遊爺雑記帳

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プーチン大統領 APEC首脳会議で、経済統合や貿易ルールの議論を中国とともに主導したい思惑表明

2017-11-09 23:58:58 | 日本を復活させる
 露・プーチン大統領が、TPPからの離脱を表明し、保護主義的な傾向を強める米・トランプ政権を尻目に、APEC首脳会議で、経済統合や貿易ルールの議論を中国とともに主導したい思惑を表明したのだそうです。
 片や日本は、自由貿易のスタンダードとなすべく、米国が離脱したTPPに代り、「TPP11」の早期稼働に向け今回のベトナムでの閣僚会合、首脳会合での大筋合意を目指して、共同議長国のベトナムと共に尽力しています。

 TPP11 大筋合意へ進展 その2 - 遊爺雑記帳
 
霧、APEC貿易圏支持 プーチン氏、本紙に寄稿 (11/9 読売朝刊一面)

 【モスクワ=花田吉雄】ロシアのプーチン大統領はベトナムで10日に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、読売新聞などAPEC加盟国の主要メディアに「共に繁栄と調和のとれた成長に向かおう」と題する論文を寄稿した。
 
プーチン氏は、APEC加盟国を一つの貿易圏にまとめる「アジア太平洋自由貿易圏」(FTAAP)の創設構想について、「(ロシアの)利益にかない、急成長するアジア太平洋市場でロシアの立場を強めるチャンス」と評価し支持を表明した。
 論文でプーチン氏は、
ロシア極東の発展を「21世紀の国家的な優先課題」と強調し、極東と日本や中国、韓国の結びつきを強めることに意欲を示した。そのためにエネルギー供給や交通分野などの社会基盤(インフラ)の整備を提案した。

露、貿易ルール主導図る プーチン氏寄稿 極東へ投資期待 (11/9 読売朝刊)

 【モスクワ=花田吉雄】ロシアのプーチン大統領は読売新聞などへの寄稿で、アジア太平洋経済協力会議(APEC)加盟国、さらにはユーラシアに広がる自由貿易圏の構想に触れた。
環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明し、保護主義的な傾向を強める米トランプ政権を尻目に、APEC首脳会議で、経済統合や貿易ルールの議論を中国とともに主導したい思惑がうかがえる。

 「我々は、
シベリアと極東をアジア太平洋地域の経済システムと統合させることに特に関心を持っている
 プーチン氏は寄稿でこう表明し、「過去5年間でロシアの対外貿易においてAPEC諸国の占める割合は23%から31%に伸びた」と、数字をあげてロシアとアジアの関係発展を強調した。
 アジア重視の背景には、国家歳入の4割を占める原油など資源価格の下落と、2014年のウクライナ南部クリミア併合を理由とする米欧などからの対露制裁によって経済の低迷が続く国内状況がある。
 ロシア中央銀行によると、
ロシアに対する国外からの投資額はクリミア併合前の13年には約683億ドル(約7兆7180億円)だったが、16年には約320億ドル(約3兆6160億円)と半分以下にとどまった。
 
この影響でプーチン政権が重視する極東開発にも十分な資金が回らなくなり、外国からの投資が頼りとなっている。
 プーチン氏は「社会基盤(インフラ)を複合的に発展させることは効果的な統合の基盤となる」と指摘し、
極東での「2国間・多国間のインフラ整備事業」の実現を呼びかけた
 今回の寄稿はAPECに加盟する各国に向けたもので、自由貿易圏の構築とロシア極東への投資の呼びかけに重点を置いた。「サハリンと北海道の間の輸送路」など大型事業を提案しているが、日露の最大の懸案である北方領土問題や、北方領土での共同経済活動など対日関係に関する踏み込んだ言及はない。また北東アジアの安定を守るうえで最大の脅威となっている北朝鮮情勢についても触れていない。


 ロシア極東の発展を「21世紀の国家的な優先課題」と強調するプーチン大統領。米国がTPPから離脱したことで生じた、アジア、太平洋地域の貿易圏構想の主導権を得ようと名乗りをあげているのですね。
 かねて遊爺は繰り返し触れてきましたが、資源輸出で成り立っているロシア経済は、現在の主力のガス田の枯渇がみえてきていて、極東や北極圏の厳しい環境のガス田の開発に迫られて久しく、日本を含む他国の先端技術での開発支援を必要としています。

 合意・稼働直前のTPPが、米国の離脱により頓挫して生じた隙は、ロシアにとっても中国にとっても地域の経済圏の主導権を握る絶好のチャンスなのですね。

 米国の抜けたTPPですが、残った11ヵ国での稼働を目指す動きが、一時は各国の思惑がバラバラになり低迷していましたが、会合を重ねてきて、今回のベトナムでの会合では、各国が個別には利害が反する中、大筋合意に向けた議論が行われています。
 トランプ大統領の来日での首脳会談で、TPP復帰については改めて断られてしまった安倍首相でしたが、ベトナムでのAPECの会合と併せて開かれる「TPP11」の首脳会議では、発効に向け大筋合意を目指します。
 
首相、ベトナムへ APECに出席 (11/9 読売朝刊)

 安倍首相は9日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。同会議後、フィリピンに移動し、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に臨む。参加各国首脳との個別の会議も行い、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への圧力強化を呼びかける考えだ。15日に帰国する。
 
首相は、ベトナム中部ダナンで開かれるAPEC首脳会議で、「自由貿易の推進」などを訴える。会議に合わせ、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領との会談も調整中だ。環太平洋経済連携協定(TPP)首脳会議にも出席予定で、離脱を表明した米国を除く11か国での発効に向け、大筋合意を目指す。フィリピンでは東アジア首脳会議などで、中国が海洋進出を強める東・南シナ海情勢についても協議する。中国の李克強首相との会談も模索している。

 プーチン大統領のFTAAP支持、推進参入で、アジア地域の経済圏の主導権争いが激しくかつ緊急度を増してきたなかで、今回の「TPP11」の大筋合意は、主導権を獲れる最後の機会となりかねない状況にも追い込まれました。

 しかしこのロシアのプレッシャーが後押しとなったのでしょうか、合意の機運がありながらも土壇場で難産の苦しみに陥っていた「TPP11」でしたが、どうやら大筋合意に至ったとの速報が入ってきました。
 TPP11、閣僚会合で大筋合意 :日本経済新聞

 10日の詳細報道が待たれますが、目玉がなく低迷の批判の声が高まりつつある「アベノミクス第3の矢」の軸、中国の「一帯一路」政策への対抗政策が産まれそうですね。
 日本経済の成長への期待が膨らみます。10日の株価はどんな反応をするのでしょう?
 安倍首相とトランプ大統領は、APECで再会しますが、トランプ大統領はどんな反応を示すのでしょう?
 プーチン大統領と面談する安倍首相。プーチン大統領に、TPPへの加入を勧誘してみたら面白い。(笑)
 「TPP11」が、地域の貿易のスタンダードになり、「FTAAP」にも影響を及ぼすことを期待します。


 # 冒頭の画像は、茂木敏充経済再生相とベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席




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