遊爺雑記帳

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第19回中国共産党大会 いよいよあす開幕

2017-10-17 23:58:58 | 中国 全般
 第19回中国共産党大会の開幕が、いよいよ明日となりました。ここまで、政局の主導権争いが、江沢民・上海閥、胡錦濤・共青団派、習近平(当初は太子党人脈。終盤は自前の「之江新軍」を構築)の三つ巴で展開されてきました。
 腐敗政治撲滅の御旗で「トラもハエも叩く」とし、トラが少なくなるとキツネにまで手を広げ、政敵勢力を次々と駆逐して、勢力を強めた習近平。胡錦濤の後に傀儡として習近平を据え、院政をと目論んだ江沢民は、その恩を仇で返され周永興他次々と失脚され今やかつての勢力は面影もありません。胡錦濤・共青団も首相の地位にある李克強は習近平によって権限を奪われ、令計画は汚職容疑で失脚させられました。
 着々と毛沢東時代の独裁政治体制の構築を進めてきた習近平。更には禁断の3期目の続投も狙うなか、野望がどこまで具現化されているかが見えてくる党大会。要注目です。

 
習政権 次期チャイナセブン案 - 遊爺雑記帳
 【続】ポスト習近平は習近平 - 遊爺雑記帳
 【続_2】ポスト習近平は習近平 - 遊爺雑記帳 
 北京で今できないこと――中国共産党大会の開幕控え | JBpress |

 
第19回中国共産党大会あす開幕 習氏、長期政権へ布石も 注目は胡春華氏 (10/17 産経)

 【北京=藤本欣也】中国共産党の最高指導機関で、5年に1度開かれる党大会が18日から北京で始まる。会期は1週間程度。閉幕後に中央委員会第1回総会(1中総会)が開催され、習近平国家主席(総書記)の2期目の指導部人事が最終的に決着する。2022年以降の3期目を狙う習氏が続投に向けてどこまで布石を打てるかが焦点
だ。
 1921年の結党以後、19回目となる今回の党大会には、約8900万人の全党員から選ばれた2287人の代表が参加。党の最高規則である党規約の改正や中央委員(約200人)の選出などが行われる。

 最大の関心事は、1中総会で決まる最高指導部メンバー、政治局常務委員(現在7人)の人選。
特に、習氏の後継候補と目される胡春華・広東省党委員会書記が選ばれるか否か
だ。
 3期目を狙う習氏は後継候補を最高指導部に迎えることに消極的。胡氏は共産主義青年団(共青団)出身で胡錦濤前総書記に近い。むしろ習氏は、側近の陳敏爾・重慶市党委書記の最高指導部入りを望んでいるとされ、
習派と共青団派の落としどころが注目
される。

 今回の党大会では党規約が改正され、
習氏の指導理念・政治思想が盛り込まれることが決まっている。習派はさらに、江沢民元総書記や胡前総書記を超えた権威を確立するため、「毛沢東思想」「トウ小平理論」のように習氏の名前を冠した形での明記
を求めている。

 64歳の習氏が
3期目を目指す上で障害になるのが、「党大会時点で68歳以上は引退する」という慣例だ。これに従えば習氏は5年後の党大会で引退しなければならない。習氏は今回、慣例を破って、盟友の王岐山政治局常務委員(69)を留任させ、自らの続投に道を開きたい考えとされるが反対派が抵抗している。


 胡春華・広東省党委員会書記のチャイナセブン入りは確実な情勢の様ですが、習近平への絶対服従を表明させられている体たらくです。
 
人民日報、胡春華氏の寄稿文掲載 習近平氏を称賛、絶対服従をアピール - 産経ニュース

 3期目を目指す上で障害の定年の慣例を破る前例造りとして一時浮かび上がっていた、トラ退治を主導し習近平の権力確立に大きく貢献した王岐山の定年を延長しての今回のチャイナセブンに再登用。こちらは、チャイナセブンの数の変更ともども話は消滅した様子ですね。功績は大きいが、逆にトラ退治で力が大きくなりすぎて、習近平にとっても脅威となってきたことで定年延長は習近平が権力地盤が固まってきたこともあり、没にしたとの情報がありました。このあたりの真偽も、落ち着いたら聞けるのか興味があります。

 しかし、外交、経済の実績が乏しく、むしろ失政と指摘されてもおかしくない弱点を持っているのは、諸兄がご承知の通りです。 日本を遙かに凌いだGDP2位の座ですが、流石に成長率の鈍化は抗しがたく、成長が低下すると格差への不満が顕在化することとなり、国内で生じる不満は高まるばかりです。富裕層は資産の海外移転で護身に躍起です。
 自由や憲法重視を唱える文化人への弾圧もエスカレートしています。
 米国との「G2」での世界制覇交渉は、パンダハガー化していたオバマ政権も、南シナ海の人口島建設中止を巡り決裂し、「航行の自由作戦」開始を許可させてしまいましたし、仲裁裁判所裁定で、「九段線」を否定され、南シナ海での覇権根拠を否定される失政を招きました。

 「一帯一路」構想で、外需を取り込んだ経済の再活性化と欧州へ向けた覇権拡大路線を遂行し、「中華の夢(世界制覇)」実現に向け歩を進めていますが、念願の元のSDR入りは果たしたものの、円より上位の発表でしたが、実態のシェアは大きく下回っています。「AIIB」の融資も不調です。
 等々、さしたる実績はないのに、毛沢東に匹敵する独裁化を進める習近平。独裁の弊害から反省して鄧小平が構築して今日の発展をもたらした、集団指導体制と改革開放経済路線。その逆行を始めています。
 党大会の結末と、大会以後の動き(さしあたっていそがれるのは、北朝鮮対応)に目が離せませんね。



 # 冒頭の表は、2015年3月時点での、今年秋の党大会人事候補予測




  この花の名前は、ウンナンオウバイ


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