遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国が英国の取り込みを狙っている

2016-06-21 14:53:36 | 中国 全般
 習近平の訪英時に、女王陛下が馬車でお迎えに出かけ、後に習近平が無礼であったとの警備の女性責任者の会話に賛同するという事件は、未だ記憶にとどめておられる方は少なくないと拝察します。
 キャメロン政権は、AIIBへの欧州主要国が雪崩をうった加入を誘発し、米国との盟友関係に背く、先陣を切った加入を実施しました。独仏の対中貿易重視に対し、香港擁護で周回遅れとなった対中経済交流促進の焦りが産んでいる媚中行動です。
 そこで、中国からの多額の投資導入を授かり、中国製原発の導入まで決めていることは、諸兄がご承知の通りです。

 G7で、世界経済の回復に向けて、安倍首相が、リーマンショック並の経済危機の可能性への備えとして、各国が連動した財政出動を提唱しましたが、真っ先に否定したのがキャメロン首相でした。しかし今や、EU離脱をめぐって、世界経済にリーマンショック並の混乱を生じさせかねない元凶に挙げられています。

 中国は、英国の取り込みを狙っているとの記事がありました。
 そういえば、習近平の「中華の夢」は、アヘン戦争で屈辱を味わった中国を復活させて、世界の覇権を握るということでしたね。
 

中国 英の取り込み狙う 露はEU切り崩し (6/21 読売朝刊 欧州の岐路 分断の現場[7])

 
ロンドン南西部のテムズ川に沿う再開発地区ナイン・エルムズ。中国の大富豪、王健林氏の企業が手がける高級タワーマンション建設のつち音が響いていた。
 英国の不動産市場への中国資本の旺盛な投資意欲には、昨秋の習近平中国国家主席の訪英で頂点を極めた両国の蜜月関係が表れている。
 英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを間う国民投票について、ロンドンの不動産業者は19日、「中国も心配だろう。離脱なら価格下落が避けられないから」と語った。
 だが、
中国の視線の先にあるのは目先のそろばん勘定だけでない。たとえ離脱となっても、英国との緊密な関係は政治・外交上の大きな資産
とみなしている。
 
東シナ海や南シナ海への中国の強引な海洋進出を巡っては、日本や米国が中国批判を強める中、英国が中国の「理解者」になってくれることを期待
する。
    ◇
 ロシア西部の古都サンクトペテルブルクでは16日、ロシアのプーチン大統領と会談するEUのユンカー欧州委員長の姿があった。EUトップの訪露は、ウクライナ情勢を巡って2014年にEUが対露制裁を発動して以来初となる。プーチン氏が制裁解除に向けた手がかりを探っているのは明らかだ。
 
プーチン氏はその後の記者会見で、英国民投票について、「離脱は欧州にとって有害との見方もあれば、より強固になり安定するとの見方もある」「ロシアは強固な欧州と話したい」と語り、離脱を望んでいることをほのめかした
と臆測を呼んだ。
 EU加盟国の対露姿勢は、ドイツ、フランス、イタリアなど経済関係が深い国が関係修復に前向きなのに対し、ロシアと国境が近い東欧のポーランドやバルト3国が最も厳しい。英国は、ポーランドなどの意向を尊重する。2003年のイラク戦争で米英が主導する有志連合に東欧諸国が参加して以来の協力関係が背景にある。
 ユンカー氏の訪露はドイツやフランスの意を受けたとみられる。
プーチン氏が、英国が抜けることでEUの重心がロシアと妥協の用意がある国々に移ることを願ってもおかしくない

    ◇
 
英国を取り込もうとする中国。英EU関係の動揺をついてEUの切り崩しをうかがうロシア

 この状況に最も懸念を強めているのが米国だ。
 米国のオルブライト元国務長官、バネッタ元中央情報局(CIA)長官らは先月、英紙ザ・タイムズに連名で寄稿し、米国には、英国も加わって一枚岩の欧州こそ、世界の安全保障や経済上の課題に取り組むパートナーとして重要だと強調。「英国がEUを抜ければ、EUは危険なほど弱体化する」と警告した。
 その上で、EU離脱によって英国が失う影響力は、「米英の特別な関係によっても補えない」と言い切った。
 欧州の混迷が、世界の秩序を揺さぶる。  (おわり)

 EU離脱の行方は、野党・労働党のジョー・コックス下院議員殺害を含め、混沌としている様子ですね。
 

英主要紙 立場割れる 大衆紙・高級紙色分けなく (6/21 読売朝刊)

 
【ロンドン=角谷志保美】英国の欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票で、英国の主な新聞が社説などで残留、離脱の立場を明確にした。高級紙、大衆紙とも、残留派、離脱派に分かれており、英国内の拮抗する世論を映し出している。
 残留派は、学歴が高い知識層やリベラルな若い世代、都市部に多く、離脱派は労働者や地方で支持が高いという傾向がある。しかし、高級紙が残留派、大衆紙が離脱派との色分けにはならなかった。問題の複雑さを浮き彫りにしたとも言える。
 日曜に発行される大衆紙メール・オン・サンデーは19日付の紙面で見開きの社説を掲載。「移民問題だけで決めていいのか。今は平和と繁栄を危険にさらすべき時ではない」と、残留支持を呼びかけた。英国で発行部数が最も多いザ・サンは、14日付の朝刊で既に離脱支持を打ち出している。
 一方、高級紙は、フィナンシャル・タイムズやオブザーバーが英経済への打撃を懸念し、早い段階から残留が望ましいとの記事を多く掲載し、残留支持の立場だ。これに対し、19日のサンデー・タイムズは「EUとは柔軟に協力していくべきだ」として、離脱を訴えた。



 記事では、中国にとって、英国との緊密な関係は政治・外交上の大きな資産とみなしていて、東シナ海や南シナ海への中国の強引な海洋進出を巡っては、英国が中国の「理解者」になってくれることを期待しているとまで触れています。
 現在投資しているものが、英国のEU離脱で一時的に投資分の目減りがあっても、ポンド安になれば、英国を買収しやすくなりますね。短期政権の資本主義国と違って、長期政権の中国。目先だけでなく、長期戦略を立案・継続出来るところは強味です。
 長期戦略で、アヘン戦争のお返しを狙う中国。英国の方々は、蛇に睨まれた蛙状態にあると言えます。そして、長期戦略(三戦戦略等)で、ジワジワと締め付けてくるなかで、「茹で蛙」にならないよう、ご注意いただきたい。
 日本も、人様のことは言えない、媚中属のはびこり(例=沖縄県知事、自民党・二階、野中etc.)がありますが。。



 # 冒頭の画像は、ジョー・コックス下院議員に花を手向ける人々






  この花の名前は、ユキヤナギ


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia






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