遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中露間で初のガス・パイプライン「シベリアの力」が稼働

2019-12-08 01:23:58 | 英国全般
 ロシアの東シベリアから中国に天然ガスを輸出する両国間で初のガス・パイプライン「シベリアの力」がこのほど稼働したのだそうです。
 ロシアが同年 3月、ウクライナ南部クリミア半島を併合し、米欧に経済制裁を科されたことから、交渉を加速したのだそうです。
 欧州での需要は減ってはいないのですが、エネルギー安全保障や価格の観点からガス調達を多角化することでロシアからの購入は減少していることは諸兄がご承知の通りです。

 国共内戦では中国共産党を支援したロシア。中共の国の産みの親だったのですが、経済面ではいまや中国に頼らざるをえない弟分に転落したロシア。
 契約では不利な立場となり、採算が懸念されるのだそうです。
 
中露の蜜月、象徴するパイプライン稼働 「準軍事同盟」エネも協調 - 産経ニュース 2019.12.7

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアの東シベリアから中国に天然ガスを輸出す両国間で初のガス・パイプライン「シベリアの力」がこのほど稼働した。世界屈指の天然ガス生産量を誇るロシアだが、従来の輸出は欧州向けが大半だった。「シベリアの力」は、欧米との関係悪化を背景に、ロシアが経済や軍事など各分野で中国と結束を強めていることを象徴する事業だ。

 2日に操業を始めた「シベリアの力」は、東シベリア産のガスを極東アムール州経由で中国の黒竜江省に運ぶ。ロシア国内のルートは全長3000キロに及ぶ。ガス売買の契約期間は30年で、年間最大380億立方メートルのガスが輸送される。

 中露が8年越しの交渉を経て、このパイプラインの建設に合意したのは2014年5月だった。ロシアが同年3月、ウクライナ南部クリミア半島を併合し、米欧に経済制裁を科されたことが交渉に弾みをつけた。

 
プーチン政権は国際的孤立からの脱却を図ろうと、中国などアジア諸国との関係を重視する「東方シフト」にかじを切った「シベリアの力」はその象徴的な事業だとされた。

 ロシアは伝統的に欧州方面を主要なガス輸出先としており、ウクライナを経由するソ連時代からのルートや、バルト海底のパイプライン「ノルドストリーム」でガスを輸出している。「ノルドストリーム2」やトルコを経由する「トルコストリーム」も近く完工する見通しだ。

 しかし、露経済紙ベドモスチによると、
欧州のガス需要は増加傾向にあるものの、ロシアからの輸入は減少している。欧州諸国がエネルギー安全保障や価格の観点からガス調達を多角化しているからだ。

 
ノルドストリーム2をめぐっては、米国が「ロシア依存リスクを高める」と欧州諸国に警告し、事業に参加する欧州企業への制裁も検討している。米国には、自国産の液化天然ガス(LNG)の欧州向け輸出を増やしたい思惑があるとされる。

 こうした状況で、
プーチン政権がガスの対中輸出にかける期待は大きい

 近年の中露両国は「準軍事同盟」と称されるほどに関係を深め、米欧への対抗姿勢を鮮明にしている。今年7月には、中露の爆撃機などが日本海上空で初の合同パトロール飛行を行い、露軍機が竹島(島根県隠岐の島町)周辺の日本領空を侵犯した。ロシア国内の軍事演習には2年連続で中国軍が参加している。

 その一方、
ロシアにとっては、中国との関係が深まるほど、ロシアが中国の「弟分」として埋没する危険性がつきまとう
 「シベリアの力」をめぐっては、
ロシアが弱みを抱えた状況で契約が結ばれたため、ガス価格などでロシア側が大幅に譲歩した可能性が指摘されている。

 4日付のベドモスチ紙は、
事業の採算性に疑問を投げかけつつ、「14年はロシアが兄(庇護=ひご=者)を必要とした時期だった」とし、政治的な思惑がパイプライン建設につながったと分析した。

 欧州方面を主要なガス輸出先としてきたロシア。
 ウクライナを経由するソ連時代からのルートや、バルト海底のパイプライン「ノルドストリーム」での輸出ルートがありましたが、「ノルドストリーム2」やトルコを経由する「トルコストリーム」も近く完工する見通しなのだそうです。
 
 しかし、欧州諸国がエネルギー安全保障や価格の観点からガス調達を多角化していることや、ウクライナ侵攻に対する制裁で、欧州向け輸出は減少。

 ノルドストリーム2をめぐっては、米国が「ロシア依存リスクを高める」と欧州諸国に警告し、事業に参加する欧州企業への制裁も検討しているのだそうで、外圧もかかっているのですね。

 一方、パイプラインの供給は、バルブの開け閉めをロシア側が握っていることから、かつては強いけん制力ともなっていました。
 つまり、今は中露が接近している様子ですが、長い国境線で接している両国。過去には対立する時もありました。
 
 プーチン氏が、赤字ともいわる対中輸出価格を、いつ見直すのか。米中による「新冷戦時代」の突入で低迷が予測される中国や世界経済の今後、日本や、成長力のあるアジアへの輸出ルートの積み出し拠点をウラジオストクや朝鮮半島に求めパイプライン建設をさらに延ばすのか。
 資源輸出が頼りのロシア経済の行方(北方領土交渉への影響)が注目されます。



 # 冒頭の画像は、ロシアの天然ガス輸出網




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