遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

台湾 親類に礼状は不要。感謝の意は別の形で伝わっているから。

2011-05-18 00:11:07 | EEZ 全般
 台湾からの義捐金の多さは、4月 1日時点では米国からのものを上回るもので、物価が日本の1/10だそうですから、目をみはるものですね。内容は、一般市民によるものの積み上げだそうで、驚くとともに頭が下がります。
 それに対し、日本の民主党政権は、援助隊の派遣申し出を、中国隊の到着の後に遅らせたり、カンカラ菅の謝礼広告を出さないなどの態度をとったことは諸兄がご承知の通りです。
 それでも、「親類に礼状は不要。感謝の意は別の形で伝わっているから問題ないよ」と寛容な態度を示していただいています。
 

【日々是世界 国際情勢分析】義援金「世界最高額」の背景 台湾 (5/17 産経)

 
東日本大震災で、台湾からの義援金総額が5月上旬に約160億円(約57億台湾元)に達した。人口2300万人、平均所得が年約2万ドルの台湾から米国と並ぶ世界最高規模の義援金が寄せられたことは、社会に親日感情が根強くあることをうかがわせた。
 台湾紙「自由時報」や「中国時報」などの電子版によると、馬英九総統は5日、訪台して感謝を伝えた衛藤征士郎衆院副議長に、「台湾中部大地震(1999年)や台風による豪雨被害(2009年)で受けた支援への恩返し」と説明。12日には日本への観光旅行が安全であることをPRする北海道訪問団(官民約300人)も派遣した。
 義援金約1万4千円(5千台湾元)を寄せたという台北市在住の元小学校教師は「情けは人のためならず」と説明。菅直人首相が4月11日、米英などの7紙に感謝広告を出した際、台湾が対象から外れた件にも
「親類に礼状は不要。感謝の意は別の形で伝わっているから問題ないよ」
と寛容で、台湾外交部(外務省に相当)も今回の義援金は「民間、小口が中心だった」としている。
 この手厚い支援は、日清戦争の下関条約(1895年)から終戦(1945年)まで、
約半世紀の歴史をともにした本省人(台湾籍)が持つ「親日感情と絆の産物」
と一般的に解釈されている。
 だが、日本語教育を受けた世代はすでに80歳以上で、社会の一線から退いて久しい。同時に、国共内戦に敗れて中国大陸から台湾に流入、中国人の視点で総じて日本に厳しいとされる外省人(中国大陸籍)も世代交代し、
出身地の違いによる隔たりは、対日観も含めて薄らいでいる

 外省人エリート家庭出身で経済活性化を目指して対中接近姿勢を打ち出した馬総統は、厳しい対日観を持つとされたが、台湾のメディアと赤十字会が震災直後に共催した義援金募集イベントに夫人とともに駆けつけた。
 8日には台湾南部・台南市官田区の烏山頭ダムを訪れ、1930年に同ダムを建設し、台湾の農業振興に貢献した金沢出身の日本人技師、八田與一(1886~1942年)の業績をたたえる記念公園の開園式にも出席。自由時報などは馬総統が「私は日本の最良の友人」と、脱反日イメージの姿勢をアピールする姿を報じた。
 台湾の外交部元高官は、「戦後、国民党政権の腐敗と横暴が本省人を苦しめ、『日本時代はよかった』と思わせたように、急激な対中接近の結果、
札束ふりかざして押し寄せた中国大陸の観光客のマナーの悪さが二重写しとなり、市民レベルの親日回帰に拍車をかけたのでは」との見方を示している。

 少し前のものになりますが、以下の日経ビジネスの福島香織氏のコラムではさらに詳しい解説が載っています。
 
台湾から義援金100億円、どう受け止めるか:日経ビジネスオンライン

 台湾が被災した時に日本が援助したから。日本の統治時代の政策が理解され親日の本省人が多いから。ボランティアが根付いているお国柄だから。といったことだけでは済まされない巨額です。金額で評価してはと言いますが、それにしても巨額です。

 「親類」という言葉にあるように、中国の最大の標的で、2012年には統合すると目標をかかげている期限が迫る中、同様に覇権拡大の標的となっている日本、自由主義国として最も近くにいて米国と同盟を結んでいる日本、2位の座は入れ替わったとはいえ僅差のGDPを維持している経済大国の日本に、期待を持っていただいている証と理解すべきでしょう。
 我々は、いただいた義捐金を活用し、復興を遂げ、その期待に応えねばなりませんね。

 政府の非礼を、大人の広いこころで包み込んでいただいていることには、ひたひたと進行している中国の札束攻勢が、観光客にかぎらずマスコミや学者、政治家の買収にも及ぼうとしている圧力に、ややもすると孤立しかねない国際勢力図のなかで奮闘している人々の姿が連想され、心が痛みます。
 しかしそれは、無為無策で翻弄されるがままの民主党政権の、埋没する日本を押しとどめねばならない将来において、学ぶべき姿でもあります。

 繰り返しますが、台湾の大きな期待を決して忘れることなく、東アジアの自由主義近隣国として期待に応えていくことが、他のアジア諸国の期待に応えることにもつながり、大切なことだと考えます





 桜は、大阪・造幣局の八重桜で「奈良八重桜」です。

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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?




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