遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

NATO アフガン撤退を励行 「帝国の墓場」は繰り返される

2012-05-23 23:56:34 | my notice
 欧州の金融危機で混乱する経済状況は、各国の軍事費の縮小を余儀なくしていて、NATOもその影響は避けられません。一方、米国も軍縮予算を求められる中、中国包囲網強化の為、アジアへの重点移行を進めることを宣言していました。
 シカゴで開かれていたNATO首脳会議は、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)の活動を当初の計画通り、2014年末に終了する声明を採択し閉幕したのだそですね。
 

NATO首脳会議 アフガンに自立促す 「汚職統治」に各国いらだち (5/23 産経)

戦闘部隊、2014年に撤収
 【シカゴ=犬塚陽介】米シカゴで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は21日、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)の活動を2014年末に終了、それ以降はアフガンの治安部隊訓練などの支援をNATO主導で続けることを明記した声明を採択し閉幕した。加盟各国が財政難にあえぐ中、「後戻りできない移行」との強い表現で14年末までの戦闘部隊撤収を打ち出し、治安面でアフガン側に早期の“独り立ち”を促した形だ。

 巨額の援助を得ながら政権高官に汚職がはびこり、有効な統治策を打ち出せない同国のカルザイ政権に対するNATOのいらだちが色濃くにじんでいる。
 「率直に言って、長すぎるアフガンへの駐留は逆効果を招くと思っている」
 
オバマ米大統領は閉幕後の記者会見で、ストレートな表現で早期の対テロ戦争終結の重要性を強調した。そして14年末のアフガン側への治安権限移譲には、治安が再び悪化する「リスク」が残るものの、それでもアフガンでの投資を「米国の再建」にこそ振り向けなければならない
と述べた。
 アフガンと距離を置くような発言は、他の首脳からも飛び出した。年内の戦闘部隊撤収を表明した
オランド仏大統領は、フランスはアフガンで「義務以上のことをした」と述べ、民生支援や兵士83人が犠牲になったことなどを示し、早期撤収への批判を一蹴
した。
 外交筋によると、21日のNATO首脳会議では、15年以降もアフガン政府を援助する方針を示した参加国から、巨額の援助が汚職の温床となっているカルザイ政権への不満が噴出し、統治体制の改善を強く要求する意見が相次いだ。
 世界銀行の報告書によると、アフガンが昨年受けた国際援助は、政府の公的支出の9割に当たる157億ドル(約1兆2500億円)。だが、軍事、民生両面での巨額支援は政権高官の汚職体質に拍車をかけ、貧富の差が一気に拡大。
カルザイ政権に不満を募らせる貧困層が、イスラム原理主義勢力タリバンの支援
に回っている実態がある。
 ISAFの総数は約13万人で、NATOが主導し約50カ国が参加する。20日に始まったNATO首脳会議では、ISAFの主要任務を13年半ばまでに戦闘からアフガン治安部隊への支援に移行させ、14年末までに戦闘任務を完了、治安権限をアフガン側に移譲する方針を確認した。

 記事のオランド大統領が早期撤収を打ち出し、批判があり、更にそれを一蹴したというのは、オランド大統領が選挙公約の年内繰り上げ撤収を表明し、メルケル首相が「共に撤収すべき」と公然と異を唱えた事に対し、戦闘部隊の残留要請を一蹴し、仏軍は13年以降は治安部隊の訓練しか行わないとしたことを指すのですね。
 オーストラリアも、13年半ばで戦闘部隊の撤収を決めているのだそうですね。
 上記産経の記事では、撤収の励行を、アフガンの自立を促すという理由を前面に出した言い訳めいたものを採用していますが、実態とは乖離しているのではとの疑問はぬぐえませんね。
 

NATO行程表 アフガン実情無視 カルザイ政権 治安向上は不透明 (5/23 読売朝刊)

 
【カブール=横堀裕也】北大西洋条約機構(NATO)は21日閉幕した首脳会議で、2014年末までに国際治安支援部隊(ISAF)の任務を終了させるなどの「行程表」を確認したが、アフガンの現状が反映されたものとは言い難い。最大の懸念は、カルザイ大統領の統治能力にある。
 第一に、治安の向上が見られない。
 首都カブールでは、オバマ米大統領の電撃訪問があった5月2日にも、旧支配勢力タリバンが外国人の多く滞在する宿泊施設を襲撃し、警備員ら7人が死亡する事件があった。
 5月中旬に現場を訪れると、爆発で吹き飛ばされた壁の修復作業が行われていた。雑貨店店員ムルサダさん(20)は「
オバマ訪問時のような厳戒態勢下でも、タリバンはいつでもどこでも攻撃できる
」と不安を吐露した。
 カブールでは5月中旬、タリバンの元有力メンバーでもあったアフガン高等和平評議会幹部の暗殺事件も起きた。評議会メンバーで、自身もタリバン政権幹部だったカラムディン氏は本紙の取材に対し、暗殺事件がアフガン政府とタリバンの和平にとって「計り知れない打撃」だと語った。
 それでも、NATOは、アフガン治安部隊が13年半ばに全土で戦闘任務を主導することで合意した。軍事専門家アブダル・ハディ氏は「
アフガン治安部隊はまだ準備不足。(NATOが合意した行程表は)政治的判断で、実情が考慮されていない
」と批判する。
 カルザイ政権の統治能力不足は、治安面に限った話ではない。
腐敗問題
も一向に改善が見られない。
 政治評論家アフマド・サイエディ氏は「役人はカネでポストを買う。特に地方では法の支配はない。カネがなければ裁判にも勝てない」と指摘。「
国民は不満をため込み、タリバンがその受け皿となっているのだ」と強調する。

 アフガニスタンは険しい山岳地形と厳しい気候の為、大国が大軍で攻め込んでも全土を平定するのは困難で、「帝国の墓場」と言われているのだそうですね。(読売)
 古くは19世紀の大英帝国に始まり、インドのムガール帝国、モンゴル帝国と苦杯をなめ、最近では1979年に侵攻したソ連が89年に撤退し、その間に国力を衰退させていました。
 今回も、その歴史を繰り返すこととなり、どう理由づけして撤退するかというのが実情というところでしょうか。
 またもとのテロの温床地域に逆戻りするのでしょうか。テロの資金源は断てないものなのでしょうか。

 世界最大の財政赤字(借金)国(21年連続の最大債権国でもある)の日本は、15年以降も支援を続けると表明し、7月に東京で国際会議を開き各国にも支援を求めるのだそうですね。
 
アフガン支援の継続表明…外相、NATO会合で : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 米軍再編、TPP での対米外交対策でしょうか?民主党流の汗をかかずお金のばら撒きで解決方式の外交ですが、またまた国債格付けは下がる?




  この花の名前は、バイカオウレン

↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia


民主党の正体  矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
民主党政権では日本が持たない



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月22日(火)のつぶやき | トップ | 5月23日(水)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

my notice」カテゴリの最新記事