遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

TPP11 大筋合意へ進展 その2

2017-11-08 23:58:58 | 日本を復活させる
 トランプ大統領のアジア諸国歴訪の目的は、貿易赤字の不均衡是正と、北朝鮮対策協議です。
 アメリカファーストをかかげるトランプ大統領ですが、国内の支持率は低迷し、ロシアゲートなど諸問題を抱え政府の陣容も不安定なままで、中間選挙に向けて起死回生の実績造りの必要に迫られていて、貿易赤字の是正と国内の雇用改善が喫緊の課題です。
 TPP離脱の公約は就任早々に実現し、今回の来日でも改めてTPPを批難しています。ただ、2国間の「FTA」の言葉を出さなかったのは予想外で、対北朝鮮や中国戦略で、日米の結束の乱れを露わにしたくなかったと推測されています。
 「FTA」の言葉は出ませんでしたが、日本や韓国では兵器の大型商談成立をアピールしました。
 いずれ始まる「FTA」のタフな交渉への準備が必要なことは、日本を含むTPP加盟11ヵ国共通の課題です。
 その「TPP11」の再構築に向けて、千葉県で開催された、首席交渉官会合では米国が離脱したことで保留とする項目の絞り込みが進展をみせ、抵抗が強かったニュージランド新政権も、合意への積極姿勢に転じ、残るベトナムの姿勢転換と、ベトナムで開催される、首脳・閣僚会合での進展が注目されていました。

 
TPP11 大筋合意へ進展 - 遊爺雑記帳

 8日に始まったベトナム・ダナンでの首脳・閣僚会合を前にした7日、茂木敏充経済財政・再生相は、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席とハノイで会談し、大筋合意を目指すことで一致したのだそうです。
 

経財相「TPP11合意目指す」ベトナム国家主席と:日本経済新聞

 【ハノイ=富山篤、山崎純】茂木敏充経済財政・再生相は7日、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席とハノイで会談した。8日に同国のダナンで始まる環太平洋経済連携協定(TPP)の閣僚・首脳会合で11カ国によるTPP(TPP11)の大筋合意を目指すことで一致した。ベトナムやニュージーランドなどが柔軟な姿勢を示し始めており、交渉は正念場を迎えている。

 茂木氏は会談後、記者団に「
大筋合意に向けた各国の機運は間違いなく高まっている。各国がいかに柔軟性を発揮するかだ」と述べ、各国の凍結要求の取り下げに期待を示した。TPP参加11カ国はもとの合意内容のうち、離脱した米国が要求した項目の一部を凍結して発効させる方向
だが、日本はできる限り凍結項目を絞りたい考えだ。

 
ベトナムは自由貿易に積極的で、TPP11の詰めの作業を急いでいる。
最大の輸出相手国である米国がトランプ政権で離脱したなか、米国主導で定められた規定を受け入れられるかどうかが交渉のポイントになる。
 論点の一つは原産地規則だ。TPPでは原則として加盟国以外から原材料を調達した製品は減税措置を受けられなくなる。例えばベトナムは主要輸出品目の衣料品で、大部分の材料を中国から輸入している。米国がTPPに残っていれば、輸入元を中国から米国に切り替え、その見返りとして米国への輸出が増える効果が期待できた。現状では調達元が変わった場合の生産方法の変更に不安を感じる縫製業者が多い。中国からの輸入を続けることが不利になりかねないだけに、なお賛否が割れている。

 ホスト国のベトナムにとってもう一つは労働問題だ。ベトナムでは労働組合が共産党に帰属する形となり、会社単位の個別の労組は認められていない。TPPは労働者の権利拡充をうたっており、国内制度との矛盾が生じる可能性がある。

 
ニュージーランドで10月に誕生したアーダーン新政権は当初、TPP11に後ろ向きとみられた。ただ、ここへ来てTPP11の交渉の障害になりかねない国内法の改正に乗り出し、「スタンス軟化のシグナル」との期待感も推進派の国々に生まれている。

 
 閣僚会合が8日に始まり、9日との2日間開催され、首脳会合が10日に開催されます。主導役の茂木経財相が、調整に尽力されているのだそうです。

TPP11閣僚会合開幕、週内合意へ大詰め 凍結項目絞り込み :日本経済新聞

茂木経財相が個別協議も

 【ダナン=山崎純】米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国は8日午前、ベトナム中部ダナンで閣僚会合を開いた。離脱した米国の復帰まで効力を一時停止する凍結項目について、大詰めの議論に入った。
凍結項目を絞り込み、米国を除く11カ国で週内の大筋合意を目指す


 
11カ国は閣僚会合を8日、9日の2日間、首脳会合を10日に開く閣僚会合では電子商取引データの流通制限禁止や紛争処理ルール、アパレル製品の関税撤廃ルールなど賛否が割れる項目を議論して政治判断による決着を探る

 茂木敏充経済財政・再生相は8日の閣僚会合のあと、カナダなど各国閣僚との個別会談を夜まで重ねる。交渉の取りまとめ役として、各国の凍結要求について取り下げを迫ったり、他国の要求に同意してもらうよう促したりする。

 米国を含むオリジナルのTPPでは米国への輸出拡大を期待して、米国の強い要求に応じた項目があった。
各国からはそうした項目を中心に凍結要求が相次いだ一方、日本やオーストラリア、シンガポールなどは凍結項目が増えすぎると、TPPの経済効果が薄れるとして凍結要求を出していない。凍結項目も絞り込みたい考えだ。凍結には交渉に参加する11カ国すべての同意が必要で、交渉を主導する日本が各国との調整役を担っている

 抵抗が強かったベトナムとニュージランドが積極姿勢に転じたことで、11ヵ国が揃っての稼働の可能性が出てきました。
 それぞれが国内事情を抱える中、11ヵ国が揃っての稼働が不安視されましたが、揃って稼働出来れば、世界の自由貿易の新しいスタンダードとしての地位は高まります。
 米国との2国間交渉時にも、有効な牽制力となりますし、米国内でのTPP復帰勢力への支援にもなるでしょう。
 なによりも大きいのは、中国の札束攻勢でのアジア・太平洋地域での覇権拡大に対抗する勢力圏が稼働することなります。
 来日したトランプ大統領と合意した、「インド太平洋戦略」と併せて、中国の覇権拡大に対峙または中国も呑み込んだアジア圏での、経済と安全保障の枠組みの構築への展望が見えてきます。

 TPPの交渉では、甘利大臣(当時)の奮闘が成果をもたらしましたが、今回は、茂木大臣の奮闘に期待ですね。



 # 冒頭の画像は、茂木敏充経済再生相とベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席




  この花の名前は、アネモネ・ブランダ


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