいて、水道管が破裂するまで待ち、 料金を値上げすればよいと考えている事なかれ主義が横行している」という意見を言う方もいます。 やはり、規制緩和を行い、民間の参入を促すための市場環境の整備が必要でしょう。 ●民営化への研究。 上下水道の事業は、今のままでは持続できません。 イノベーションを果敢に行わなければ、老朽化した設備や、高い水道料金、非効率な供給システムなど、負の遺産を後世に遺してしまうでしょう。 基本的には、規制緩和、官民連携や民間の参入を促す自由化が良いと思います。 ただ、海外の事例などを見ると、運営がうまくいかず、民営化と公営化の狭間で揺れ動いている例も散見されます。 民間活用資金による社会資本整備(PFI)や運営権売却(コンセッション)などを研究し、異常なほど独占状態である水道事業に風穴を開けていかねばなりません。 未来を見据えた設備の更新と、規模の適正化、統合などを行い、水道が事業がとして成り立つように洗練させ、海外にも普及していくことをビジョンとして描くべきでしょう。 水道事業が、日本の主力産業になるように考え方を改めるべきです。 最後に、日本には、水が豊富にあるので、マネジメントさえしっかりとすれば、水道料金は必ず安くなります。 ━━━━━━━━━━━━━━ 2、編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━ 北朝鮮問題が、トランプ大統領によって解決の方向へと行き始めました。 これからは、日本の本来の潜在力を解放し、国力倍層を目指すべきでしょう。 独裁国家よりも民主主義国家のほうが、人材が生かされるので強いのです。 その証明を日本やアメリカが為さねばなりません。 本丸である中国の覇権主義にストップをかけるのが日米の使命です。 世界の平和と繁栄に貢献できる日本にならねばなりません。 ━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール 1967年10月20日生まれ。 福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。 広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、 HS政経塾・塾長等を歴任。 幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。 http://enatsu-masatoshi.com/profile ━━━━━━━━━━━━━━ ◇本メルマガは自由に転送、転載いただいて結構です。 転送・転載の際は引用元の表示をお願い致します。 ◇本メールアドレスは送信専用です。 ────────────── ◆ 発行元 ◆ 江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長) ◇オフィシャルブログ http://enatsu-masatoshi.com/ ◇公式Facebook https://www.facebook.com/Enatsu.Masatoshi.HR ◇登録(購読無料)はこちらから https://m.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=enatsu ◇解除はこちらから(クリックすると解除されます) ⇒ https://m.bmb.jp/bm/p/f/s.php?id=enatsu&mail=thothsk2%40yahoo.co.jp&no=52