遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国紙が相次ぎ民主化報道しているのは偶然?

2013-04-16 17:27:08 | 中国 全般
 偶然なのでしょうか。人民日報系の雑誌と、上海市党委員会機関紙が同じ日に、かたや「共産党一党独裁不支持」の世論調査結果を発表たり、かたや、胡耀邦氏を「最も民主的」とたたえる記事を載せたりしています。
 中国の侵略行為に対抗するのに、武力への抑止力の他に、敵の弱点を突く世界世論へのアピールでの攻撃が効果的だと遊爺は唱えています。中国の国内でも、中国の抱える社会問題の是非論が芽生え始めてきたのかと、目がとまりました。
 

「失脚」胡耀邦氏たたえる 命日に中国紙 改革推進訴え 「最も民主的」 (4/16 読売朝刊)

 
【広州=吉田健一】1980年代の中国の改革派指導者で、87年に失脚した胡耀邦・元共産党総書記の死去から24年となった15日、上海市党委員会機関紙・解放日報が、胡氏の功績をたたえ、一層の改革推進を訴える寄稿を掲載した。
 掲載されたのは、周瑞金・元同紙副編集長ら改革派論者の文章で、周氏は【中国は改革を断固として進めねばならない新たな時を迎えており、胡氏の追想は非常に大きな現実的意義がある」と指摘。その上で「
胡氏が中央を主宰していた期間が、我々の党が最も民主的で、政治生活が最も正常で、最も活気ある時期の一つ
だったと、人々は認識している」と強調した。
 周氏は、胡氏の歴史的功績として、反右派闘争や文化大革命で失脚した多数の幹部の名誉回復を挙げた。
 これを強調することで、天安門事件の再評価を指導部に暗に求めた可能性もある。また、胡氏が78年、当時広東省にいた習近平国家主席の父親の習仲勲氏を激励する手紙を出したエピソードも披露、
習氏を意識した内容
ともなっている。
 胡氏を巡っては、2010年に温家宝首相(当時)が業績をしのぶ追悼文を党機関紙・人民日報に寄稿するなど、党内で再評価に向けた動きが出ていた。周氏は91年に改革開放の深化を訴える論文を執筆したことで知られる。


 
中国ネット調査 8割が一党独裁不支持 (4/16 産経)

 中国共産党機関紙、人民日報系の雑誌「人民論壇」がインターネット上で実施した共産党に対する意識調査で、回答者の約80%が共産党の一党独裁や主張、改革に対して否定的な回答をした。調査結果は15日に同誌のサイトに掲載されたが、間もなく削除された。同誌がこうした調査結果を公表した理由は不明。回答件数は約3500だった。設問のうち「共産党には改革を速やかに推進する勇気と知恵がある」との主張については、75%が「賛同しない」と回答。また「中国の特色ある社会主義の堅持と発展は、大多数の人民の根本的な利益となる」との見方には、82%が「賛同しない」と答えた。(北京 共同)

 胡耀邦氏の記事は、江沢民時代や更に毛沢東時代にまでも逆行しそうな習近平の復古政治姿勢に、改革推進派が釘を刺そうとしている様に読めます。ただ、習近平の父親を持ち上げることで、習近平を非難するのではなく、遠回しに牽制しているのは、笑いを誘われます。
 小平氏と共に、中国の改革解放経済を推進するのに日本を手本にした知日派の胡耀邦氏をこの時期に讃えるのは、時代に逆行する習近平や、反日気運が高まっている今の中国では、流れに逆らうものと言えます。
 共青団が健在ぶりを誇示しているのでしょうか。

 「人民論壇」の共産党の意識調査結果の公表には驚きです。
 共産党の一党独裁を、約80%が否定し、75%が共産党に期待を示さず、中国流社会主義を82%が人民の利益になるとは思わないと言っています。
 3,500の回答数で、小規模な調査とはいえ、そこまでかと驚く比率の、共産党と社会主義の否定です。
 調査結果を公表した理由は不明とされ、掲載後間もなく削除されたとのことですが、当然削除は覚悟の上の掲載でしょうから、容易ではないその快挙には感嘆します。それだけ、中国国内での不満分子の力がふくらんできていることのあかしでしょう。
 
 日本で報道されるからには、中国国内でもそれなりの人々が目にした情報かと推測します。
 読売朝刊の「報道と紙面を考える懇談会」の中に書かれていましたが、日本のマスコミが中国の現状をもっと世界に知らしめる努力が必要です。
 繰り返しますが、中国の侵略に対し抑止力の強化が必要なのは当然ですが、攻撃は最大の防御、敵の弱点を攻めるといつたセオリーに則り、中国社会の人権を無視した独裁政治振りや近隣諸国への覇権拡大振りを、つぶさに報道PRすることが、中国国民を支援することにもなると、はっきり示した上記の報道でした。




  高野山 特別母樹


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