遊爺雑記帳

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バイデンの民主党政府は、どんな政策を行うのか

2020-11-11 01:22:33 | 米国 全般
 米大統領選挙は、史上第1位の票を獲得したバイデン氏の勝利と、僅差で史上第2位(敗れた候補としては史上第1位)の票を獲得したトランプ氏といった結果となりました。
 争点は、トランプ支持か、非支持かで、社会主義か自由主義かとの側面も持つ選挙で、反トランプで左翼・社会主義の勝利となりました。
 そんな新バイデン民主党政権は、どんな政権なのか。バイデン支持というより反トランプで誕生しただけにその姿がよくわかりません。
 諸説が論じられていますが、バイデン氏はまつりあげられ、民主党左派が主導する政府となる声が多い様ですね。

 民主党内で多数派を占めつつあるサンダース派。極左色が濃いサンダース氏では大統領選で反トランプ票の取り込みは苦しいと、人畜無害のバイデン氏を候補に立て、バイデン氏勝利後、サンダース一派が、オカシオコルテス下院議員を中心として主導権を握るという作戦については、取り上げてきました。
 激戦州で優勢のトランプ大統領が急減速した違和感 - 遊爺雑記帳

 バイデンの立候補については、結果的に、カマラ・ハリスを大統領にするために最初から巧妙に仕組まれたものであり、バイデンの任期中にカマラ・ハリスが大統領に昇格し、社会主義政策の追及と増税がこの政権政策の柱になるのではないかという説があります。この場合でも、新政権は社会主義化する。
 単にトランプ嫌いからバイデンを選択した有権者には思惑違いの政府が誕生することになると。
 「初の女性大統領ハリス」爆誕へ。バイデンは傀儡 ご祝儀相場のゆくえ曖昧=今市太郎 | マネーボイス

 「バイデン政権、最初からレームダックか」と見出しを掲げるのは、英フィナンシャル・タイムズ紙。
 
バイデン政権、最初からレームダックか 粘り強い右派が妨害、トランプの亡霊が付きまとう米国 | JBpress(Japan Business Press) 英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年11月6日付

 すっかり傷ついたリベラル派は、ジョー・バイデン前副大統領が米国大統領選の歴史上、誰よりも多くの票を獲得したことによって、一時的に心が晴れるかもしれない。
 ただし、それもドナルド・トランプ大統領の得票数が史上2位につけたことを知るまでの話だ。
 トランプ氏は実際、バラク・オバマ大統領が2008年に記録した最大得票数をも上回った。

 11月3日の選挙の記録的な投票率となお続く票集計から得られる本当の教訓は、
米国は激しく、エネルギッシュに割れ、かつほぼ均等に分断された国だということだ。

厳しい船出

「バイデン大統領」はせいぜい、曖昧な負託しか得られない。問題は、それで何ができるか、だ

 
民主党の大統領候補では最たる穏健派だったバイデン氏が望んだことよりもはるかに少ない、というのがその答えだ

 番狂わせがない限り、
共和党が議会上院の過半数を維持する。

 バイデン氏は、医療保険制度への「パブリックオプション」の追加や環境技術への大型投資、中産階級の大学生の学費無償化といった政策課題を少しずつ可決させることができたら御の字だろう。

 投票が終わった3日夜は、米国のプログレッシブ(進歩派)が抱いてきたエポックメーキングな変化への夢を打ち砕いた。また、主要な激戦州では、まだ票の集計が続いている。

 バイデン氏が、上院のフィリバスター(議事妨害)を廃止したり、プエルトリコやコロンビア特別区(ワシントンDC)などを米国の新たな州に加えたり、最高裁判所の規模を拡大したりできる見込みは消えた。

 保守派6人、リベラル派3人の最高裁判事に空きが出たとしても、共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務がバイデン氏による指名を阻止することができる。

 
バイデン氏が望めるのはせいぜい、小規模な景気刺激策をまとめることくらいだろう

攻撃的な手負いのアヒル
 一方で、バイデン氏は現在のホワイトハウスの主と対峙しなければならない。

 
もしバイデン氏がレームダックになる見通しに直面しているのだとすれば、トランプ氏はまた別のバージョンのダックを生み出す恐れがある
 人を攻撃する癖がある手負いのアヒルだ。

 トランプ氏が敗北を認める見込みは薄い。僅差で負けたいくつかの州を、数週間も訴訟と再集計でがんじがらめにするかもしれない。
 11週間の政権移行期間に協力の手を差し伸べることもなさそうだ。

 バイデン氏は、下調べもできないまま就任準備を進めなければならない。これは重大な悪影響を及ぼす可能性がある。

 例えば、トランプ氏が新型コロナウイルスのワクチン開発計画「ワープスピード作戦」の記録を進んで共有するかどうかは疑わしい。

 
バイデン氏が期待できる最善の展開は、ホワイトハウスの文書の山をシュレッダーにかけた末にトランプ氏が静かに去ってくれることだろう

2つの勢力の板挟み
 
バイデン政権は、折り合いがつかない2つの勢力の板挟みになる恐れがある。しっかり根を張ったトランプ主義の右派と、嫌気をさした民主党左派がそれだ。

 僅差になりそうな
トランプ氏の敗北の対極をなす出来事は、同氏の「共犯者」がほぼ誰一人として同じ運命に見舞われなかったことだ。
 サウスカロライナ州選出のリンジー・グラム上院議員は楽々と再選を果たした。マコネル氏も同様だ。

 
民主党は恐らく下院で議席数を落とした。さらに、共和党の新人議員はトランプ氏以上にトランプ的で、新たに下院に加わる新人議員の1人は、極右陰謀論集団「Qアノン」の支持者を自認するマージョリー・テイラー・グリーン氏だ。

 今回の選挙が、オバマ氏がかつて「共和党フィーバー」と呼んだものの熱を下げてくれるという希望は打ち砕かれた。

 では、
バイデン大統領には何ができるのか短い答えは、もはや存在しないように思える米国の中道を見つけようとすることだ

 妥協してマコネル氏と手を打てば、民主党の左派を遠ざけてしまう。だが、
超党派の協力を試みない限り、ほとんど何も成し遂げることができない

 そうなると、マコネル氏が有利な立場に立つ。連邦政府としてのコロナ対策のようなものは、大統領令で実行することができる。

 
要職の任命といったことは、上院の承認を得なければならない。バイデン大統領としては、少なくとも共和党の人間を1人か2人、内閣に起用することが賢明だ。だが、そんなことをすれば左派から嫌がられる

世界における米国の評判を取り戻せるか
 次期大統領が自由に動く余地があるのは、外交政策の分野だけだ。
 ここに矛盾が潜んでいる。

 米国の民主主義は国際舞台において、評判上の大きな痛手を負った。2020年の選挙がこの流れを反転させる見込みは薄い。

 外国人は今、米国の政治は、双方が莫大な代償を払って少しずつ勝ちを手に入れていく塹壕戦だということを知っている。大きな再編成はもはや過去の遺物だ。

 それでも、
世界は大方の米国人よりもはっきりと米国の変化を感じ取るだろう

 
バイデン氏は、トランプ氏が作り上げたものの半分を取り消すと誓っている。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」と世界保健機関(WHO)に再度加わり、場合によってはイラン核合意にも復帰するかもしれない。

 
だが、米国の最低賃金を引き上げられる可能性はゼロに等しい米国の富裕層に対する増税も政策メニューから外される

 トランプ氏の亡霊がバイデン・アメリカに付きまとうことになる。

 「バイデン大統領」はせいぜい、曖昧な負託しか得られない。問題は、それで何ができるかだが、穏健派だったバイデン氏が望んだことよりもはるかに少ない、というのがその答えだと。
 大きな要因のひとつは、共和党が議会上院の過半数を維持することで、政府とのネジレがある。
 バイデン氏が望めるのはせいぜい、小規模な景気刺激策をまとめることくらいだろうと。

 バイデン政権は、折り合いがつかない2つの勢力の板挟みになる恐れがある。しっかり根を張ったトランプ主義の右派と、嫌気をさした民主党左派がそれだと。
 トランプ氏の敗北は僅差だったが、同氏の「共犯者」がほぼ誰一人として同じ運命に見舞われなかったのだと。

 また、民主党は下院で多数派は維持しましたが議席数は落としました。そこに入ってきた共和党の新人議員はトランプ氏以上にトランプ的で、新人議員のうちの1人は、極右陰謀論集団「Qアノン」の支持者を自認するマージョリー・テイラー・グリーン氏なのだそうです。
 
 妥協してマコネル氏と手を打てば、民主党の左派を遠ざけてしまう。だが、超党派の協力を試みない限り、ほとんど何も成し遂げることができないジレンマを抱えるバイデン氏。
 要職の任命といったことは、上院の承認を得なければならない。バイデン大統領としては、少なくとも共和党の人間を1人か2人、内閣に起用することが賢明だ。だが、そんなことをすれば左派から嫌がられる。

 世界は大方の米国人よりもはっきりと米国の変化を感じ取るだろうと英フィナンシャル・タイムズ紙。
 バイデン氏は、トランプ氏が作り上げたものの半分を取り消すと誓っている。
 だが、米国の最低賃金を引き上げられる可能性はゼロに等しい。米国の富裕層に対する増税も政策メニューから外されると。

 次期大統領が自由に動く余地があるのは、外交政策の分野だけだと。
 しかし、南シナ海を人工島建設での軍事基地化を進める習近平に、ハリス太平洋軍司令官が対策の必要性を説いたにも関わらず、話し合いで解決すると会談に臨んだオバマ大統領、バイデン副大統領の政権。習近平の「太平洋二分割論」で論破されてしまい、沈没。
 その敗勢を、トランプ政権が取り戻し、米中「新冷戦時代」に突入した今日、優勢を保っているのですが、再び習近平に主導権を奪われる可能性があります。
 まして、バイデン親子のチャイナゲート疑惑の負勢を抱えてます。

 そこで、バイデンの新政府での人事、とりわけ国務長官人事が注目されます。
 
バイデン政権閣僚候補の“危険な顔ぶれ” オバマ時代に「対中融和」推進した人物浮上、政府与党から警戒の声 - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2020.11.10

 米大統領選で勝利を確実にした民主党のジョー・バイデン前副大統領が、政権移行に向けた動きを本格化させている。注目は新政権でホワイトハウス高官や閣僚となる顔ぶれだ。バラク・オバマ政権時代に「対中融和」を進めた人物も浮上しており、日本の外交・安全保障にとって極めて危険な事態が起こりかねない

 「(新政権の顔ぶれは)米国を象徴するようなものにしたい」
 バイデン氏は7日夜、地元デラウェア州での勝利演説でこう語った。

 政権移行に向けて開設したウェブサイトでは8日、「コロナ対策」「経済回復」「人種問題」「気候変動」を次期政権の最優先課題と発表した。

 これらを担う
「チーム・バイデン」は、どんな陣容になるのか

 
外交責任者の国務長官には、オバマ政権2期8年で、国連大使と大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたスーザン・ライス氏が有力視されている。ライス氏は補佐官時代の講演で、中国が唱えた、米中で世界を二分する「新たな大国関係」を容認する考えを述べ、沖縄県・尖閣諸島には「米国は主権の問題には立ち入らない」と語った人物である。

 中国の軍事的覇権拡大を受けて、米国の対中姿勢は大きく変わったとの見方もあるが、
日本政府や与党には、「親中・反日」傾向があるライス氏を警戒する声が多い

 加藤勝信官房長官は9日の記者会見で、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることをバイデン新政権に確認するかと問われ、「日本政府としては米国が条約上の義務を果たすことに信頼を置いている」と語った。

 このほか、国務長官候補には、トム・ドニロン元大統領補佐官(国家安全保障担当)の名前も取り沙汰される。バイデン氏と数十年来の懇意な関係で、米資産運用最大手のブラックロックの最高幹部を務めてきた。

 国防長官候補には、英オックスフォード大学留学の英才で、バラク・オバマ政権下で国防次官を務めたミシェル・フロノイ氏の名前が出ている。

 
拓殖大学海外事情研究所所長の川上高司氏は「新政権人事のポイントは国務長官人事だ。ライス氏になれば日本にとって最悪だ。ドナルド・トランプ米政権とは外交政策が一変し、『米中融和』になる可能性が高い。ドニロン、フロノイ両氏も『対中融和』派だ。台湾有事になっても、台湾を放置しかねない。沖縄も危なくなる。日本は危機に備えるべきだ」と語っている。

 オバマ政権の後期は、パンダハガーが主流となりましたが、その主導者がスーザン・ライス補佐官だったことは、諸兄がご承知のことです。
 そのライス氏が、国務長官に有力視されています。
 米中の「新冷戦時代」に突入し、与野党が一致して習近平の覇権拡大への対抗姿勢にある今日の米国とはいえ、日本政府や与党に、警戒する声が多いのは当然ですね。

 沖縄県・尖閣諸島には「米国は主権の問題には立ち入らない」と語っていたライス氏。
 拓殖大学海外事情研究所所長の川上高司氏は、「台湾有事(=沖縄の海兵隊への備えで尖閣や沖縄にも侵攻)になっても、台湾を放置しかねない。沖縄も危なくなる。日本は危機に備えるべきだと。

 バイデン大統領誕生で、民主党左派が主導する米国政府が誕生。
 日本の安全保障では、「自由で開かれたインド太平洋戦略」など、自由主義の価値観を共有する国々との連携強化が必要となりますね。



 # 冒頭の画像は、再選されたオカシオコルテス下院議員
  若者に熱狂的な人気。アレクサンドリア・オカシオコルテス氏が下院に再選、どんな人物?(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース




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